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自己肯定感は自分を好きになることから

自己肯定感は自分を好きになることから②

コラム①では、自己肯定感が低くなってしまう3つの原因とその対処法を紹介してきました。原因は「①自分が好きになれない」「②欠点ばかり気にしてしまう」「③周りの評価を気にしすぎる」の3つでしたね。

今回は、原因の1つ目として挙げた「自分のことが好きになれない」の対処法である「認知のゆがみに気づこう」もついて解説していきます。

自己肯定感を高めるには?

自分のことが好きになれず、自分はダメなやつだ…と思い込んでいると、自己肯定感は高まっていきません。自己肯定感を高めるには、ダメだという考え方を変えていくことが必要です。

ではここで、自己肯定感を高めることができた研究についての論文を見ていきましょう。

高橋(2001)は、自己肯定感を向上させるための授業実践を中学校で行いました。その内容とは、自分をダメだと思う状況について、「プラスの話しかけを自分自身にする」などで構成されていました。

▼結果がこちらです。

自己肯定感を高めた研究の一部

その結果は、そのグループの肯定的な自己イメージを記述したものを計算した平均得点が52.47点から、65.16点に上昇しました。さらにプログラム実施1ヶ月後にも計測した結果も、59.84点と実施前よりも高いという結果を報告しています。

実際にこの授業では、「自分をダメだと思ってしまう場面でプラスの話しかけ」などをして、対象者の自己肯定感を高めています。つまり、自分に対してダメだと思い過ぎず、プラスの感情や考えなどを持ちやすい状態にいると、自己肯定感も高くなると言えます。

では、自身にダメだと思い過ぎてしまう時や、プラスの感情や思考が促せないときはどのようなことが、阻害しているのでしょうか?

それは、「認知のゆがみ」の存在が考えられます。まずは自己肯定感を阻害する「認知のゆがみ」について理解を深めていきましょう。

認知療法とは?考え方を見直そう

認知のゆがみとは、必要以上にネガティブに考えてしまうことなどを指します。

例えば、仕事で自分が任されたプロジェクトで失敗をしたとします。AさんとBさんは次のように考えました。

Aさんは、
頑張ったけど失敗してしまったから仕方ない。
Bさんは、
こんなこともできないなんて、やっぱり自分はダメな人間だ…。

このように、同じ出来事でも考え方は違ってきます。これを認知のゆがみといい、自己肯定感を低下させる大きな要因となってしまいます。

認知のゆがみは、瞬時に浮かんでくる考え方・捉え方のクセです。まずは、自分の考え方のクセに気づいて、修正することで自己肯定感を高めていくことができます。

さっそく具体的な解決策を見ていきましょう!

認知のゆがみを改善しよう

自己肯定感を低くする原因の1つ認知のゆがみを修正する方法として認知療法をご紹介していきます。

認知療法は、認知(考え方)を修正する療法で、気持ちは考え方から作られるという考え方に基づいています。「考え方」が心の問題やコミュニケーションに大きな影響を及ぼすことが1950年あたりから注目されるようになり、うつ病や不安障害などの精神疾患の治療法として世界的に注目されるようになりました。

私たちの気持ちが、考え方から作られていることを事例で見てみましょう。

<事例>
・職場のコミュニケーションに悩むサトウさん
サトウさんは中途入社して3か月です。同僚のヨシダさんに苦手意識を抱いてしまい上手く話すことができません。コミュニケーションを取りたいと思い、今日も挨拶をしましたが会話が膨らみません…。

この事例を認知療法の考え方にあてはめていきます。

(A:できごと)
職場の同僚とうまく会話ができない

このできごとについて、2つのパターンで考えてみましょう。

1:ネガティブな人の場合
(B:考え)
自分の会話が下手だからだ…
(C:気持ち)
落ち込む

認知のゆがみについての例と解説

2:ポジティブな人の場合
(B:考え)
時間をかけてうちとけられればいいだろう
(C:気持ち)
少し前向き

認知のゆがみについて解説

このように、同じ出来事でも考え方・捉え方次第で気持ちが変わってきます。

捉え方を変えて自己肯定感を高める

考え方のクセを修正→自己肯定感UP

認知のゆがみは、必要以上にネガティブに考えてしまう考え方のクセのため、認知のゆがみは色々な場面で起こってしまいます。そのため様々な出来事に対して、ポジティブで居続けられる人、ネガティブな気持ちになり続けやすい人に分かれます。

ネガティブな思考がつづく状態では、自己肯定感を高めることは難しくなります。認知のゆがみに気づき、考え方のクセを見直していきましょう。

まずは練習問題で実践してみましょう!

手順・実践!認知のゆがみに気づこう

いくつか質問をしますので、先ほどの例文を参考に取り組んでみてください。

練習問題
質問1:最近「自分はダメだな」と思ったことなど、ネガティブな気持ちになった「できごと」を挙げて、下の図に「考え」「気持ち」をあてはめてください。

認知のゆがみに気づく方法

質問2:ネガティブな気もちにならないような「考え」はありませんか?あてはめて、変えてみましょう。

自己肯定感を高める方法

ネガティブ思考になるクセを修正して、自己肯定感を高めてくださいね。

自己肯定感を高めよう!

自己肯定感が低い原因の1つ「自分のことが好きになれない」の対処法として「認知のゆがみに気づく」についてお話してきました。いかがでしたでしょうか?

自分自身が気づかないところで、認知のゆがみが生活に影響を及ぼし、自己肯定感を下げているかもしれません。ネガティブな思考が続いているな…と感じた時には、認知のゆがみがないかをチェックしてみてくださいね。

次回は、自己肯定感を高める方法の1つ目「リフレーミングで長所を探す」についてお伝えします。お楽しみに。(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ ネガティブな考え方のクセを修正して、自己肯定感の高めよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく、実際に心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は心理学講座、実践練習をしたい!という方は社会人講座をお勧めしています。私たちが講義をしている講座となります。それでは次のコラムへ進みましょう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
高橋あつ子(2001)自己肯定感促進のための実験授業が自己意識の変化に及ぼす効果
大野裕(2003) こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳 創元社