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悲しい気持ちや寂しい時は原因帰属の方向を変えるコツで対処

悲しい


悲しい気持ちや寂しい時は原因帰属の向きを変えて対処しよう④

悲しい気持ちの対処法

コラム③では、悲しい気持ちが生じる「喪失体験」について感情の解説を交えながら生じた「悲しい」気持ちを乗り越えるための対処法をご紹介しました。今回は「悲しい」気持ちを乗り越える方法の3つ目「原因帰属を転換する」についてご説明します。原因帰属とは、ある行動の結果の原因をどこに求めるか、ということです。

例えば、テストで悪い点を取った時…
・自分の能力のせいにする
・難しい問題を作った先生のせいにする
・神様のせいにする
いろいろなパターンが考えられます。この原因帰属が内に向きすぎて、何事も自分のせいにばかりすると、悲しい気持ちを感じやすくなったり、無気力になったりします。

悲しい時は?原因帰属のタイプ

原因帰属には大きく分けて4つのタイプがあります

①内的-安定
②内的-不安定
③外的-安定
④外的-不安定

なんだかよくわからないですね(^^; ひとつずつ見ていきましょう。

悲しい気持ちに対処する4つの原因帰属①内的-安定
能力や適性、性格など、自分の内にあり、かつ時間が経っても変わりにくいものに原因を求める。

②内的-不安定
努力、体調、気分など、自分の内にあり、かつ時間とともに変わりやすいものに原因を求める。

③外的-安定
天の神様、運命、お守りなど、自分の外にあり、かつ時間が経っても変わりにくいものに原因を求める。

④外的-不安定
課題の困難性(テストが難しかった、など)、周囲の人々のせいにする。

悲しい時は自分のせいにしない

例を見てみましょう。シズカさんは、もともと繊細な性格で、ちょっとしたことでもすぐに自分が悪いのだと考える癖がありました。そのため、かなりの引っ込み思案で、家から出ることもままならなくなっていました。

ある日、近所の人に挨拶をしたのに返ってこなかったことがありました。シズカさんは私は嫌われているんだ…(内的-安定)と思い込んで落ち込んでしまいました。このようにすべてを内的-安定に原因帰属しすぎてると悲しい気持ちが大きくなってしまいます。

3つのコツで悲しい気持ちや寂しい時を改善

3つのコツで「強い悲しい気持ち」を乗り越える

原因帰属について、1つのコツとして、悲しい気持ちが強い時は、能力、適性など内的-安定に原因を求めない事がおすすめです。具体的な原因帰属の方向を変える3つのポイントをご紹介します。

①今回はたまたま!と考える
「今回はたまたまだ」と考えるようにしてみましょう。何でもかんでも自分の能力や性格のせいにしすぎるような内的-安定に原因帰属しやすい人は、落ち込みやすかったり、無気力になりやすかったりするからです。同じ内的でも、内的-不安定に原因帰属するようにしてみましょう。ポイントは、「今回はたまたま自分の力が発揮できなかっただけだ」と考えることです。

②一部は天気や運のせいにしてみる
自分以外の別の人やもののせいにしてみましょう。あらゆる物事は状況によって結果が異なるものです。良くない結果が出たとしても、時や場所、天気が変われば、また結果は変わってくるはずです。このように、他人や天気のせいにする外的-不安定に原因帰属してみましょう。

③神様や運命のせいにしてみる
誰もどうすることもできないような神様や運命のせいにしてみることも時には大切です。良い意味で諦めをつけるのには必要です。原因帰属には4つのパターンがありますが、どれを使うか正解があるわけではありません。神様のような外的-安定に原因帰属して、考えを切り替えるのも手です。

練習問題で習得しよう!

先程ご紹介した3つのポイントを踏まえながら、練習問題を進めていきましょう。次の例を読んで、練習問題を解いてみてください。


ヨシエさんは、難関資格の弁護士試験に2年勉強して挑みましたが、残念ながら不合格になってしまいました。

練習問題1
ヨシエさんが悲しい気持ちになるような、内的-安定の原因帰属を考えてください。

「             」

 

********解答例
私は勉強の能力がない(内的ー安定)。

 

練習問題2
ヨシエさんが悲しい気持ちにならないような、内的-不安定の原因帰属を考えてください。

「             」

 

*******解答例
今回は勉強の仕方が間違っていた。次回から工夫しよう(内的ー不安定)

 

練習問題3
ヨシエさんが悲しい気持ちにならないような、外的-安定の原因帰属を考えてください。

「             」

 

******解答例
弁護士試験は難しいかた誰でも落ちるものだ。

 

練習問題4
ヨシエさんが悲しい気持ちにならないように、外的-不安定の原因帰属を考えてください。

「             」

 

解答例
今回は試験内容が自分とはかみ合っていなかった。

 

このように様々な原因帰属ができるようになると、バランスよく自分の状況を俯瞰できるようになります。特に悲しい気持ちが強い時は、内的ー安定に原因を求めすぎないように気を付けましょう。

 

注意:悲しい気持ちが軽くなったら・・・

補足ですが、悲しい気持ちがそこまで大きくないとき、元気な時は、原因帰属の在り方に工夫が必要です。三宅(2000)は238名の大学生を対象に調査を行い、自己効力感や原因帰属、対処行動について調べました。結果の一部を下の図にお示しします。少し眺めてみましょう。ちょっと難しいですね(^^;

この図は男性について、授業の単位を落としてしまうというネガティブな状況における自己効力感が高い群と低い群との差を比較したものです。1は努力や運のせいではないと考える、5は努力や運のせいにすると考えます。

自己効力感が高い群は、「努力のせい」が大きくなっていますね。自己効力感が低い群は「運のせい」がやや大きくなっています。自己効力感が高い人たちは、「努力」という内的で統制可能なものに原因帰属しており、適応的であると考えることができるのです。この意味において、悲しい気持ちが強い時と弱い時に柔軟に原因帰属の在り方を変えると良いでしょう。

 

悲しい時こそ自分が心地良いを大切に

練習問題はいかがでしたか。4つのパターンのどれが正しい、どれが間違い、ということはありません。ご自分が快適でいられる原因帰属のパターンで考えられるようになる悲しい気持ちが緩和されると思います。

次回はは、「悲しい」気持ちを乗越える方法の4つ目「感情の仕組みを知って役立てる」についてご紹介します。

★寂しい事を自分だけのせいにするのをやめて!悲しい気持ちから明るい気持ちへ

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心理学講座

*出典・引用文献
三宅幹子 2000 特性的自己効力感とネガティブな出来事に対する原因帰属および対処行動. 性格心理学研究,9(1),1-10.



3つのコツで対処していこう