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パニック障害の原因と対応法「エクスポージャー」回避症状を克服

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パニック障害の原因と対応法「エクスポージャー」‐回避症状を克服④

コラム③では、パニックの改善を妨げる原因の1つ「不安に陥りやすい破局的な考え方をしている」の対応法として、不安を切り替える認知再構成法をご紹介しました。今回は、パニックの対応法の3つ目「エクスポージャーで不安を乗越える」をご紹介します。

パニック障害の対応法・・エクスポージャーとは?

コラム①でも取り上げましたが、パニックになりやすい方は、発作が起きそうな場所や状況を回避する傾向があります。特に電車や飛行機など、密閉された空間やすぐに逃げられない場所は怖くなる事が多いため回避傾向が強く、症状がエスカレートしてくると、電車に乗ることはおろか、外出すること自体ができなくなってしまうケースもあります。こうした回避の症状の対応にはエクスポージャーの技法が有効です。

エクスポージャーとは、日本語では「曝露」と訳されます。その名が示す通り、苦手な状況に“さらされる”ことです。苦手な状況にさらされながら、次第に慣れて克服していくという、パニックになりやすい方の対応法のひとつです。パニック障害の対応法「エクスポージャー」のポイント

エクスポージャーの3つのポイント

これから、エクスポージャーのポイントを3つ取り上げます。

①パニック症状についてよく知る
パニックについての知識をよく知っておくと、その後の対応や治療がうまくいきやすくなります。、コラム①~③に書いてあるパニックの原因、パニック発作、予期不安、回避行動、呼吸法、認知再構成法、などを復習してみてください。

②自分でコントロールできると信じる
特に知っておいたほうがいいのは、パニック発作や予期不安、回避行動などのパニックの症状は自分でコントロールできるということです。

このように、ある事柄を自分でもコントロールできる!と、とらえることを“セルフ・エフィカシー”と言います。ある種の自信のことで、自己効力感と呼ばれます。

陳ら(2001)は、エクスポージャーの治療を始める前に、パニック障害についてきちんと知っておくこと(患者教育)が大切で、そうするとセルフ・エフィカシーが高まりやすいと報告しています。

セルフ・エフィカシーが高まると言うことは、パニックを自分でもコントロールできると信じられる、と言うことです。そうすると、不安な状況にさらされるという大変なエクスポージャーの課題でも、やってみようと思う意欲につながります。ですから、セルフ・エフィカシーを高めることはパニック障害の対応には大事な要素です。

③段階的に不安な状況に近づいていく
イメージと現実場面で、不安に感じる状況に少しずつに近づいていきます。つまり、自ら不安にさらされるということです。

例えば、電車に乗ることが不安な場合は、

イメージ
各駅電車に乗っている自分を想像する
→満員電車に乗っている自分を想像する

現実場面
駅まで行って帰ってくる
→1駅だけ電車に乗る
→2~3駅ほど電車に乗る
→満員電車や急行電車に乗る

こうした具合に、段階的に難易度(不安の度合い)を上げていき、徐々に目標に近づいていく対応がエクスポージャーです。うまくいったら自分を褒め、うまくいかなくても「また挑戦すればよい」と励まします。

パニック障害の原因について対応法を専門家が解説しています

練習!パニック障害の原因に対処しよう

ここで先ほどご紹介した、エクスポージャーのポイントの3つ目「徐々に目標に近づいていく」ための練習をやってみましょう。

まずは、進め方4つの基本を確認してくださいね。

①シュチェーションと目標決め
まずは、シチュエーションと目標を決めていきましょう。
例えば、
「新しく恵比寿のテニスサークルに通おうと思っているのだが赤面症で、注目されたくない。以前、教室の100メートル前まで行って控えしてしまったことがある。」
としましょう。

こうしたシュチエーションであれば、「教室に入って入会案内を聞く」という目標が望ましいです。説明を聞くときは不安があってもを良いのだと心にとどめておきましょう。

②スモールゴールと手順決め
そして、スモールゴールと手順を決めます。目標地点に向かって歩く道順を決め、歩く時刻も定めておきます。一気に目標まで歩くのではなく小さなゴールを決めて、歩ける距離から始めましょう。

③距離や時間を延ばす
実際に目標まで歩いてみます。症状が取れたかどうかではなく、どれほど歩行できたかなどで評価します。どんなに不安があっても、昨日の地点までは今日も歩くようにしましょう。もし先へ進めそうであれば、行けるところまで距離を延ばします。不安で先へ進めない場合には、その場に留まるのも効果的です。不安な場面でも滞在時間が長くなれば、少しずつ落ち着きを取り戻して先へ進めることもあります。もし前回より距離を延ばせない場合は、滞在できたかどうかで評価していきましょう。

➃次の目標を決める
目標まで到達できたら、「1日に2回行ってみる」「乗り物を使って行く」など次の目標を決めます。同じように赤面症が表れたかどうかではなく、どれだか歩けたか、滞在できたか、乗り物に乗れたかで評価をしていきます。

表でまとめると以下の通りです。

パニック障害を4つのステップで改善していく例題

イメージができましたか?それでは、実際の練習を進めていきましょう!

注意点として、高熱があったり、疾患にかかっている場合は中止をしましょう。まずは健康が第一です!では、練習問題を使って段階的に目標に近づいていく流れをつかんでいきましょう。

練習問題
進め方4つの基本の過程を表に当てはめて考えてみましょう。

1.シュチエーションと目標決め

2.手順とスモールゴールを決める

3.距離や時間を延ばす

4.次の目標を決める

パニック障害を段階的に改善していく方法の練習の資料

解答例
1.シュチエーションと目標決め
⇒いつも会社行くと赤面してしまい、周りの視線が怖い。会社を目標地点とする。

2.手順とスモールゴールを決める
⇒「大通りは同僚がいるかもしれないから脇道から行こう」など適切なコースを選び、「止まること考えて2時間前には家を出る」など無理のない時刻で設定する。スモールゴールは「会社の半分までは行く、会社の建物が見える位置まで行く、会社の入り口の前まで行く」とする。

3.距離や時間を延ばす
⇒昨日は10分だったけど、今日は15分にしてみよう。

4.次の目標を決める
⇒1日に2回行けるようにしよう。または、今度はバスで行ってみよう。

パニック障害を段階的に改善していく方法の練習練習はいかがでしたか。どのように受け止めていくか、考えていくか、段階を踏みながら練習をしていきましょう。不安に段階的に近付くことで、不安に慣れていきましょう。

エクスポージャーは協力者と行おう

エクスポージャーは非常に心理的な負担が強い対応法です。そのため、ひとりで実行するよりも、協力者がいるほうが安心できます。できれば、専門機関にかかり、治療者を味方につけることをお勧めします。

次回で、パニック障害コラムも最後となります。これまでご紹介してきた、原因・対応法について改めて確認していきましょう。

★セルフ・エフィカシーを高めてパニック障害の原因に対応しよう

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心理学講座

*出典・引用文献
陳峻雯ら(2001)広場恐怖を伴うパニック障害患者を対象としたエクスポージャーに及ぼす患者教育の効果. 行動療法研究, 26(2), 57-68.



エクスポージャーで克服を目指そう