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気分が落ち込むときの原因の対処法「気持ちや感情を整理する方法」

落ち込む


気分が落ち込むときの対処法「気持ちや感情を整理する方法」②

落ち込む感情の対処

コラム①では、落ち込む状況を解消できない原因を3つあげました。具体的には、「落ち込む気持ちの無視」「認知の偏り」「問題をひとりで抱え込む」 でしたね。

今回は、原因1つである「落ち込む気持ちの無視」に対処する方法を解説します。人は危機を経験し、混乱状態に陥ると気持ちや感情の整理ができず落ち込んでしまいます。落ち込みを解消するためには、自分の感情を適切に受け入れることが大切です。

イラスト:落ち込む気持ちを無視せず受け入れる人

そこでよいヒントとなるモデルがフィンクの理論です。

フィンクの危機理論とは?

フィンクの危機理論とは
「危機を経験した本人がその状況を受け入れていく過程を支援する理論モデル」
です。この理論は、心理的に追い込まれている方が多い、看護の現場でよく使用されています(小島,2013)。具体的には、以下の4段階で支援を行うと、対象者は心理的に回復しやすいとされています。

段階1:衝撃
対象者:危機を経験するとパニック状態になる。
支援者:まずは安全を確保し、静かに見守る。

段階2:防御的退行
対象者:現実逃避をする。その出来事をなかなか受け入れない。
支援者:本人の言動を否定せず、ありのまま暖かく受け止める。

段階3:承認
対象者:徐々に落ち込む気持ちと直面化し、悲しみなどの感情が生じる。
    そして悲しみと向き合うことで乗り越えていく

支援者:本人が問題を解決できるように援助する。
    気持ちの整理をサポートする。

段階4:適応
対象者:新しい価値観を見出す。
支援者:努力したことを認め、成果をフィードバックする。
    本人のモチベーションが高まるよう支援する。

以上のように人が落ち込んだ時は以上の4つの段階をたどるとしています。落ち込むことがあったときは、焦らなくてOkです。心には自然と回復する機能があります。4つの過程を大事にしながらゆっくり受け入れていくようにしましょう。援助者はこのように落ち込んでいる人を支えるのですが、このやり方は、「自分で自分を癒す」際にも有効です。自分の中に自分を支える援助者を創るイメージですね。例題とともに具体的に説明します。

イラスト:落ち込む気持ちを無視せずに支える援助者

自分の援助者を自分の中に創ろう  

例題
主婦の  Aさんは、夫と口げんかになりショックなことを言われて落ち込んでしまいます 。夫にも「いいたいことがあるならいえば?」といわれるのですが、つい自分の中に押し込めてしまいます。そこで、この状況を変化させるために自分の感情を受け止めるワークをやってみることにしました。

イラスト:夫と口げんかで、自分の感情を受け止められず抑えてしまう女性

段階1:衝撃期の支援
→温かく静かに見守る。クールダウンするためにゆっくりできる場所に行く。

段階2:防御的退行の支援
→ありのままを受け止める。ゆっくりと自分の感情をありのままノートに書く。

段階3:承認 の支援
→問題解決できるように支援する。自分ができる範囲で自分の気持ちを夫に伝える。

段階4:適応 の支援
→成果をフィードバックする。自分の行動を振り返り、気持ちを伝えた自分を認める。

Aさんは、いつも押さえ込んでいた感情を自分自身で受け止めたことですっきりとした感覚を味わいました。

いかがでしょうか。フィンクの理論は支援者向けの理論ですが、自分で自分の心をケアする上でも充分活用できます。それでは、自分の感情を受け止める練習としてワークを1つ行っていきましょう。

問題
あなたが感情を抑圧してしまう場面を想像して見て下さい。次に以下の順番で自分の感情を受け止めてみましょう!

あなたが想像した場面

 

段階1:衝撃
(安全に保護して自分を温かく静かに見守る)
→あなたの対処法:

 

段階2:防御的退行
(自分を否定せずありのままを受け止める)
→あなたの対処法:

 

段階3:承認
(自分で問題解決できるように支援する)
→あなたの対処法:

 

段階4:適応
(成果をフィードバック)
→あなたの対処法:

 

最後にワークで感じた感覚をしっかり味わいましょう!

 

感情を受け止めて気分の落ち込みを解消

ワークははいかがでしたか。抑圧していた感情を自分が援助者になったつもりで受け止めることで

・落ち込む気持ちが解消される
・安心感が生まれる
・ストレスを軽減できる

などの効果があります。

Pennebaker (1985)は、思考や感情、行動を意識的に抑制しようとすることは、大変エネルギーを使うため、長期間に及ぶと身体的にはストレスとなり医学的な問題をもたらすことを明らかにしています。抑圧していた感情は感情を受け止めるワークを使って表現してみましょう。ぜひ日常生活の中でワークを取り入れてみてくださいね!

次回の落ち込むコラムは、落ち込む状況を解消できない原因の2つ目 「認知の偏り」の対処法についてご紹介します。お楽しみに!

★気分が落ち込む時は、フィンクの危機理論で感情を受け止めてみよう!

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*出典・参考文献
小島操子 (2013). 看護における危機理論・危機介入―フィンク/コーン/アグィレラ/ムース/家族の危機モデルから学ぶ, 金芳堂.
Pennebaker, J. W. (1985). Traumatic experience and psychosomatic disease: Exploring the roles of behavioural inhibition, obsession, and confiding. Canadian Psychology/Psychologie canadienne, 26(2), 82.



気持ちの落ち込みを適切に受入れていこう