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ソーシャルサポートで克服

自信がない状態は「ソーシャルサポート」で克服できる⑦

コラム①では、自己嫌悪の3つ対処法を紹介してきました。具体的には、「①リフレーミング」「②やりたいことに集中する」「③ソーシャルサポート」が対処法でしたね。

今回は、自信がない原因「ソーシャルサポートが少ない」への対処法について解説していきます。

ソーシャルサポートとは

水間(1996)の研究では、「自己嫌悪尺度」を作成する際に、1つの因子として孤独感をあげています。孤独感が高く、周囲から孤立している人は自信がない状態になりやすいのです。この部分を改善するためには、「ソーシャルサポート」を得ることが非常に大切です。

ソーシャルサポートは、4つに分類されます.

1.情緒的サポート・・
励まし、褒めるなど感情面を支えてくれるサポート

2.情報的サポート・・
方法論などの情報を教えてくれるサポート

3.道具的サポート・・
家に住ませてもらうなどの物質的なサポート

4.評価的サポート・・
正しく評価をしてもらう評価的なサポート

どうでしょうか。こうしたサポートが周囲から得られている実感はありますか?

自信がないとの関連

細田ら(2009)では、中学生305名を対象に、自信と近い概念である「自己肯定感とソーシャルサポートの関連」を調査しています。この調査では、友人のソーシャルサポートが多いと感じているグループの方が、サポートが少ないと感じているグループと比較して自己肯定感が高いことが判明しました。

自信がない 対処法

上記のグラフのように、「道具的」「情動的」のどちらにおいてもサポート高群の方が自尊感情が高いと分かります。

このことから、「自信がない」を克服するためには、ソーシャルサポートを増やしていくことが大切です。サポートをしてくれそうな人を見つけて、実際に背中を押し合える関係を構築ことを行なっていきましょう。今回はこのソーシャルサポートを活用して自信がない状態から抜け出す方法をご紹介します。

友達の数=将来希望

下の図は、国の統計(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査)から引用したものです。「希望」と「友人の数」を分析したグラフですが、友人が多いほど将来に希望を持っていることを示しています。

友人が多くなるとソーシャルサポートも多くなり、自信がない状態を克服することにつながります。いっぽうで友人が少ないと将来に希望が持てず、自分に自信がない傾向が強くなってしまうでしょう。

その結果、人間関係が上手くいかなくなってしまい負のスパイラルに陥ってしまいます。さらにサポートが乏しくなるのでストレスを自分だけで抱えこんでしまいます。このような状態が深刻化するとストレスが過剰となり、心身のバランスを崩すことにもつながります。うつなどの精神疾患の危険性を高めることになってしまいます。

平山さんの事例

ここで、私が実際にセッションを対応をした事例をご紹介します。ある日平山さんという方がご訪問されました。30代前半の女性の方で、ハードな労働で体調を崩されていて、これからの働き方を考える目的で来室されました。お話を伺う中で、平山さんは理想的なキャリアを歩んでこられたと把握することができました。

しかし、平山さんは、

「私は人よりも仕事ができない」
「プロジェクトを途中放棄してしまった」
「自分はダメ人間だ・・・」

と、自信がない印象を受けました。

しかし、セッションのなかで、「仕事ができない」という点を深く質問してみると、「あのプロジェクトは一人で出来て当然だった」という言葉が頻繁に出てきました。平山さんはすべて1人で背負いこんでしまう性格で、今回の体調を崩した件も、相当な仕事量を1人で引き受けていたことに原因があるようでした。

そこで私は、『平山さんは1人でお仕事に打ち込んでいたように感じますかが、本当は誰かの支援があったのでは』と質問してみました。すると、「たしかに、その通りです。でも自分の責任なので周りに迷惑かけれなくて」とお話されていました。

すると平山さんは、

「上司の○○さんも大丈夫?とサポートしてくれた」
「同僚の○○さんも相談に乗るよと言ってくれていた」

と得られたサポートを思い出し始めました。

その後、平山さんは、職場での会話量が増えていきました。会話を楽しむすることができているようで、仕事に関係する話題についてもいろいろと知ることができるようになりました。すると、同僚とのコミュニケーションの中で、以前平山さんが放棄してしまった「プロジェクト」は、

「一人でかなり難しいプロジェクトだ」
「平山なら出来るかもしれない」

という期待のもと任された案件であるという事が分かりました。平山さんは、力が抜けたような気分になり、少し自信がない状態が和らいだように感じました。

「早い段階で相談してくれれば、自分もサポートできたかも」

と同僚が話してくれたようです。平山さん自身も

「苦しい時は周りの頼っても良かったのかも」

と少し後悔されている様子でした。その後、平山さんの働き方は変わり、上手く周りとサポーター関係を作りながらこなしていくようになりました。数年の月日が経経過しましたが、活発にコミュニケーションをとりながら健康的にお仕事をされています。平山さんのように、社会的サポートが得られると、自信がない状態を克服することができるのです。

社会的サポートを増やそう!

それでは、実際に自分の身近なサポートを挙げていきましょう。平山さんの事例のように、あなたをサポートしてくれそうな人を探してみてください。

質問①
サポートしてくれそうな人を挙げてみましょう。できる限り多く挙げてみてください。


 

解答例(平山さんの場合)

・交際中の彼氏Aさん
・古くからの親友であるBさん
・いまの職場の同僚Cさん
・いまの職場の部下Dさん
・いまの職場の直属の上司Eさん

質問②
質問①で、それぞれ挙げた人はどんな部分でサポートしてくれそうですか?整理してみましょう。

解答例(平山さんの場合)

自信がないをサポートで克服

今回は「ソーシャルサポートが足りない」の解決策についてご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。気が付けば、様々なシュチュエーションでサポートは見つかるはずです。周りからの援助が増えればば自信がないを克服する機会が増え、難しいことにも挑戦できるメンタルが身に付きます。

今の人間関係を見つめ直すことで、あなたの周囲に存在するの社会的サポートを発見することができます。それがあなたの自信や能力を引き上げてくれますよ。

次回は、自信がない状態をチェックする「自己効力感診断」について解説していきます。

★自信がない状態は「サポーター」を見つけることで克服できる!

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目次

①自信がない-概観
②心理学的な意味・定義
③他人嫌いにもなる!?
④問題意識が上がる!?
⑤リフレーミングとは
⑥アイデンティティ確立
⑦ソーシャルサポート
⑧自信がない診断でチェック!

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
久世浩司(2015)マンガでやさしくわかるレジリエンス 日本能率協会マネジメントセンター
水野 治久・谷口 弘一 ・福岡 欣治・古宮 昇(2007) カウンセリングとソーシャルサポート-つながり支え合う心理学 ナカニシヤ出版
水間玲子(1996)自己嫌悪感尺度の作成 教育心理学研究 44 296-302
宮下一博・小林利宣(1981)青年期における「疎 外感」の発達と適応との関係 教育心理学研究 4 297-305
細田絢・田嶌誠一(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他の肯定感に関する研究 教育心理学研究 57 309-323