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臨床動作法のやり方とは?効果,リラクゼーション法

臨床動作法とは?

はじめまして!公認心理師の川島です。
今回のテーマは
「臨床動作法」
です。

  • 全体の目次
  • 臨床動作法とは?
  • 7つの効果
  • とけあい動作法のやり方
  • 助け合い掲示板

はじめに

私がはじめて臨床動作法と出会ったのは15年前のことです。まだ心理学の勉強をはじめたばかりの時でした。当時、地元の津田塾大学で、たまたま臨床動作法のワークショップがありました。臨床動作法

臨床動作法という言葉を初めて聞いた私は、おそるおそるワークを受けたことを覚えています。参加者は20人ぐらいで、男性は私だけでした(汗)。

素敵な空間の元、ぽかぽかした気持ちになりながら、受講したことを覚えています。

結論から言うと、臨床動作法は、どこか懐かしい気持ちになれる、安心感に満たされた心理療法でした。

いつか臨床動作法についてコラムを書きたいと感じていました。そしてついに、その機会が巡ってきたのです!

私自身が暖かい気持ちになれたように、心を込めてコラムを執筆したいと思います。

臨床動作法とは?

歴史

臨床動作法は、臨床心理学者で医学博士でもある成瀬悟策(1924年6月5日- 2019年8月3日)先生が開発しました。 *生前の先生の様子はこちらです。

成瀬先生は、もともと催眠療法の研究や臨床を行っていました。先生は1964年に、脳性マヒの青年の身体が催眠の暗示によって動くという体験します。

当時は、脳性マヒの手足の不自由さは脳障害が原因と考えられていたため、手足は動かないと考えられていました。

しかし、そうではない結果が得られたのです。そしてそれは奇跡ではなく、似たような事例がたくさん確認されたのです。

では何が影響しているのでしょうか。成瀬先生は、体への力のが取れていないのではないか?

このような視点から、臨床動作法の研究が始まったのです。

成瀬先生が、脳性マヒ児・者の行動を観察すると、非常に強い筋肉の緊張が見られたそうです。しかし、寝ているときや何かに気を取られているときは、普段出来ないと思われているような体の動きが見られることがわかりました。

そこで、脳性マヒの子どもたちは力が入らなくて手足を動かせないのではなくて、余計な力が入りすぎて思うように体を動かすことが出来ないのではないか?

という仮説を立て、肢体不自由は脳障害だけではなく、心理的な影響も大きいと考えられ技法の開発が進みました。

1970年代になると、自閉症やADHD傾向のある児童に実践され成果をあげました。また1980年代に入ると、神経症、心身症、統合失調症にも実践されるようになります。

 

定義

臨床動作法について、成瀬先生(2000)は以下のように定義しています。

動作を主たる道具とする心理臨床活動であり、治療セッションにおける動作体験を通して、クライエントの日常の生活体験のより望ましい変化を図る心理療法

分かりやすく説明すると、臨床動作法は、動作体験をきっかけとして、こころや生活のあり方を見直す方法なのです。

臨床動作法の目的は大きく2つに分けられます。具体的には

①自然な動作の獲得
②心理的成長
の2点が挙げられます。

 

臨床動作法とは?

自然な動作の獲得

例えば、肩に力が入る癖がある場合、「リラックスして肩の緊張を緩めること」を目標にセラピストがサポートします。肩をゆっくり回す、肩をゆっくり開くなど、練習していきます。

私たちは普段気が付かないうちに、不必要に体の力を入れていることがあります。例えば、人前でスピーチをする際は、体がかたまり、肩に力が入ります。肩に力が入る,緊張

しかし、本来であればスピーチに肩の力はいらないのです。このように不必要な力を普段から入れる癖をつけると、慢性的な肩こりや、頭痛、不眠に繋がっていきます。

臨床動作法では、私たちが生活で必要とする自然な力の獲得を目指します。

この意味で、精神疾患を抱える方は、多くが余計な体の緊張を持っていることが多いのでですが、動作法を練習すると、自然な力の入れ方を覚え、余計な緊張がほぐれていくのです。

この意味で、精神疾患だけなく、スポーツトレーナーも選手に臨床動作法を行い、パフォーマンスの向上に役立てることがあります。

心理的な成長

次に、そのやりとりの中で、体の変化、考え方や心の変化を感じます。臨床動作法,心理的成長

たとえば、
・なんだか体が温かくなってきたなぁ
・だんだん眠くなってきた気がするなぁ
・体にずいぶん力が入っていたんだなぁ
・今まで気を張りすぎていたのかなあ

と自分の状態に気が付いていきます。このように、体の緊張を解きながら、同時に心の在り方も見直していくのです。

そうして体のコントロールを自分自身でできるようになると、私たちは自信を深めることができます。

例えば、今まではがちがちに緊張していたスピーチを、緊張しつつも身体的にはリラックスしてできたとしたら、私たちは、やればできるじゃん!と自信を深めていきます。

このように体への自信はそのまま自分自身の主体性に繋がっていくと考えられています。

臨床動作法の効果

より詳しい研究をみてみましょう。武内 (2017)の研究では、大学生・大学院生132名を対象に動作法で得られる体験を検討しました。その結果、得られる体験が7つあることがわかりました。

1:主体的動作感
自分で体を動かしているという感覚や自分の体であるという感覚を得る。

2:動作統制感
自分の動作感覚の統合感や動作のコントロール感を得る。

3:弛緩の実感
体が緩んでいる感覚を実感する、緊張が緩むのがわかる。

例えば、肩に力が入る癖がある場合、「リラックスして肩の緊張を緩めること」を目標にセラピストがサポートします。肩をゆっくり回す、肩をゆっくり開くなど、練習していきます。

私たちは普段気が付かないうちに、不必要に体の力を入れていることがあります。例えば、人前でスピーチをする際は、体がかたまり、肩に力が入ります。

しかし、本来であればスピーチに肩の力はいらないのです。このように不必要な力を普段から入れる癖をつけると、慢性的な肩こりや、頭痛、不眠に繋がっていきます。

4:自己存在実感
動作を通じて自分の体である実感をしっかり得る。

5:安心安定感
心身の安静や深い安心感を得る。

6:動作協力感
自分の動作を援助する他者、寄り添ってくれる他者の存在を実感する。

7:自己活動のモニタリング
自分の動作やこころの動きに注意を向けることができる。

自己観察,動作法

臨床動作法-実践例

臨床動作法にはさまざまな方法があります。その中から今回は15年前に体験した手法をお伝えします。

肩あげ練習

具体的な手順は以下の通りです。

①ゆっくり3回ほど深呼吸する
鼻から息を吸って口から細く長く吐いてください。このときに不安な気持ちやモヤモヤした気持ちも一緒に細く長く吐き出すように呼吸しましょう

②片方の肩をゆっくり上げていきます
コツは他の部分に余計な力を入れないようにします。純粋に方だけ上げていくイメージです。10秒ぐらいかけてゆっくり肩を上げていきます。

頂点に達したらその状態をしばらくキープします。

③ゆるめる
限界と感じたら、ゆっくりと肩を下げます。急がずゆっくり戻していくのがこつです。

④余韻を味わう
ぽかぽかじわーとした余韻を感じましょう。
これを左右、数セット行います。

*狙い
緊張している状態、弛緩した状態の2つを実感することで、普段の生活で、緊張している自分の状態、緊張をほぐす感覚を養います。

 

臨床動作法のやり方

肩押し法 2人用

このとけあい動作法は、2人1組でもできます。まず、ひとりは椅子か床に楽な恰好で座ります。もうひとりは後ろに立ってゆっくり圧を加えます

①両肩に乗せる
手のひらを優しく相手の肩にあてる臨床動作法

③圧力を加える
じっくり圧を加えていきます。手が沈み込んでいくようなイメージです。8~12秒程度で一拍休みます。

④ゆるめる
ゆっくりと圧を抜きます。10秒ぐらいかけてゆっくりゆっくり力を抜きます。

⑤余韻を味わう
ぽかぽかじわーとした余韻を感じましょう2人1組で行う場合は、相手の呼吸を感じながら行うと効果的です。相手の呼吸に合わせて圧を加える、力を緩めるリズムが整っていると、お互いが心地よく感じられます。

緊張感を強く感じた日や、不安を感じているときに、取り入れてみましょう。身体の緊張が緩めば、こころもほぐれてきます。自分の身体やこころの様子をしっかり感じてみてください。

*狙い
セッションの後はお互い感想を言い合いますが、この時、「気持ちが良かった」「嬉しかった」という感想を話される方がほとんどです。

この臨床動作をお互いに行うことで、基本的な信頼感が育まれていき、結果的に体の緊張の弛緩、精神のリラックスにつながると実感しました。

臨床動作法で心地よさを

まとめ

とけあい動作法を行うと、身体の心地よさが体験でき、理屈なしに身体が安心感を味わえます。

心身ともにピンと張っていた緊張が緩むと、凝り固まった頭がほぐれる感覚があります。

2人で行うと、セラピストのやさしさを実感し、自然と肯定的な気分に満たされていきます。

私はこれまでたくさんマッサージを受けてきましたが、15年前の臨床動作法の温かい感覚は今でも体に残っています。

なんとも不思議で温かい療法であると今でも実感しています。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

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など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*参考・引用文献
・大河原美以(2015). 子どもの感情コントロールと心理臨床. 日本評論社.
・鶴光代(2007)臨床動作法への招待. 金剛出版
・武内智弥. (2017). 動作法体験をモデル化する試み――学生との 1 セッションのデータから――. 心理学研究, 88-16336.
・成瀬悟策. (1998). 催眠の科学と動作法. 人間情報学研究3, 3-22.
・成瀬悟策. (2000). 臨床動作法の理論. 日本臨床動作学会 (編著) 臨床動作法の基礎と展開 コレール社, pp1330.