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悲しい気持ちが続いたら…ポジティブな記憶にアクセスしてみよう

悲しい気持ちが続いたら…ポジティブな記憶にアクセス③

コラム②では、悲しい気持ちが生じる解決策の1つ目「認知療法」について解説しました。今回は「悲しい」気持ちを乗り越える方法の2つ目「ボジティブな記憶にアクセスする」についてご説明します。悲しい気持ちの対処法

ポジティブな記憶にアクセスする

無理なポジティブは原則NG

悲しいことがあると、そのことばかり思い出してしまう場合があります。短期的には、無理にポジティブになろうとしない方が結果的には回復が早くなると言えるでしょう。

長期化している場合は工夫する

しかし、もしいつまでも悲しい気持ちが癒えず、長期化している場合は、工夫が必要です。

1つのやり方として

ポジティブな記憶」

にアクセスしてみるといいかもしれません。

榊の研究

榊(2005)は健常な大学生を対象にポジティブな記憶を思い出すと、どのように気分が変化するか研究を行いました。実験は以下の手順で行われました。


①6分間、火垂るの墓を抜粋した映像を見る
 ⇒まずは悲しい気持ちになる

②ポジティブな記憶を5つ思い出してもらう
③思い出した記憶はどれぐらい重要なポジティブか答える
④ポジティブな気分が変化したかを図る
(コラムように簡易に改変しています)

その結果が下記のグラフです。

悲しい気持ち 抑える

グラフを見ると、ポジティブな気分とポジティブ記憶の重要度にプラスの関係があることが分かります。両者の間には0.3程度の相関があり、重要度の高いポジティブな記憶を思い起こすほど、気分がポジティブに変化することが示されています。

つまり、ネガティブな気分に陥っているときは、ポジティな記憶を意識的に呼び起こすことで、ネガティブな気分が改善されるという関係があると言えるのです。

毎日が虚しい

ポジティブな記憶にアクセスしてみよう

ポジティブな記憶へアクセスする方法を紹介します。

①悲しい気持ちを吐き出す

悲しい出来事は無理に誰かに話す必要はありません。コラム1のフィンクの4つのプロセスでもお伝えしましたが、悲しい気持ちはだんだんと回復していくものです。

その過程で、誰かに聞いてほしいと感じる段階が来たら、我慢せず、外に出していく作業を積極的に行いましょう。

アメリカのホークスマ氏の研究によれば、友人や家族からの援助(ソーシャルサポート)などを多く受けている人はネガティブな記憶を何度も繰り返す頻度が低くなり、抑うつ傾向も低いという結果が示されています

悲しい気持ちを吐きだす

 

②客観的に自分を観察する

悩みを吐き出した後は、マイナスの感情を客観的に眺める「脱中心化」の練習もオススメです。

具体的にはネガティブ反すうが出てきた時には、価値評価をせず、そのまま眺めてみるのも1つの対応策となります。ネガティブ思考を無理になくそうとせず、ただそのまま拘らずに眺めてみるのですね。

「私は今、悲しい気持ちになっているのだな
「私は今、昔のことを思い出しているな」
「私は今、未来のことを悲観しているな」

とそのまま冷静に眺めてみましょう。「だな」というフレーズを使うと簡易的なマインドフルネス状態となり冷静になることができます。

マインドフルネス,観察

③落ち着いたら、ポジティブな記憶にアクセス

マインドフルネスを続けると、だんだんと気持ちが落ち着いてきます。その後、日常にあった楽しかった出来事や、これから起こりそうな楽しそうな出来事を想像してみましょう。

例えば、スポーツを引退して、悲しい気持ちになっている人がいたとしたら…

・仲間との楽しかった出来事
・うまくいった技の思い出
・これから空いた時間に取り組めそうなこと
などが挙げられます。


悲しい気持ち 消す方法

悲しい時はポジティブな記憶を

ポジティブな記憶を思い起こすと、悲しい気持ちが少しずつポジティブになってくるものです。ご紹介したワークを通して悲しい気持ちに対処していくことで、心地よい気分を取り戻すことができます。

よかったら試してみてくださいね(^^)

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
榊美智子 2005 感情抑制を促進する自伝的記憶の性質. 心理学研究,76,169-175.
*出典・参考文献
市井雅哉 2015 図説 臨床心理学特別講義 認知的行動療法、EMDRでストレスとトラウマに対処する. 岩崎学術出版社.