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パニック障害の原因と対応法「不安や恐怖を緩和する考え方」

パニック障害,原因,対応法


パニック障害の原因と対応法「認知再構成法」-不安や恐怖を緩和③

コラム②では、パニック障害の抑止につながる「呼吸法」をご紹介しました。今回は、パニックの対応法の2つ目「破局的な考え方」を取り上げます。考え方を再構築して不安を切り替えるためには、認知再構成法と呼ばれる技法が有効です。認知再構成法とはどのような技法か、そのポイントをご紹介します。パニック障害の原因「破局的な考え方」の対応法

パニック障害に対応・・認知再構成法とは?

認知再構成法とは、
「動揺した時に浮かんでくる考えやイメージを
 現実に照らし合わせ、歪みを見つけ、
 動揺を軽減させる方法」
です。

Hanne(2013)は、45名のパニック障害の患者さんに対して認知行動療法を行いました。その結果、「パニック発作を自力で抑えることができる」という自己効力感が症状改善に重要な役割を果たしていることがわかりました。

つまり、パニック障害の治療には、考え方を切り替える対応が有効であることが確認されたのです。

例えば、4~5人がいる前で自己紹介をしなければならなくなったとしましょう。みなさんなら、どのようなことを考えて、どのような気持ちになるでしょうか。

・不安で固まってしまうのではないか・・・
・もし緊張で倒れてしまったらどうしょう・・・
・誰も助けてくれないのでは・・・
  ↓↓↓
 不安・緊張

このように、浮かんだ考えやイメージによって、不安になったり緊張したりしてしまいます。しかし、次の考えだとどうでしょうか。

・自己紹介は苦手だけど、
 今回はうまくいくかもしれない

・固まってしまったら
 助けてもらえるように頼んでおこう

・あらかじめパニックになりやすいことを
 伝えておいた。自分なりに話せればOK

 ↓↓↓
 落ち着き

今度は少し気持ちが落ち着きに向かいました。

このように、考え方次第では不安や緊張が高まってしまいますが、その逆に、自分を落ち着けるほうに持っていくこともできるのです。考え方のことを“認知”と呼びますが、認知を切り替えることで不安や緊張を和らげようとするのが認知再構成法なのです。

考えを現実に照らし合わせる

考え方を切り替えると言っても、無理に楽観的に前向きに考える必要はありません。あくまでも、現実に照らし合わせてみて、事実として何が言えるのかを考えます。ポイントとして、以下の点をチェックしてみてください。

①破局的な結論を
 予想しすぎていないか?

②0か100かのような、
 あまりに極端な考え方をしていないか?

③「~にちがいない」
 などと決めつけすぎていないか?

④小さな失敗を
 大きな失敗だ!
 ととらえていないか?考え方を変えてパニック障害の症状に対応しよう

パニックになりやすい破局的思考

パニックになりやすい方は、特に①の破局的な思考が強いと言われています。
「また発作が起きたらどうしよう!」
「ここで倒れたら誰も助けてくれない!」
「今度こそ死んでしまう!」
といった“破局的な考え”が出てきやすいのが特徴です。

破局的な考えをすると、恐怖や不安が高まるばかりです。そうすると呼吸が荒くなってきて、本当にパニック発作が起きてしまうという悪循環が生じるのです。この悪循環を断つためには、認知再構成法を用いて、破局的な考えを切り替えることが大切です。

・呼吸法でコントロールすればいい
・倒れる前に親切な人に助けてもらおう
・パニック発作になっても死ぬことはない

破局的な考えよりも、切り替えた後の考えの方が現実的で理にかなっていると思えたら、一歩前進です!パニック発作が起きそうになっても、破局的な考えを現実に照らし合わせて切り替えてみることで、パニック発作をコントロールすることも可能です。ゆっくり試してみてくださいね。

練習問題 ここで練習問題をしてみましょう

ヒロコさんは、人の多い場所が苦手です。そうした場所に行くと、何かあってもすぐに逃げられないと恐怖を感じ、心臓がどきどきして汗をかいてしまいます。

そのため、苦手な場所を避けるようにしているので、繁華街にひとりで行くことはありません。

しかし、仕事の用事があって、ひとりで繁華街を歩かなければいけなくなりました。ヒロコさんはどうしたらいいのか困っています。

 

ヒロコさんが、認知再構成を使うとすると、どのように考えると良いでしょうか?考えてみましょう

 

解説:

・心臓がどきどきしたり汗をかいたりする症状で死ぬようなことはないから、そんなに怖がらなくていい。

・本当に困ったときは医療機関を受診して、治療を受けよう。

・職場の人に事情を話して、一緒についてきてもらおう。

・繁華街を歩いていて、もし辛くなったら、交番に駆け込もう。

 

このように、認知際構成法では、自分自身がほっとできるような考え方を使いしてみることが重要です。その時、“他の人だったら何とアドバイスしてくれるだろう?”と他者視点で考えてみることも大切ですね。ぜひ試してみてください。

 

次回は、パニックの対応法の3つ目「エクスポージャーで不安を乗越える」についてご紹介します。

★パニック障害の原因の1つ「破局的な考え」を切り替えて 発作を自己コントロールしよう

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心理学講座

*出典・引用文献
Hanne N.Fentza et al.(2013)Mechanisms of change in cognitive behaviour therapy for panic disorder: The role of panic self-efficacy and catastrophic misinterpretations. Behaviour Research and Therapy, 51(9), 579-587.



認知再構成法で不安をセフルコントロール