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プレッシャーは自分に合った方法で対処!

プレッシャーに弱いなら「3つのC」を知ろう③

コラム②では、プレッシャーやストレスの対処法として「認知のクセを修正」についてご紹介しました。日々の小さなイライラ「デイリーハッスル」にもしっかり目を向け、心の安定を図っていきましょう。

今回は、プレッシャーを軽減する方法の2つ目「3つのCを知る」をご紹介します。プレッシャーに強い人弱い人の特徴を知ろう

プレッシャーに弱い人とは?

コラム①でも少し触れましたが、人間はさまざまなタイプがあり、心理的プレシャーに強い人・弱い人があります。例えば、心理的プレッシャーに弱い人は次のような特徴があります。

・心理面の対処法を知らない
・周りを見る余裕がない
・自分の状態に気付けない

これらに思い当たる場合は、心理的ストレスに弱いタイプかもしれません。プレッシャーに強い人は刺激を受けた時に、どのように「判断・対処・実行」をして上手に対処しているのでしょうか。

3つのCがプレシャーに強くなるカギ

プレッシャーに強い人には「3つのC」と呼ばれる特徴があります。『心の臨床家のための精神医学ハンドブック』(創元社)の「外傷後ストレス障害」(同功著・大野裕氏・斎藤直子氏)の中で、ストレス状況を生き抜く基本的視点として3つのCを上げています。

①コミットメント(Commitment)
②コントロール(Control)
③チャレンジ(Challenge)

この3つのCを持つことで、プレシャーやストレスを感じる状況も、上手く対処していけるようになります。実際に、中西(2014)の研究では、3つのCがストレス状況下にどのような役割を持つか検討しています。実験では、大学生302名に対して、質問を紙を用いてストレス反応について調べました。その結果は以下の通りです。

このように、3つのCがストレス反応に対していずれも負の相関を示していることがわかります。つまり、チャレンジ、コントロール、コミットメントを身に付けている人は、ストレス反応が低くなると考えることができます。では、ぞれぞれの3つについて詳しく解説していきます。

①コミットメント
ここでいうコミットメントとは、ストレスがある状況とうまく関わることです。基本的にはストレス環境から逃避することなく、試行錯誤しながら環境とうまく付き合っていきます。今ある環境に価値を見出す力が強いと言えます。ただし、本当に合わないと感じるときはうまく、距離を置くのもコミットメント力の1つと考えましょう。

②コントロール
自分の感情や欲求、行動を上手くコントロールできるスキルです。心理面のコントロールができると、対人関係でのプレッシャーやストレスを軽減できます。認知療法やマインドフルネス療法といった心理療法が有効です。

③チャレンジ
どのような困難でも、立ち向かう姿勢と楽しむ気持ちです。今が困難な状況であっても、チャンスをとらえ経験や成長と捉えることができるタイプです。

プレッシャーやストレスはネガティブに捉えがちです。しかし、どのような状況でも自分の気持ちを調節積極的に挑戦していく前向きさがあれば、上手に対処していけそうですね。

 

3つのCをチェックしてプレッシャー対応策を見つけよう

3つのCを向上させるには?

ここでは3つのCを向上させる、具体的な方法を見ていきましょう。

①コミットメントを高める方法
自分の身の周りで起きている状況とうまく関わることです。ただいるだけの人になるのではなく、周囲の人や身の回り出来事に興味を持ち、積極的に関わっていくことが大切です。人の関わり方は心理学では「ストローク」と呼ばれていて、以下の5つの種類があるとされています。

1.条件付き肯定的ストローク・・・100点を取ったから褒めるなどの肯定
2.無条件の肯定的ストローク・・・無条件で相手を肯定する「あいさつ」「励まし」など
3.条件付き否定的ストローク・・・遅刻したから叱るなど条件付きの否定
4.無条件の否定的ストローク・・・人格を否定するなど無条件で相手を否定する
5.ノンストローク・・・何の関わりも持とうとしない、無視するなど

コミットメントを高めるには、この中で「肯定的ストローク」を増やし、「無条件の否定的ストローク」と「ノンストローク」を減らしていくと良いでしょう。

つまり、あいさつや励ましを増やし、人格否定や関わりを持とうとしない姿勢をなくすことが大切です。

②コントロールを高める方法
ストレスやプレッシャーのかかる状況に直面しても、それを肯定的に捉えて、自分でコントロールできるという感覚を持つことが大切です。自分が制御できる部分に集中し、どうにもならない部分は受け入れるというスタンスをとることで状況をコントロールできる感覚が身についていきます。

心理学にフローという概念があります。フロー体験とは、ある物事に没頭していて、自我を忘れて集中している状態のことです。ミハイ・チクセントミハイ(2000)は著書である「フロー体験 喜びの現象学」の中でどんな状況でフローを体験しやすいかを説明しています。

上図のように物事に対しての「難易度」と「スキル」が両方を高い状態でフローが発生しやすいことが分かります。プレッシャーのかかる状況に陥った時は、「難易度」が高すぎると感じていることが多いので、目標を細分化してレベルを下げるなどの工夫が大切です。

③チャレンジを高める方法
どんなに変化に対してもオープンな姿勢をとり、それを受け入れることができます。世の中は常に変化を続けているという認識を持つことで変化への恐れをチャレンジへの原動力に変えることができます。

といっても、人間には「現状維持バイアス」というものがあり、そう簡単に変化を受け入れることができません。そこで、小さい変化を積み重ねて、徐々に慣れること大切です。ここで参考になるのが、「スモールステップ計画表」です。

上図は「不安階層表」と呼ばれるもので、「初対面の人に自分から話しかけられるようなる!」という最終ゴールに向けて、小さな変化を起こしていきます。目標に対して、スモールゴールを作成し、恐怖レベルを設定します。そして低いものから行動していくというもの。

まずは、小さなプレッシャーから挑戦して成功体験を積み上げることで「変化しても大丈夫なんだ!」という経験を体で覚えていきます。ご自身が克服したい恐怖に対して、スモールステップで変化を起こしていきましょう。

3つのCを身につけてプレッシャーに強くなろう

3つのC・自分に合った対処法を知ろう

プレッシャーに強い人の特徴「3つのC」についてご紹介しました。3つのCから自分の強み、対処法が見えてきましたか。自分にはプレッシャーに打ち勝つ強みが無かった…と思った方がいるかもしれませんが、安心してください。

強みはこれから作っていけばOK!自分に合いそうだな~と思う対処法から少しづつ取り組んでみてくださいね。コラムを通して見つけていただけたらうれしいです。

次回は、プレッシャーを軽減する方法の3つ目「ソーシャルサポートの利用」についてご紹介します。

★3つのCでプレッシャーに強くなろう!自分にあった対処法もチェック

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*出典・参考文献
『心の臨床家のための精神医学ハンドブック』(創元社)の「外傷後ストレス障害」(同功著・大野裕氏・斎藤直子氏)
ミハイ・チクセントミハイ(1996)「フロー体験 喜びの現象学」今村 浩明 (訳) 世界思想社 
中西ら(2014)ストレス状況下におけるレジリエンスとハーディネスの役割 帝塚山大学心理学部紀要 2014年 第3号 pp.31-41