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落ち込むときの対処法

落ち込む


気分が落ち込むときの対処法②

コラム①では、落ち込む状況を解消できない原因を3つあげました。具体的には、「落ち込む気持ちの無視」「認知の偏り」「問題をひとりで抱え込む」 でしたね。今回は、原因1つである「落ち込む気持ちの無視」に対処する方法を解説します。

イラスト:落ち込む気持ちを無視せず受け入れる人

よいヒントとなるモデルがフィンクの理論です。コラム1でもお伝えしましたが、大事なところなので復習しましょう。

フィンクの危機理論とは?

フィンクの危機理論とは
「危機を経験した本人がその状況を受け入れていく過程を支援する理論モデル」
です。フィンクの理論は支援者向けに学習されることが多いのですが、自分自身の支援にも役立ちます。具体的には、以下の4段階で心理的に回復していくとされています。

段階1:衝撃
危機を経験するとパニック状態になる。

段階2:防御的退行
現実逃避をする。その出来事をなかなか受け入れない。

段階3:承認
徐々に落ち込む気持ちと直面化し、悲しみなどの感情が生じる。そして悲しみと向き合うことで乗り越えていく

段階4:適応
新しい価値観を見出す。努力したことを認め、成果をフィードバックする。本人のモチベーションが高まるよう支援する。

以上のように人が落ち込んだ時は以上の4つの段階をたどるとしています。落ち込むことがあったときは、焦らなくてOkです。心には自然と回復する機能があります。4つの過程を大事にしながらゆっくり受け入れていくようにしましょう。

援助者はこのように落ち込んでいる人を支えるのですが、このやり方は、「自分で自分を癒す」際にも有効です。例題とともに具体的に説明します。

イラスト:落ち込む気持ちを無視せずに支える援助者

自分の援助者を自分の中に創ろう  

例題
主婦の  Aさんは、夫と口げんかになりショックなことを言われて落ち込んでしまいます 。夫にも「いいたいことがあるならいえば?」といわれるのですが、つい自分の中に押し込めてしまいます。そこで、この状況を変化させるために自分の感情を受け止めるワークをやってみることにしました。

イラスト:夫と口げんかで、自分の感情を受け止められず抑えてしまう女性

段階1:衝撃期の支援
→怒られたばかりで悲しい・・・涙が出る・・・

段階2:防御的退行の支援
→いつもは優しい夫だから、許さなきゃと考えたり、でも傷つく、どうすればいいかわからないと葛藤する。

段階3:承認 の支援
→自分の気持ちはやはり相手に伝えるべき、と心が整理されてくる。

段階4:適応 の支援
→夫に、傷ついたことを告げる。自分の行動を振り返り、気持ちを伝えた自分を認める。きちんと主張することが大事だと新しい価値観を得る。

Aさんは、いつも押さえ込んでいた感情と向き合うことで、言いたいことは我慢せず主張すると新しい価値観を得て、落ち込む出来事を前向きに活かすことができました。

いかがでしょうか。フィンクの理論は支援者向けの理論ですが、自分で自分の心をケアする上でも充分活用できます。それでは、自分の感情を受け止める練習としてワークを1つ行っていきましょう。

自分の問題で考えよう

あなたが落ち込んだ場面を想像して見て下さい。もし健康的に乗り越えるとしたらどのようなプロセスで回復していくか考えてみましょう。落ち込んだばかりの時期は、こんな風に回復できるといいな・・・と想像する程度でOkです。

段階1:衝撃

段階2:防御的退行


段階3:承認

段階4:適応

最後にワークで感じた感覚をしっかり味わいましょう!

感情を受け止めて気分の落ち込みを解消

ワークははいかがでしたか。Pennebaker (1985)は、思考や感情、行動を意識的に抑制しようとすることは、大変エネルギーを使うため、長期間に及ぶと身体的にはストレスとなり医学的な問題をもたらすことを明らかにしています。

落ち込んだ時は、無理をせず、自分の心の回復プロセスに任せてじっくり回復していきましょう。ぜひ日常生活の中でワークを取り入れてみてくださいね!

次回の落ち込むコラムは、落ち込む状況を解消できない原因の2つ目 「認知の偏り」の対処法についてご紹介します。お楽しみに!

★気分が落ち込む時は、フィンクの危機理論で感情を受け止めてみよう!

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*出典・参考文献
小島操子 (2013). 看護における危機理論・危機介入―フィンク/コーン/アグィレラ/ムース/家族の危機モデルから学ぶ, 金芳堂.
Pennebaker, J. W. (1985). Traumatic experience and psychosomatic disease: Exploring the roles of behavioural inhibition, obsession, and confiding. Canadian Psychology/Psychologie canadienne, 26(2), 82.



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