>
>
>

自己効力感を高める方法「スモールステップ計画表」を臨床心理士が解説

自己効力感


自己効力感を高める方法「スモールステップ計画表」臨床心理士監修④

目標を達成の工夫

コラム①では、自己効力感を高めるうえで最も大切なのが成功体験を得ることとご紹介しました。そこでコラム③では、成功体験を得やすくするための目標設定のコツをお伝えしましたね。しかし「目標を立ててみたけどやっぱりうまくいかない」という場合もあります…。

今回は、そんな一筋縄ではいかないような目標をクリアするための「スモールステップ」の考え方についてご紹介します。自己効力感を高めるコツ「スモールステップ」について解説しています

自己効力感を得やすい目標

まずはここで一つ、論文を紹介します。

バンデューラとシャンクは、どのような目標設定が効果的なのかを調査するため、引き算が苦手な小学生を対象に、42ページの引き算課題を行ってもらいました。

身近な目標群
毎週6ページずつ、7週間かけて課題を終わらせてくる

遠い目標群
7週間後に42ページの課題を終わらせてくる

上記の2群を比較した結果、身近な目標設定をした群の方が、引き算に関する自己効力感が高まることがわかりました。また、自己効力感だけでなく、引き算課題への興味・引き算の能力も向上したそうです。

このように、達成しやすい目標を何度も繰り返し達成することで、自身の能力が向上していることを確認でき、自己効力感は高まりやすくなります。こういったエビデンスもあるため、身近な目標設定が非常に重要なのです。身近な目標設定が自己効力感を高めるカギ

スモールステップで達成感を味わおう!

今回は、目標を「身近にする」ための方法として「スモールステップ計画表」をご紹介します。

スモールステップとは、小さな歩みのことです。いきなり大きな目標を達成しようとするのではなく、目標を細分化します。そして、一段ずつ階段を登るように、最終目標に向かって小さな目標をクリアしていくのです。小さな目標をクリアしていくことで「自信・達成感・自己効力感」を実感できます。

スモールステップで自信・達成感・自己効力感を高めるスモールステップ計画表を作るための手順は、以下の通りです。

Step1:最終目標を決める
Step2:小さな目標に細分化して、難易度をつける
Step3:目標達成するための工夫を考える

ここから3つのステップについて練習問題を交えながら紹介していきます!

Step1:最終目標を決める

まず最初に最終目標を決めます。コラム③で目標設定のコツについて次の2つをお伝えしましたね。

・どういう行動をとればOKなのか分かるよう、具体的な目標にする

・「頑張ればできそう!」と思える現実的な目標にする

スモールステップの最終目標も同様に、「具体的」で「無理のない現実的」な目標設定をすることが重要です。

さらにスモールステップの場合はもう一つ、「期限を設定する」ことも重要です。“最終目標”というと、どうしても大きな目標をイメージしてしまいがちですが、大きすぎる目標は見通しが立ちづらくなってしまいます。1ヶ月〜3ヶ月程度で達成できそうな目標にしましょう。

練習1
みなさんも、自分なりに目標を立てて一緒にやってみましょう!いつまでに、どんなことを達成したいですか?

最終目標→
期  限→

 

解答例
最終目標→飲み会で、隣の人に自分から話題を振る
期  限→1ヶ月後の飲み会

Step2:小さな目標に細分化して、難易度をつける

次は、目標を細分化します。

最終目標に関連していて、感覚的に「最終目標よりもこっちの方がまだ簡単そう」という内容であればなんでも構いません。また、最終目標の難易度を100として、スモールステップの難易度(0〜99)もつけてみましょう!

スモールステップが思いつかないときは、次の視点で考えてみましょう。

・最終目標に挑戦するための下準備を考えてみる

・対象やシチュエーションを変えてみる

・時間や頻度を変えてみる

正解・不正解はありません!あまり難しく考えず、「最終目標に関連していればOK」くらいで考えましょう♪

練習2
練習1で作った最終目標のスモールステップと、その難易度を書き出してみましょう!




 

解答例
最終目標:飲み会で、隣の人に自分から話題を振る

・リストアップした話題についてお茶会で話しかけてみる(80)

・リストアップした話題について仲の良い友人に話しかけてみる(50)

・リストアップした話題について家族に話しかけてみる(30)

・自分から話しかけられそうな話題をリストアップする(25)

・自分から挨拶する(15)

 

Step3:目標達成するための工夫を考える

最後は、最終目標を達成するための工夫をしましょう。具体的には次の2点について考えます。

①目標達成のメリット
目標を達成した後の、ポジティブな結果を想像してみます。目標を達成すると、どんないいことがあるでしょうか?目標達成した際の、自分へのご褒美を設定するのもOKです!

②うまくいかない時の対処法
目標にたどり着くまでに、うまくいかないことも当然あります。そんなときにどう対処するかを考えてみましょう。直接的な問題解決の方法だけでなく、自分なりの気分転換なども挙げてみましょう。

練習3
次の2点について、目標達成の工夫を考えてみましょう。それぞれ2つ以上挙げられるとバッチリですね!

目標達成のメリット


うまくいかない時の対処法


 

解答例
目標達成のメリット
→自分に自信が持てる
→コミュニケーションの不安が低くなる
→スモールステップを達成するごとに好きなアイスを食べる

うまくいかない時の対処法
→好きな音楽を聴いて気分転換する
→できている・頑張っている部分に注目して自分を褒める
→うまくいかない原因を考えるスモールステップで自己国力感を高めよう

スモールステップ計画表にチャレンジ!

ここまでの3つのステップで、スモールステップ計画表が完成しましたね!ではさっそく、難易度の低いものから実践しましょう!

実践する際には、1枚の紙にまとめて清書し、部屋に貼ったりするとわかりやすいですね。ステップごとに実践した結果や感想を書いて振り返ると、なお良いです!

もし最終目標まで辿り着けなくても大丈夫。どこまでできて、どこからが難しいのか分かれば、大きな進歩です!

つまずいたステップがあったときには、そのステップのスモールステップを作ってあげましょう。少しずつでも着実に、レベルアップできるはずです!

着実にレベルアップ!自己効力感UPにつなげよう

今回は、スモールステップ計画表の作り方をお伝えしました。

苦手なことにチャレンジする際、いきなり100%成功するのは難しいですよね。しかし、スモールステップ計画表を使えば、徐々に自分の成長を実感でき、最終目標にもたどり着きやすくなります。

まずは行動に移すことが大切です!一歩ずつ着実にレベルアップして、自己効力感を育みましょう♪

次回は、自己効力感コラムのまとめです。これまで紹介してきた内容を確認していきましょう。お楽しみに!

★3つのステップで目標達成を!着実なレベルアップで自己効力感を高めよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。その前にちょっとだけお知らせです・・・申し訳ありません。(^^;コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

心理学講座

*出典・参考文献
坂野雄二・前田基成 2002 セルフ・エフィカシーの臨床心理学 北大路書房
Bandura, A. & Schunk, D. H. 1981 Cultivating competence, self-efficacy, and intrinsic interest through proximal self-motivation. Journal of personality and social psychology, 41(3), 586-598.

 



小さなステップで最終目標を達成しよう