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レジリエンスの心理的な影響と論文研究③

レジリエンスを鍛える「リフレーミング」とは③

コラム①では、レジリエンスについてが概観していきました。重要な要素としては、「①レジリエンスの影響」「②リフレーミング」「③ABC理論」「④ストローク法」「⑤コミュニティへの所属」の4つでしたね。

今回は「②リフレーミング」について論文や研究結果からご紹介していきます。

レジリエンスとマイナス化

皆さんは、物事がうまくが進まないな…と感じた経験はありませんか?

レジリエンスが弱いときは、何事もマイナスに捉えてしまいがちです。出来事のネガティブ面に目が行きやすいのは、考え方の癖で心理学では「認知の偏り」と言われています。

認知の偏りは10種類ほどあり「物事のプラス面ではなくマイナス面に注目する」ことを、マイナス化思考と言います。

たとえば、
受験勉強に合格したのは「自分の実力ではない」などと捉えてしまう考え方です。

しっかりと勉強したのにも関わらず、倍率が低かっただけだ…と注目し物事を考えてしまいます。マイナス化思考がつづくと、

・不安が頭から離れない
・立ち直りが遅くなる
・簡単な作業も後回しに

このような、ネガティブな状態に陥ってしまいます。

悲しみに堪える時はマイナス思考

 

リフレーミングとは?

心理療法では、認知の偏りを修正する際リフレーミング技法を頻繁に用いられる方法です。近年うつ病の治療や自己啓発などで幅広く取り入れられています(ホール, ボーデンハマー,2009)。

リフレーミングとは、
物事のフレームを変える方法
です。枠組みを変えることで意味や印象、捉え方を変えることができます。ネガティブな思考が浮かんだ時に、そのフレームを変換してポジティブ思考にすることができれば、レジリエンスも向上していきます。

本コラムでは、臨床現場でよく使うリフレーミングを5つご紹介します。

リフレーミング3つの方法

①もっと不幸な状況よりマシ
もっと不幸な状況よりマシ!は、「辛い状態ではあるけど、もっと不幸な状況よりはマシだ・・・」と考えなおすリフレーミングです。

たとえば、
台風で予定したコンサートが中止になったとします。涙を堪えるほど悲しい気持ちになりましたが、もし今日が仕事で外すことができない案件だったとしたら、・・・もっと不幸な状況よりはマシだったなと捉え直すことができます。

想定した結果と違っていても、実は不幸な状況ではないことがほとんどです。「さらに不幸な結果よりもいいかも」と捉え直すことでレジリエンスが高まっていきます。

②プラスの価値あるかも!
プラスの価値リフレーミングは、「辛い状況だからこそ、プラスの価値もあるのではないか・・・」と、価値観のフレームで捉え直す方法です。

たとえば、
資格試験の結果が不合格だったとします。この時、いままでの努力が水の泡だと考えてしまうかもれしれません。しかし、不合格だったからこそ、さらに勉強するモチベーションになることもあります。また、勉強時間が増えて記憶が強化され、長期的にはメリットになるかもしれません。

このようにマイナスに捉えがちな結果や状況があるときには、切り口から捉え直して対処していきましょう。プラスの価値を見いだすことでレジリエンスが高まっていきますよ。

堪える状況を捉え直す

③動じない人だったらどう考える?
「この辛い状況でも冷静でいられる人なら、どう考えるのかな?」と考えてみましょう。同じ出来事があっても感じ方は、考え方は人それぞれです。

たとえば、
試合で1度だけミスをしたという場合、自責の念に駆られる人がいれば、失敗を繰り返しても冷静に試合を進められる人もいます。

自分のミスを反省することは大事です。しかし、自責が過剰になると、かえってレジリエンスを下げてしまいます。そんな時は、平気な人の考え方をイメージして捉え直してみましょう。

④辛い状況も必要だと考える
「人生は障壁があるからこそ豊かになる」「辛い状況は人生のスパイスだ」という捉え方で、今の状況をプラスに受け入れていきます。

生きていく上で辛い状況は避けて通れないといっても過言ではありません。人生は山あり谷ありだからこそ面白いという考え方はレジリエンスを高めてくれます。

堪える時には捉え直しをしよう

⑤例外探し
例外探しは、問題の中に潜む、ポジティブ面を探していく方法です。厳密にはリフレーミングではありませんが、リフレーミングと同じような効果を得られるので合わせてご紹介します。

つらい状況では、ネガティブ思考が大きくなり、偏った見方になりがちです。そこで、意識してプラス面(例外)を探していきます。

たとえば、
「今日は失敗ばかりでしんどい…」
例外探し
⇒少しは成功したことはないかな?

「試合に負けた原因は全て僕にある」
例外探し
何%かはお客様にも原因があったのでは?

いかがでしたか。このように捉え直しをすることで、偏った考え方を修正することができます。ぜひ実践してみてくださいね。

レジリエンスを高める練習

それでは、レジリエンスを高めるの練習をしていきましょう。まずは例題で感覚を掴んでいきましょう。

例題 
トモコさんは幼い頃からの夢だった美容師になる決意をして、転職をしました。自分より若い人がテキパキ働くなか、トモコさんは仕事についていくことができません。ある日上司から「この仕事は、君にはまだしばらくは任せられない」と言われたことが引き金となり、ひどくショックを受けてしまい、仕事が手につかなくなってしまいました。

一人で考えているうちに、つらい気持ちが膨れ上がり、「私は無能だ…」「転職しなければ良かった」「私は美容師になる資格ゼロだ…」とマイナスの考え方が止まらなくなっています。

堪える状況をプラス思考へ

①もっと不幸な状況よりマシ
→私の仕事すべてを指摘されたわけではない。1つ1つ仕事をこなしていけばチャンスがくるかもしれない。入ってきてから出来るようになった事がたくさんあるから、私も成長しているはず。

②プラスの価値あるかも!
→仕事を任せてもらえないことで、もっと技術を高めてから挑むことできる。

③動じない人だったらどう考える?
→転職も多い○○さんなら、きっと今自分にできることに集中しようと考えるだろう。

④辛い状況も必要だと考える
→仕事を任せてもらえないのは辛い…でも厳しい評価があるからこそ良い評価もある。自分の能力を認めて仕事をしっかり頑張ろう!

⑤例外探し
→今回の仕事は任せてもらえなかったけど、入社してから認めてもらったことも多くある。仕事を全否定されたわけではない。

いかがでしょうか。仕事で苦しい状況でも、リフレーミングすることでレジリエンスが高まり、立ち直りを早くすることができますよ。

リフレーミングで堪える気持ちを捉え直すでは、次にあなた自身のつらい状況を考えて、レジリエンスを高める練習に取り組んでみましょう! 

練習問題
あなた自身が苦しい…!リフレーミングしてみましょう!

①もっと不幸な状況よりマシ

②プラスの価値あるかも!

③動じない人だったらどう考える?

④辛い状況も必要だと考える

⑤例外探し

 

レジリエンスを強化しよう

練習問題はいかがでしたか。リフレーミングで捉え直しができると、物事を違ったに視点で見られるようになります。苦しい時には、捉え直しをしてレジリエンスを高めてくださいね。

次回は「ABC理論」をより詳しく学びます。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★リフレーミングでレジリエンスを高めよう!

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

心理学講座

目次

①心理学の視点から解説
②心理的な影響と論文研究
③「リフレーミング」とは何か
④鍛える「ABC理論とは?」
③高める3つの方法とは!
⑥「コミュニティへの所属」
⑦立ち直り力をチェックしよう

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
マイケル・ホール 、ボビー・G・ボーデンハマー(2009). NLPフレーム・チェンジ 視点が変わる〈リフレーミング〉7つの技術. 春秋社.