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自信がない原因とは?

自信がない原因とは?心理的特徴と対処法とは-心理専門家が解説

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは「自信がない」です。

  • 改善するお悩み
  • 自尊心が低い
  • 自己嫌悪になる
  • 自信がない
  • 全体の目次
  • 入門①自そもそも自信とは?
  • 入門②克服するメリット
  • 入門③診断とチェック
  • 入門④4つの方法で高める
  • 発展自己効力感UP研究
  • 発展神経質を減らそう
  • 発展コミュ力を高めよう
  • 助け合い掲示板

入門①~④を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。ぜひ最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

入門①そもそも自信とは?

自信の心理学的な意味

自信とは心理学の世界では「自己効力感」と言います。自己効力感は、英語ではセルフ・エフィカシー(self-efficacy)と言ったりもします。具体的な定義としては、


ある行動を達成することができる、と自分の可能性を認識していること(Bandura,1997)


とされています。簡単に説明すると

「私にはできる!」

という感覚と考えるといいでしょう。

結果,効果予測

アルバート・バンデューラは自己効力感の要素について以下の2つの概念を挙げています。

1.結果が予測できること
例えば、1か月、毎週5kmランニングすれば、痩せるぞ!という結果の予測。これは専門用語で結果予期(Outcome Expectation)と言います。

2.上手くできるという確信
私なら毎週5kmランニングできる!という確信。これは専門用語で.効力予期(Efficacy Expectation)と言います。

このように自信とは、どんな結果が起きるか?自分がそれを実行できるか?この2点が自己効力感のキーワードとなります。

入門②克服するメリット

自信がない状態を克服するとどのようなメリットがあるのでしょうか?心理学にはたくさんの研究があります。以下折りたたんで記載したので、気になるタイトルをクリックしてみてください。

一般的に、抑うつ状態に陥った人は、自分を過小評価する、自分には能力がないと感じる、意欲がわかない、無気力になってしまう、こんな特徴が出やすいと言われています。

三好(2007)の研究によると、高GSE(自己効力感が高い人)の方が、抑うつ傾向が低いことが分かっています。これは感覚的にも理解しやすいかと思いますが、統計的な調査でも裏付けられております。

このように、高GSEの方が抑うつのグラフが低いことが分かります。つまり、自信がない状態を克服すると、抑うつも低下していくと推測されます。

自信のない決断が後悔を生む

自信があれば後悔することも少なくなることが推測されます。中西ら(2015)の実験があるので論文に少しアレンジを加えてご紹介します。

「自信」と後悔の関係を実験した漫画

下図のように、自信をもって決断した場合は後悔は少なく、自信がない場合は後悔が多いという「負の相関関係」があることがわかりました。

この研究から「自信をもって行動した」ことについては、人は後悔が少ないと言えそうです。

逆に、自分の中で、なんとなく行ってしまった行動や、悪いと思いながらも行ってしまった行動については、後悔が大きくなると推測できます。

浦上(1995)によると、女子短大生186名を対象に、進路選択に対する自己効力に関する調査を行いました。

こちらは「不安抑制」との関係です。自己効力感がつくと、不安が抑制できることが分かります。

自己効力感と不安抑制の関係

自分は成功する!という自信があることから、不安が控えるようになります。自己効力感があると、プラスのイメージが持ちやすくなるのです。

ヒント
自己効力感と不安抑制は、とても大きい相関関係(.718**)です。不安を抑えたい…という場合は、自信がない状態を克服していくこともいいと読み取れます。

浦上(1995)によると、女子短大生186名を対象に、進路選択に対する自己効力に関する調査を行いました。

続いては、「持続力」との関係です。自信があると、持続力も身につくことが分かりました。

自己効力感と持続力の関係

こちらの相関も.654**と高い結果になっています。自己効力感の高い人は、持続力があるので物事をしっかり続けることができます。

ヒント
自己効力感と持続力も、とても大きい相関関係(.645**)です。1つのことを継続すれば、自己肯定感を高めることもできると考えられます。

藤本ら(2007)は、大学生233名(男性154名・女性79名)を対象に、コミュニケションスキルと自己価値について調査を行いました。自己価値とは、自分自身にしっかりと価値があるという感覚です。

調査の結果では、自己価値が高い人は「表現力」が高いことが分かりました。表現力とは、話す力や発信する力と考えてください。自己価値と表現力の関係

このことから自信がない状態を克服すると、発話力の向上につながると言えそうです

続いては「読解力」の結果です。読解力とは、相手を読み解く力と考えてください。自己価値が高い人は、読解力が高いことが分かります。

自己価値と読解力の関係

自己価値が高い人は、傾聴力も高いと考えられます。

逆に言えば、自分に価値があると考えられない場合、発話や傾聴ができないと読み解くこともできます。

たとえば、価値が感じられない商品を売ろうとした場合、「悪い商品だから紹介したくない…」と考えてしまい、営業トークもしにくいのではないでしょうか。

自己価値も同様にとらえることができます。自信がないと、コミュニケーションでも不自由になると言えそうです。

ヒント
自己価値と表現力・読解力は、相関関係です。そのため、発話力や傾聴力などの能力を延ばすことで、自己価値を上げて自己肯定感UPをすることも可能と言えそうです。

 

入門③自信がない・診断

ここからは自信がない状態を克服する方法をお伝えします。成果を把握するために、定期的な診断をオススメします。

入門④自信がない…を克服する方法

ここからは、自信がない状態を克服する方法について解説します。実は自己効力感を高める方法は数多く存在し、紹介しきれない部分もあります。

そこで今回は4点に絞って紹介させて頂きます。

対策①全体の指針を抑える

佐藤(2009)はYG性格検査と自己効力感の関係を調べました。その結果が以下の図となります。この図は非常に示唆に富んでいて、自己効力感を向上させるためのガイドとして活用できるでしょう。

図の見方ですが、ポイントはざっくりと2点あります。

1.数字を見る
数字が大きいほど、影響が大きい

2.プラスマイナス
マイナスがついている場合は自己効力感が低くなる
ついていない場合は自己効力感を向上させる

 

性格特性,自己効力感

いかがでしょうか。これを見ると、劣等感のマイナスが最も大きいことがわかります。このため、自信がない状態を克服させるにはできる限り、劣等感を減らす努力が必要になりそうです。

また活動性がプラスでもっとも大きく影響していますね。すなわち、アクティブに行動することが自己効力感を向上させていくうえで大切と言えそうです。

その他、自信を向上させる上では、多くの指標があります。まずは迷ったら上記の図を見て、基本に立ち戻ることをオススメします♪

自信をつける方法

対策②行動力を高める

自信がない状態の克服には、活発な行動がカギです。しかし、自信がない時ほど、重い腰が上がらない状況も多いはずです。そこで対策②では、アクティブに行動する上での改善法を解説しました。

行動力を高めたい!という方は下記をご覧ください。
・目標設定3つの流れ
・最終目標はどう立てる?
・達成できない時の対処法
自己効力感を高める方法を解説「スモールステップ」

対策③劣等感を改善する

先ほどもご説明した通り、自信がない状態を改善する上では劣等感の低減がカギになりそうです。劣等感がある状態は、自尊心が下がりやすく、行動的になれないという研究結果もあります。

劣等感を減らしたい!という方は下記をご覧ください。
・劣等感の善玉悪玉
・ネガティブ反すうとは
・比較癖を減らそう
劣等感コラム

対策④できること探し練習

次にご紹介する自信がない状態を克服する方法は、「できること探し」です。自信をつけるためには、自分にはできる!という強みをしっかり認識することが重要です。

できないことよりも、できることに目を向ける癖をつけていきましょう。

自分の強みを知りたい!という方は下記をご覧ください。
・毎日の中で自信をつけるには
・できることを自信に変える方法
できること探しトレーニング

発展編 自己効力感UP法詰め合わせ

ここからは、自己効力感UPに役立ちそうなコラムを紹介していきます。面白そうだなあ~と感じるタイトルがありましたらクリックしてみてくださいね♪

自己効力感UPさせる研究まとめ

自己効力感を向上させる研究は以下の5つです。気になる項目をクリックして確認してみてください。

佐藤(2009)は、大学生104名を対象に、自己効力感と性格特性を調査しました。調査では、性格検査「YG検査」と自己効力感を比べています。

その中で、プラスの相関がとても高かった項目に「活動性」があります。.740*ととても高い相関関係になっています。

活動性と自己効力感の関係つまり、活発に行動していくと自信がない状態が克服され、自己肯定感が上がると読み取れます。

自信をつけたいなら、挑戦することが大切といえます。

せんじ詰めれば、活力なくして自己効力感を高めることは無理と言っても過言ではないでしょう。迷った時には、まずは活動していきましょう。

横山ら(2011)が、中学生398名を対象に、成功体験と自己肯定感の関係について調査しました。

調査の結果、自己肯定感と成功感動体験は相関していることが分かりました。

成功体験と自己肯定感の関係感覚的にも理解しやすいですね。ミスばかりが続くと自信がない状態になりやすいです。そこで、小さな成功でもいいので勝利を積み重ねるが大切です。

失敗を乗り越えて、成功することで次のチャレンジへの原動力になるでしょう。

浦上(1995)によると、女子短大生186名を対象に、進路選択に対する自己効力に関する調査を行いました。

自己効力感は、認知された能力と非常に相関しています。認知された能力は、長所と捉えてください。

自己効力感と認知された能力の関係

ここで大切なのは「自分は何ができるのか」と認識することです。

1日1個でも、年365個

たとえば、私(川島)が好きなプロゲーマーの梅原大吾さんは、1日1つ強くなるという課題をもとにトレーニングをしているそうです。

1日1個の目標で自己肯定感を高める

これはとても、自信を高めることができます。

1日1つと思うと、小さく感じるかもしれません。しかし、1年なら365個、10年なら3650個です。長い目で考えると物凄い量になります。この1つ1つの成長が自信の原動力なのです。

毎日成功したことを記録、考える時間を持つようにしましょう。日記やブログを書くこともおすすめです。

行動した時には、ささまざまな経験をします。成功することもあればミスもあるでしょう。この失敗経験への、心構えは自信を持つうえでとても重要です。

伊藤(1996)は、中学生251名を対象に、学業達成における自己効力感の調査を行いました。この調査では、自己効力感が低い群と高い群を比較しています。

以下のグラフは、失敗した時の原因を能力不足と考える人数を、自己効力感が低群と高群で比べています。能力不足と考える人は、自己効力感が低群が高いことが分かります。

自己効力感と失敗原因の捉え方能力にミスの原因を求めてしまうと、改善がしにくくなります。自分自身の努力などで変えられるような捉え方ができるといいでしょう。

たとえば、自己効力感が高い群は、失敗の原因を能力不足ではなく努力不足と考える傾向があります。失敗したときには、能力ではなく、工夫をすれば上手くいくと考えられるとうまくいきやすくなるでしょう。

先ほどの細田ら(2009)の研究から、自己肯定感とソーシャルサポートについて見ていきましょう。ソーシャルサポートとは、助けてもらえると言う感覚です。

以下の図は、自己肯定感と「情緒的サポート」の結果です。情緒的サポートとは、励ましや応援による支援です。

情緒的サポートと自己肯定感の関係

良いところを認めてくれたり、気持ちを分けってもらえたという感覚は、自己肯定感を高めてくれることが分かります。特に友人や教師からのソーシャルサポートは影響が大きいことが読み取れます。

緒に過ごすだけでもok

以下の図は、自己肯定感と「共行動的サポート」の結果です。共行動的サポートとは、雑談をしながら一緒にいたり、声をかけるなどのサポートです。

自己肯定感と共行動的サポートとの関係

特に母親からのサポートは影響が大きいことが分かります。母親と一緒にいるだけでも、なんとなく自信を高めてくれると考えられます。

友人からのアドバイスは効果大

最後は「道具的サポート」の結果です。道具的サポートとは、物質的な援助や、具体的な悩みに対してのアドバイスなどをする支援です。

自己肯定感と道具的サポートの関係

進路や勉強のアドバイス、病気やけがを心配するといった内容は、友人からサポートがもっとも自信を高めてくれると言えそうです。

自分に暖かいソーシャルサポートを与えてくれる人とつながることで、自信がない状態を克服していきたいですね。

自分ひとりで自信を高めていく事は極めて困難です。まずは家族や友達、恋人など大切な人間関係でのコミュニケーションを大切にしましょう。

ソーシャルサポートの種類や活かし方など詳細は、ソーシャルサポートコラムで解説しています。

神経質にならないようにする

先程の性格検査では、神経質な人ほど自己効力感が低くなると推測できます。神経質だと、自分のダメな部分に目が行ってしまうのかもしれません。細かい点でダメ出ししてしまうという方は、こちらの神経質コラムを参考にしてください。

コミュ力をつけよう

先程の性格検査では、社交的な人ほど自己効力感が高いと推測されていました。人間関係を築く力をつかたい!という方はこちらのコミュ力UPコラムを参考にしてください。

自己効力感の尺度を高めていこう

まとめ-助合板の活用

まとめ

自信がない状態を克服するにはは、自己効力感・自己受容・コミュニケーション・アイデンティティが重要でしたね。

それぞれの項目での、自信を高める具体的な方法をチェックして取り組んでみてください。

ただし、全てに取り組むのは難しいです。何個かやってみる中で、自分にあった方法を探して、自信がない状態を克服してみてください。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムは愛着について考え方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・浦上 昌則,学生の進路選択に対する自己効力に関する研究,名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科,1995,42,115-126
・藤本 学,大坊 郁夫コミュニケーション・スキルに関する諸因子の階層構造への統合の試み,パーソナル研究,2007,15,3,347-361
・Emily K. Lindsay,J. David Creswell,Helping the self help others: self-affirmation increases self-compassion and pro-social behaviors,ORIGINAL RESEARCH ARTICLE, 2014
・佐藤 祐基,自己効力感と性格特性との関連,人間福祉研究,2009,12,153 – 161
・横山 里沙,久保田 瑞,古田 真司,中学生における感動体験と自己肯定感の関連についての検討 ―学校適応と家族機能の影響に着目して―,東海学校保健研究,2011, 35,1,17-24
・伊藤 崇達,学業達成場面における自己効力感, 原因帰属, 学習方略の関係,教育心理学研究,1996,44,3, 340-349
・樋口 善之,松浦 賢長,大学生における自己肯定感と生活習慣との関連に関する研究,福岡県立大学看護学部紀要,2003,1,1,65-70
・細田 絢, 田嶌 誠一, 中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究,心理学研究2009, 57,3, 309-323
・Yoo Suk An, MD, Seong-Hoon Jeong, MD, PhD, Ji Ae Nam, Jeong-Eun Kim, MA, Dong-Dae Seo, MD,1 Chang Hwa Lee, MD, PhD, and Kyeong-Sook Choi, MD, PhD,The Effects of Social Anxiety, Self-Esteem, and Depression on Suicidal Ideation in Korean Adolescents,J Korean Neuropsychiatr Assoc. 2016 Nov;55(4):450-457.
・José Martín-Albo, Juan L. Núñez, José G. Navarro and Fernando Grijalvo,The Rosenberg Self-Esteem Scale: Translation and Validation in University Students,Volume 10, Issue 2November 2007 , 458-467
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典,3