>
>
>

レジリエンスをIメッセージで高めよう

レジリエンス


レジリエンスを高めるIメッセージとは④

レジリエンスを専門家が解説します

当コラムは「レジリエンス」をテーマに、臨床心理士である森が解説しています。私は心理テストを使って、その人の人となりを描き出す、いわゆる心理アセスメントの仕事をしています。このコラムでは、簡単にはへこたれなくなるコツを解説します。

全部で5コラムあります。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

レジリエンスを高めよう

レジリエンスが発揮できない要因は3つコラム①では、レジリエンスをうまく発揮できない3つの要因を挙げました。それは「①置かれている状況を客観的に把握できない」「②ポジティブな面に気づけない」「③人に頼ろうとしない」でしたね。

今回のレジリエンスコラムでは、レジリエンスをうまく発揮できない要因の3つ目「③人に頼ろうとしない」を解決していきます。

人に頼ることが苦手でも、Iメッセージを使うと相手に依頼しやすくなり、レジリエンスを発揮しやすくなります。これからIメッセージの紹介をし、練習問題を出しますので、頼り上手になってレジリエンスを高めていってください。

人に頼る事はレジリエンスを高める

悩みや問題を自分ひとりで解決させるだけがレジリエンスではありません。積極的に人に頼ったり、必要ならば援助を受けたりすることレジリエンスを高めることにつながります。

岡本ら(2014)の研究では、対人関係の葛藤を解消するためには、人との対話、とりわけ感情面をサポートしてもらえるような対話が重要であると示されました。こうした対話がレジリエンスを高めてくれると言うことができるでしょう。

世間話などの表面的な会話だけでなく、自分も相手も互いに心を開けるような対話を心がけたいものです。その際、Iメッセージが役に立つのでご紹介します。

 

レジリエンスを高めるIメッセージ

Iメッセージで冷静なコミュニケーションIメッセージとは、主語に「私は」がついた文章を発言することです。相手に言いたいことがある時、まず「私は」を主語にして自分の気持ちを率直に話し、次になぜそのように感じているのか簡単に説明します。

Iメッセージを活用してレジリエンスを高めた、ヒカルさんの例をご紹介します。

ヒカルさんは、母親に注意されると何も言い返せなくなり、ひとりイライラしてしまいます。そこで、無理して我慢するのをやめてIメッセージを使うようにしました。

「(私は)傷ついたから、今は何を言われてもイライラしちゃう。もう3度も同じことを言われたから。」

と落ち着いて言い方や言葉を選ぶようになりました。その結果、ヒカルさんも母親も感情的になりすぎることが減りました。

このようにIメッセージを使うと、冷静に気持ちを話せるので、相手と心を開いて対話できる糸口を作ることができます。

 

Iメッセージの3つのコツ

ここで、Iメッセージを発しやすくなる3つのコツをご紹介します。

①必ずしも「私は」を言わなくても良い
日本語の会話で「私は」をつけて話すとぎこちなくなってしまいます。実際には、「私は」を省略して構いません。

②自分の気持ちをはっきり言葉にする
自分の気持ちを率直に話すことは難しいですが、相手に気持ちを理解してもらい、打ち解けた対話をするためには、気持ちをはっきり言葉にすることは必須です。日頃から、どのような表現がしっくりくるか探す練習もいいでしょう。

例えば、以下のような言葉がよく使われます。

「私は」…
* さみしい / 悲しい
* 恥ずかしい
* 助けてほしい
* こう見えて、すごくイライラしている
* 不安でどうしたらいいか分からない
* 頭が混乱してしまって整理がつかない
* 本当はすごく困っている

ポイントは、“今”感じている気持ちは何かを口に出すということです。また、一方的にいろいろな気持ちを言うのではなく、最初にひとつかふたつの気持ちを話します。

③そのような気持ちになった訳を話す
気持ちを言葉にしたら、その理由を話します。なぜそのような状態に陥っているのか、相手にもわかるように説明するのです。ここでも、あくまで主語は「私は」です。

少し考えながら話す形になっても構いませんから、今なぜそのような気持ちになったのかを伝えましょう。自分も相手も納得のいく説明をして、お互いに心を開いて会話できるようにしていきます。

ご紹介した3つのコツでIメッセージを取り入れながら、レジリエンスを高めていきましょう。

 

練習問題でレジリエンスを高めよう!

ここでレジリエンスを高めるために、ご紹介した3つのコツを踏まえながら、練習問題を進めてみてください。

Iメッセージの練習問題練習問題1(難易度★☆☆)
次の状況で、Iメッセージを使って気持ちを伝えるとしたら、どのような言葉を使いますか。

1)大事な予定なのに友達が遅刻してきた
→「(私は)             」

2)自分の意見が勘違いされている
→「(私は)             」

3)相手の話が長くてつまらない
→「(私は)             」

 

解答例
1)大事な予定なのに友達が遅刻してきた
→(私は)がっかりした
→(私は)ちょっと怒っている
など

2)自分の意見が勘違いされている
→(私は)焦っている
→(私は)混乱している
など

3)相手の話が長くてつまらない。
→(私は)困っている
→(私は)頭が真っ白になっている
など

 

練習問題2(難易度★★☆)
次の文章のヨシコさんのかわりにIメッセージを考えてあげてください。

大学の友達で、授業をさぼっては私にノートを見せてほしいと頼んでくる子がいる。その子のためにも、ノートを見せるのはもうやめたいと思っている。でも、何と言えばいいのかな。

→(私は)

 

解答例
(私は)迷ってます。もう何度もノートを見せているから、あなたのためを思うとこれ以上はノートを貸さない方がいいんじゃないかって

 

練習問題3(難易度★★☆)
次の文章のダイスケさんのかわりにIメッセージを考えてあげてください。

大学を辞めたいと思っている。実は、他にやりたいことが見つかったからだ。でも、せっかく入った大学を急に辞めるなんて、親にどう言えばいいだろう?

→(私は)

 

解答例
(私は)実は悩んでいることがある。このまま大学を続けられるか分からなくなっているから

人に頼る事でレジリエンスを発揮

練習問題はいかがでしたか。Iメッセージは正直に自分の気持ちを打ち明けることで、相手との会話の糸口になります。

これができるようになると、相手に依頼しやすくなり、人に頼るというレジリエンスを発揮しやすくなります。ご紹介した3つのコツを参考に取り組んで、レジリエンスを高めてください。

次のレジリエンスコラムでは、レジリエンスのまとめをします。

★Iメッセージを活用して、人に頼るというレジリエンスを発揮しよう

ちょっとだけ宣伝

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。その前にちょっとだけお知らせです・・・すいません(^^; コラムだけでなく、心理学の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。当コラムの執筆者が講義をすることもあります♪

*引用文献
岡本悠・井上孝代(2014)青年期における対人葛藤が解決するまでのプロセス. 心理臨床学研究32(4), 502-512.



Iメッセージで頼り上手になろう