>
>
>
レジリエンスの意味とは何か?モデル図で詳しく解説②

レジリエンスの意味とは何か?モデル図で詳しく解説②

レジリエンスとは、一般的いは辛いこと、苦しいことがあったときに、そこから柔軟に回復する力を意味しています。ただ、いくつか定義があり、深く意味やメカニズムをしっておくことで立ち直りを早くすることができます。

イラスト:イラッショナルビリーフからラッショナルビリーフの見方に変身した人

レジリエンスとは?

「レジリエンス(Resilience)」は,19世紀の西欧で「弾力」や「反発力」を意味する物理学で使用される用語でした。その後、80年代から精神疾患に対する、弾力性、回復力、復元力、抵抗力を意味するものとして成人の精神医学に導入され始めました。いくつか定義を紹介します。

アメリカ心理学会の定義
「逆境,心的外傷,悲劇,脅威,人間関係問題,深刻な健康問題などから起こるストレスにうまく適応する力」

枝廣(2015)の定義
「強い風にも重い雪にも、ぽきっと折れることなく、しなってまた元の姿に戻るように、何があってもしなやかに立ち直れる力」

いかがでしょうか。なんとなくイメージがつきますでしょうか。例えば、下記のようなバネがあったとします。文字で表すのは難しいです。。

(バネバネバネバネ)

バネの両端を指で押すと、
圧力⇒⇒(バネバネ)⇐⇐⇐圧力
こんな感じでばねは縮まりますよね。

次に指を離すとどうなるでしょうか?
下記のように元の形に戻ります。

(バネバネバネバネ)

この「跳ね返して元に戻る力」がレジリエンスです。心理学の世界では、ばねだけでなく、心にも「元に戻る力」「立ち直る力」「へこたれない心」があると考えられているのです。

作用メカニズムの流れ

それでは、人間が辛い状況から立ち直る時はどのような作用が働いているのでしょうか?斎藤ら(2009)の「最近のレジリエンス研究の動向と課題」によると、レジリエンスの作用メカニズムは以下の図のように表されています。

レジリエンス 鍛える

図を見ると、レジリエンスには2段階あることがわかります。

1次的レジリエンス
1次的レジリエンスとは、ストレスがかかる場面で最初に必要となるレジリエンスです。この1次的レジリエンスがうまく機能すれば、すぐに対処できることになります。具体的には

・遺伝的要素
元々備わっている危機的状況への強さです。例えば遺伝研究では、日本人はやや不安になりやすい遺伝子が備わっているいることが分かっています。

・認知的評価
出来事を必要以上に過大視しない力、現実検討力とも言います。1次レジリエンスが脆弱な方は、ちょっとした出来事を悲観的に見積もる癖があります。

2次的レジリエンス
1次レジリエンスに失敗すると、心理的な問題や、現実場面でのさらなる危機へと発展していきます。次に生じたストレス反応に対して働くのが2次的レジリエンスです。具体的には以下のようなものが挙げられます。

・ソーシャルスキル
人間関係を上手に営むための技能を意味します。ソーシャルスキルがあると、人に助けを求めたり、会話をすることで折り合いをつけることができます。

・コーピングスキル
ストレスに対しての対処力を意味します。コーピングスキルは、情緒的な解決や、実際の問題解決力などが挙げられます。

2次的レジリエンスで失敗すると、さらに問題は重篤化し、悪化すると精神疾患につながることもあります。

レジリエンスの構成要素

統計的な手法においては以下のような研究が挙げられます。以下の黄色のエリアの「下位尺度」はレジリエンスの構成要素について書かれています。「成人期」「大学生」「成人外来者」によって微妙に構成要素が変わっていきます。まずは、大学生を見ていきましょう。

立ち直れない

構成要素としては、「新奇性追求」「肯定的な未来志向」「感情調節」の3つですね。新しいものを求め、希望を持ち、自分の感情をコントロールできることがレジリエンスの獲得には必要だと言えます。続いて成人期を見ていきましょう。

レジリエンス 高める

成人期では、「自己認識や自己管理」と、自分の人生を受け入れることが大切だとされています。特に自分自身をあるがままに捉えて、管理していくことがレジリエンスには必要というわけですね。最後に、成人外来を見ていきましょう。

心を強くするには

この調査では、成人患者と健常者を対象にレジリエンスの構成要素を調べています。結果、社会的コンピテンス、家族凝集性、ソーシャルサポートの3つの要素が抽出されました。このように、年齢や病気の有無によってレジエンスの要素は変わってきます。すぐには、立ち直れない・・・という方は自分の状況に合わせて適切な対処が必要になります。

★レジリエンスは2段階ある!バネのような跳ね返り力をつけよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

目次

①心理学の視点から解説
②レジリエンスの意味とは何か
③心理的な影響と論文研究
④鍛える「ABC理論とは?」
③高める3つの方法とは!
⑥「コミュニティへの所属」
⑦立ち直り力をチェックしよう

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

*出典・引用文献
・斎藤ら(2009)最近のレジリエンス研究の動向と課題 明治大学心理社会学研究 4, 72-84, 2009-03-26
・枝廣淳子 2015 「レジリエンスとは何か─何があっても折れないこころ,暮らし,地域,社会をつくる─」東洋経済新報社
・加藤 寛(2006).自然災害とPTSD こころの科学,129,61-65.