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悲しい気持ちや寂しさが辛い時のセフルケア

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悲しい気持ちや寂しさが辛い時の対処法!セフルケア②

コラム①では「悲しい気持ち」が生じる原因と解決策をあげました。解決策は「①サイコロジカル・ファーストエイド」「②ボジティブな記憶にアクセスする」「③原因帰属を転換する」「④ジェームスランゲ説の活用」の4つでした。今回はそのうちのひとつ「サイコロジカル・ファーストエイド」についてご説明します。

サイコロジカル・ファーストエイドとは

サイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First Aid:PFA)とは、日本語であらわすと「心理学的応急処置」です。ケガを手当てするように、トラウマ的な出来事から引き起こされる強い悲しみや不安、寂しい気持ちを軽減する心のケアを目的としています。

サイコロジカル・ファーストエイドという言葉に耳馴染みがない方もいると思いますが、実は1950年には存在していた言葉です。そのため、1995年の阪神・淡路大震災でも取り上げられましたが、重要性が長く認識されていなかったため注目を浴びたのはここ10年ほどです。

長い歴史の中で、さまざまな研究がされより効果的なケアができるよう改良がおこなわれています。当コラムですがサイコロジカル・ファーストエイドの理論に改定を加えてお伝えします。

強い悲しみや寂しさをサイコロジカルファーストエイドで対処

 

悲しい気持ちとうまく付き合う3つの手順

それでは悲しい気持ちがあるときは①「無理をしない」②「周りのサポートを大事に」③「悲しいときにこそできることをやる」の3つのステップを試してみると良いかもしれません。具体的な対処法をお伝えします。

①「無理をしない」
悲しい時は「あの時こうしていたら…、悲しみが永遠に続くのでは…」など、否定的な考えに巻き込まれないことが大切です。かと言って、無理にポジティブになる必要もありません。今の自分の状況をゆっくり受け入れられるようなフレーズがいいですね。

コラム①でご紹介したように悲しい気持ちには回復のプロセスがあります。そのため、悲しい気持ちは一時的に高まることはありますがそれが永遠に続くというわけではありません。

OK例
「悲しみが強い時期に無理に前向きになる必要はない。」
「時間が解決してくれることもある。」
「悲しいということは相手を大事に思っていた証拠なのかな」

と心の中で唱えてみましょう。状況が許せば実際に口に出して唱えても良いですね。

NG例
「悲しい気持ちになるのは弱い人間だ」
「早く回復しなきゃ」
「前向きにならならなきゃ」
このようなフレーズは悲しい気持ちが強いときはあまりお勧めしません。まずは自分を安心させるフレーズから始めるといいでしょう。

②「周りのサポート」
強い悲しみや寂しさがある時は、誰かに話を聞いてもらうことも大切です。誰かに気持ちを伝えると今まで心に感じていた負担が軽くなり、気持ちの整理にもつながります。

対面で相談できない時は、電話やメールなどでも構いません。悲しい気持ちになったときはお互い様です。たまには人を頼って助けを求めることがとても大切です。

悲しい気持ちがかなり強いときは無理することはないですが、誰かに聞いてほしいと感じたら、孤立して自分を責めないように、周りのサポートを大事にしましょう。困ったときはお互いさまです。

③悲しいときにしかできないことを大事に
悲しみや寂しさが強い時は、むしろその時期にしかできないことを行ってもいいかもしれません。いくつか例を挙げます。

・大事な人が亡くなってしまった
→感謝しながら遺品を整理する

・仕事で大失敗した
→反省して次の解決策を考える

・失恋した
→心機一転するために普段はしない部分まで部屋を掃除する

などが挙げられます。私の場合は、落ち込んだ時は、改めて心理学の学習をするようにしています。

悲しい時や寂しい気持ちの対処法

3つの方法で乗り越えたAさん

以前、大学生のAさんが「ペットを亡くした悲しみから立ち直れずとても辛い」と私のもとを訪れました。Aさんは、ペットとの別れがとても辛く、日常生活も十分にできない様子でかなり深刻なものでした。

Aさんは、ペットの事を思い出すと次の様な症状がでることが分かりました。

・涙が出る
・食欲がなくなる
・何も手が付かなくなる

ペットを亡くした事による強いショックから悲しい気持ちがとても強い時期でした。そこで、サイコロジカル・ファーストエイドを応用したアドバイスをし、次のことを試してもらいました。

・“悲しみはそのうち受け入れられる”と唱える
・家族と会話してみる
・友人にメールして悩みを共有する
・思い出の写真を整理する

その結果、少しづつペットを亡くした出来事と折り合いがつき、人に話すことができるようになりました。時々悲しくこともありますが、ペットとの思い出を前向きに解釈する事もできるようになり、ペットの事を思い出しても症状が出なくなりました。

ワーク1 「無理をしない」

それでは実際に練習してみましょう。まずは、悲しい気持ちを抑えるフレーズを唱えましょう。例えば、以下のようなフレーズを唱えましょう。

・悲しみむ時期は人生には訪れるもの
・悲しい気持ちは時間が解決してくれることもある
・人間には自然と悲しい気持ちを乗り越える強さがある
 じっくり行こう

頭の中で唱えても良いですし、口にだしても良いですね。上記はあくまで参考です。あなた自身が安心できるワードがいいですね。追い詰めるようなワードは使わないようにしましょう。



 

ワーク2 相談しよう

気持ちを整理できない時でも安心して話ができる相手はいますか?例えば、家族や友人などです。気持ちを人に話す気になれない場合は、世間話をする相手でも構いません。困った時に人に助けを求めることができる、ということがとても大切です。

気軽に相談できる人はだれですか?



ワーク3 悲しいときにしかできないこと

悲しいときにしかできないことはありませんか。仕事や趣味、勉強や家事で、できる行動を探してみましょう。悲しいときは、普段の生活では見えない、価値を見つけてくれることがよくあります。ゆっくり探してみましょう。

あなたができる行動は何ですか?



ゆっくり乗り越えることを大事に

悲しい気持ちを乗り切るワークはいかがでしたか。サイコロジカル・ファーストエイドは、強い悲しみや寂しい気持ちを自らのチカラで回復する事に役立ちます。ご紹介した3つの基本的な方法を実践することで、強いストレスから少しづつ改善することができます。ぜひ試してみてくださいね。

次回は、「悲しい」気持ちを乗り越える方法の2つ目「ボジティブな記憶にアクセスする」についてご紹介します。

★サイコロジカル・ファーストエイドを応用して悲しい気持ちに対処しよう

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*出典・引用文献・参考文献
サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版



3つの方法でセフルケアを