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悲しい気持ちや寂しさが辛い時のセルフケア

悲しい気持ちや寂しさが辛い時は「認知療法」で乗り切ろう②

コラム①では「悲しい気持ち」が生じる原因と解決策をあげました。解決策は「①サイコロジカル・ファーストエイド」「②ボジティブな記憶にアクセスする」「③原因帰属を転換する」「④ジェームスランゲ説の活用」の4つでした。今回はそのうちのひとつ今回は、1つ目の「認知療法の活用」についてご紹介します。

悲しい気持ち 発散

認知のゆがみってなに?

認知療法とは、極端で偏った考え方や自分の中にある誤った信念を修正する心理療法です。「悲しい気持ち」に囚われている時は、ほとんどの場合、その背景に誤った考え方が存在しています。例えば、

「私がダメな人間だから、彼氏にフラれた」

「ラインが返ってこない、自分は嫌われてるんだ」

「いつも上司に怒られている」

などです。一見すると当たり前に頭に浮かぶ内容かと思いますが、これらの思考は現実的ではありません。「私がダメな人間だから、フラれた」とありますが、100%ダメな人間などこの世に存在しないはずです。誰にも「うまくやれている」時や物事は必ずあるからです。

こうした極端で偏った考え方を認知療法では、「認知の歪み」と言います。物事を捉えるための「認知」が「歪み」を起こしているため、物事を正しく見ることができなくなります。その結果、悲しい気持ちが強くなってしまうのです。

悲しい気持ちになりやすい認知の歪み

認知の歪みには全部で10パターンあるのですが、今回はその中でも悲しい気持ちにつながりやすい2つをご説明します。

1.過度な一般化
全体を見ようとせずに、1部分だけを見て善悪の判断をしてしまう考え方のことです。「中国人は性格が悪い」「パチンコやってる人にはろくな奴がいない」などがこれに当てはまります。

2.過度な悲観
1つのことをあらゆることにあてはめ大げさに悲観してしまう認知の歪みです。過度な一般化と近いですが、ポイントなのは「悲しい気持ち」が強くなってしまうこと。「あいさつを返してくれなかった、私はやっぱり誰からも好かれないんだ」と言った具合に、ある現実に対して過剰に悲しくなってしまいます。

悲しい気持ちに襲われた時は、この2つのゆがみが無いかチェックしていきましょう。

認知療法の4つのSTEP

さて、認知のゆがみがについて理解できたところで、認知療法の手順について見ていきましょう。正式にはもっと厳密に行うのですが、今回は取り組みやすいように、以下の4つのSTEPで解説していきます。

STEP① 感情のメモ⇒%で
STEP② 認知を確認する
STEP③ 認知の歪みを修正
STEP④ 感情を再チェック⇒%で

STEP① 感情のメモ

認知療法ではまずは悲しいなどの感情の大きさをメモします。例えば、以下のAさんの事例をもとにして考えてみましょう。

「Aさんは、勇気を出して同窓会に参加したのですが、誰にも声をかけられず孤立してしまいました。誰も自分になんか会いたくなかったんだ・・・ひどく落ちこんでいます。」

      ↓    
悲しい(90%)不安(70%)

このように悲しい気持ちの原因となっている感情の大きさを冷静に分析します。認知療法では上記のようにパーセンテージで表すことが多いです。

STEP② 認知の確認

感情をメモしたら、次に「認知」を確認します。感情の裏に、極端で誤った考え方がないかを確認していきましょう。特に、先程ご紹介した「過度な一般化」「過度な悲観」は悲しい気持ちの時に現れやすいので要チェックです。

感情を書き出した後に、なぜその感情になったのか?を自問していただくと、自分の考え方を知ることができます。

特に「認知の歪み」がなければ、そのままでOKですが悲しい気持ちがある場合は、ほとんどのケースで考え方に問題があります。

STEP③ 認知の歪みを修正する

そこでカウンセリングでは、「認知の歪み」を修正してみることにチャレンジします。

人間関係と悲しさ
見直し前
「私は嫌われる星のもとに生まれたんだ」

見直し後
「周りの人全員が、私を嫌っているわけではない。

素直に自分を表現することで自分と相性のいい人を

見分けることができる。来るもの拒まず去る者追わず

の姿勢で行こう」

こんな形で、極端な思考を柔軟な捉え方に修正していきます。

STEP④ 感情の再チェック

認知の歪みを修正したら、再び感情を確認してみます。

悲しい(40%)不安(30%)

STEP1と比較してパーセンテージが低くなっていたら、大成功です(^^)

Aさんの場合は実施前は
悲しい(90%) 不安(70%)
だったので成功ですね!

もし%が下がらない場合には、時間をおいて余裕があるときにチャレンジしましょう。何回もトレーニングするとだんだんと、コツが掴めるようになる方が多いですよ。

それでは以下のSTEPでチャレンジしてみましょう!

STEP① 感情のメモ⇒%で
STEP② 認知を確認する
STEP③ 認知の歪みを修正
STEP④ 感情を再チェック⇒%で

白紙の紙やスマフォのメモ帳でもOKです。以下のワークシートを載せておきますので適宜お使いください。

悲しい気持ち 対処法

悲しみ気持ちを和らげよう

ご自身こ認知の歪みはどのようなものだったでしょうか? 紙に感情や思考を書き出すことを認知行動療法では、外在化と言います。外在化することで頭の中を支配していたストレスから距離をとって眺めることができるのです。

外から自分の考えを見ることで客観的に状況を理解や、整理、新しい気づきにつながるでしょう。無理に問題に解決するのではなく、まずは自分自身を客観視することから悲しい気持ちへの対処が始まります。始めのスタート地点として「外在化」を活躍してみてください。

次回は、悲しい気持ちを和らげる「ポジティブな記憶」についてご紹介します。

★自分の感情を書き出して悲しい気持ちを前向きに

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献・参考文献
サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版