>
>
>

パニック障害の原因と対応法「エクスポージャー」回避症状を克服

パニック障害,原因,対応


パニック障害の原因と対応法「エクスポージャー」‐回避症状を克服④

コラム③では、パニックの改善を妨げる原因の1つ「不安に陥りやすい破局的な考え方をしている」の対応法として、不安を切り替える認知再構成法をご紹介しました。今回は、パニックの対応法の3つ目「エクスポージャーで不安を乗越える」をご紹介します。

パニック障害の対応法・・エクスポージャーとは?

コラム①でも取り上げましたが、パニックになりやすい方は、発作が起きそうな場所や状況を回避する傾向があります。特に電車や飛行機など、密閉された空間やすぐに逃げられない場所は怖くなる事が多いため回避傾向が強く、症状がエスカレートしてくると、電車に乗ることはおろか、外出すること自体ができなくなってしまうケースもあります。こうした回避の症状の対応にはエクスポージャーの技法が有効です。

エクスポージャーとは、日本語では「曝露」と訳されます。その名が示す通り、苦手な状況に“さらされる”ことです。苦手な状況にさらされながら、次第に慣れて克服していくという、パニックになりやすい方の対応法のひとつです。パニック障害の対応法「エクスポージャー」のポイント

練習!パニック障害の原因に対処しよう

さっそくですが、エクスポージャーの進め方を確認しましょう。

①悩みを明確にする
まずは、克服したいパニック障害についての悩みを具体的にしていきます。
例えば、
「新しくテニスサークルに通おうと思っているのだが赤面症で、注目されたくない。以前、教室の100メートル前まで行って控えしてしまったことがある。」
としましょう。

こうした悩みであれば、最終的な目標は「教室に入って入会案内を聞く」とするのが望ましいです。説明を聞くときは不安があってもを良いのだと心にとどめておきましょう。

②手順決め
次に、手順を決めます。目標地点に向かって歩く道順を決め、歩く時刻も定めておきます。あらかじめ手順を具体的しておくことで、行動する際に迷いがなくなり、不安が軽減されます。

③目標レベル設定
最終目標に向かうまで小さな目標を決めます。この時、小さな目標の「レベル」も設定しておきましょう。始めから目的地点まで歩くのは難しいので、今の自分が達成できそうなところから始めていきます。最終目標に近づくほどレベルは高くなってていきますので、逆算して考えてみると良いでしょう。

実際に小さな目標に向かう時は、症状が取れたかどうかではなく、どれほど歩行できたかなどで評価します。もし先へ進めそうであれば、行けるところまで距離を延ばします。不安で先へ進めない場合には、その場に留まるのも効果的です。不安な場面でも滞在時間が長くなれば、少しずつ落ち着きを取り戻して先へ進めることもあります。もし前回より距離を延ばせない場合は、滞在できたかどうかで評価していきましょう。

➃目標ゴール
目標まで到達できたら、「1日に2回行ってみる」「乗り物を使って行く」など次の目標を決めます。同じように赤面症が表れたかどうかではなく、どれだか歩けたか、滞在できたか、乗り物に乗れたかで評価をしていきます。

表でまとめると以下の通りです。

イメージができましたか?それでは、実際の練習を進めていきましょう!注意点として、高熱があったり、疾患にかかっている場合は中止をしましょう。まずは健康が第一です!では、練習問題を使って段階的に目標に近づいていく流れをつかんでいきましょう。

練習問題
進め方4つの基本の過程を表に当てはめて考えてみましょう。

1.悩みを明確にする

2.手順決め

3.目標レベル設定

4.目標ゴール

解答例
1.悩みを明確にする
⇒いつもジムに行くと赤面してしまい、周りの視線が怖い。ジムを目標地点とする。

2.手順決め
⇒「大通りは同僚がいるかもしれないから脇道から行こう」など適切なコースを選び、「止まること考えて2時間前には家を出る」など無理のない時刻で設定する。

3.目標レベル設定
⇒ジムの半分までは行く→目標レベル1
 ジムの建物が見える位置まで行く→目標レベル2
 そして会社の入り口の前まで行く→目標レベル3

4.目標ゴール
⇒ジムの中に入る(達成できたら、1日2回行くようにする、バスで行ってみるなど次の目標を決める)


練習はいかがでしたか。どのように受け止めていくか、考えていくか、段階を踏みながら練習をしていきましょう。不安に段階的に近付くことで、不安に慣れていきましょう。

エクスポージャーは協力者と行おう

エクスポージャーは非常に心理的な負担が強い対応法です。そのため、ひとりで実行するよりも、協力者がいるほうが安心できます。できれば、専門機関にかかり、治療者を味方につけることをお勧めします。

次回で、パニック障害コラムも最後となります。これまでご紹介してきた、原因・対応法について改めて確認していきましょう。

★セルフ・エフィカシーを高めてパニック障害の原因に対応しよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。特に対人場面での不安や緊張との付き合い方について講義をしています。

*出典・引用文献
陳峻雯ら(2001)広場恐怖を伴うパニック障害患者を対象としたエクスポージャーに及ぼす患者教育の効果. 行動療法研究, 26(2), 57-68.



エクスポージャーで克服を目指そう