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自己嫌悪から立ち直る方法「ソーシャルサポートを受けよう」

自己嫌悪から立ち直る方法「社会的サポートを受けよう」

コラム①では、自己嫌悪について解説していきました。今回は、自己嫌悪の対処法「ソーシャルサポート」についてより深く解説していきます。


対象となるお悩み
・人間関係が殺伐としている
・相談できる相手がいない
・常に他人と比較してしまう

 

自己嫌悪を抱える人の中には、周囲に頼れる人がいない…という方も見えると思います。成績や結果を比べ合う競争環境で生きていませんか。

そうした、殺伐としたコミュニティの中では、自己肯定感も芽生えづらいです。当コラムでは、ソーシャルサポートという概念から暖かい関係を作るための原理・原則を解説していきます。

 

 

イラスト:人間関係がなく孤立している、ソーシャルサポートを受けた方が良い人

ソーシャルサポートとは?

ここでソーシャルサポートの定義について見ていきましょう。ソーシャルサポートはCaplan (1974)によって概念化されたもので、

家族、友人や隣人などの個人をとりまく様々な人々からの有形、無形の援助を指す

とされています。

周囲の人たちから得られる援助をソーシャルサポートと考えてよいでしょう。その援助は、形があるもの、無いものに限らないということですね。

ソーシャルサポート

たとえば、家族・友人・会社の同僚・専門家の援助、など自分の周囲にある環境の中でサポートしてくれる人やものを意味します。

ソーシャルサポートの影響

細田ら(2009)では、中学生305名を対象に、自己嫌悪の反対の概念である自己肯定感とソーシャルサポートの関連を調査しています。

そこでは、友人・大人からのサポートを持っていると感じている群の方が、社会的なサポートを持っていないとする群と比較して自己肯定感が高いという結果が示されています。

①友人からのサポートの影響

まずは友人からのサポートから見ていきましょう。

自己嫌悪 克服

この結果の道具的サポートとは、「困っているときに、手伝ってくれる」等の具体的なサポートを指します。上図のように、サポート高群の方がグラフが伸びていることが分かります。

つまり、友人からのサポートが得られている方は、自己肯定感が高まると考えることができるのです。

②大人からのサポートの影響

次に大人からのサポートを見てみましょう。

自分が嫌い 対処法

情緒的なサポートとは、「困っているときに、励ましてくれる・話しを聞いてくれる」という気持ちの面でのサポートを指します。

こちらもサポートがあると感じている群の方が自分に自信を持てているという結果を示しています。もちろん自分に自信を持てている方が、自己嫌悪を感じにくいですよね。

褒め褒め君を探そう

このことから、自己嫌悪を軽減させていくには、周りのサポートをうまく活用していくことが大切です。

簡単に言うと、あなたの力になってくれる、なってくれる可能性のある人を見つけて、実際に力になってもらうということですね。

特におすすめなのが「褒め褒め君」を探すということです。世の中には、相手のことを褒めたり、好きになりやす方が一定数います。

ライバルが多い厳しい環境で戦うことも大事ですが、たまには緩い雰囲気を持っていてたくさん人を褒めてくれる方と一緒にいることも大事です。

いつもニコニコと自分を褒めてくれる友人などいたらたまには相談に乗ってもらうのもいいでしょう。

平山さんの事例

それでは、具体的にソーシャルサポートで自己嫌悪を克服した事例を見ていきましょう。

事例:働き過ぎて体調を崩した平山さん

・状況
①過労で体調を崩した平山さん
②今後の働き方を考える目的で来室
③話を伺うと素晴らしいキャリアを歩まれていた

しかし、平山さんご自身は、

「私は周りに比べて仕事ができない」
「プロジェクトを投げ出しダメな自分」
「うまくいかない自分が嫌い」

と、自己嫌悪のお気持ちを強く持たれておられました。

しかしカウンセリングにて、「仕事ができない」という点をよくよく聞いてみると、「これくらいの仕事は1人でできないとダメだと思う」という言葉が何度も出てきました。

どうやら仕事を1人で抱えてしまうタイプで、今回の体調が崩れたのも、1人でかなりの量の仕事を抱えてしまったことにあるように見受けられました。

イラスト:周りからのサポートがなく、自己嫌悪に陥ってしまう人

・一人で抱え込んでしまう
そこで私は、『平山さんは1人ではなく、実は力になってくれる人はいたのでは』と伝えると、「確かにそうだと思います。どうしても抱え込んでしまって・・」とお話しになられました。

平山さんは次第に、

「同僚の○○さんも心配していた」
「パートナーも相談に乗ってくれている」
「昔の友人で話を聞いてくれる人がいる」

と周囲の人が力になってくれていることを思い出し始めました。平山さんは、思い切って周りの方に、自分の悩みを打ち明けると、努力や取り組みを様々な面で褒めてもらうことができました。

イラスト:悩みを打ち明けて、周りからのサポートを受けられた人

平山さんは、肩の荷が下りたのと、少し自信がついたようでした。

「あの時相談してくれれば、少しは力になれたかもしれない」

と同僚が言ってくれました。平山さんも

「周りに悩みを打ち明けていればよかった」

と後悔し、それ以来ちょっとしたことでも周囲に相談するようになりました。あれから数年経ちましたが、今も元気にお仕事を続けられています。

平山さんのように、周りのサポートを受けることができると、自己嫌悪の思いを感じる機会を減らせる可能性があるのです。

疲れている時は「褒め褒め君」を探して、サポートを受ける!このことを覚えておきましょう。

あなたのサポートは?

それでは、自分自身について実際に考えていきましょう。先ほどの事例の平山さんと同じように、あなたの周りで力になってくれる人を探していきましょう。

質問①

あなたをサポートしてくれそうな人を挙げてみましょう。出来るだけたくさんあげてみてください。


 

解答例(平山さんの場合)

・交際しているパートナー
・学生時代の友達のAさん・Bさん
・前職の同僚で現在も交流があるCさん
・現在の職場の同僚Dさん
・現在の職場の直属の上司Eさん

質問②

質問①で、それぞれ挙げた人はどんなことで力になってくれますか?整理してみてください。周囲のサポートの状況を確認して自己嫌悪に対処しよう

解答例平山さんの場合)サポートしてくれる周囲の状況

自己嫌悪から立ち直ろう

今回は「ソーシャルサポートがない」の対処法をお話してきました。いかがでしたでしょうか。意外と自分の周りに、あなたの力となってくれる人はいます。

サポートは身近に転がっているのです。周りのサポートがあれば、自己嫌悪に陥る機会も減り、困難な状況も乗り越えやすくなります。

今回行ったように、一旦落ち着いてあなた自身の置かれている状況を整理していくことであなたの周りの社会的サポートを発見できます。あなたの力となりますよ。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
久世浩司(2015)マンガでやさしくわかるレジリエンス 日本能率協会マネジメントセンター
水野 治久・谷口 弘一 ・福岡 欣治・古宮 昇(2007) カウンセリングとソーシャルサポート-つながり支え合う心理学 ナカニシヤ出版
水間玲子(1996)自己嫌悪感尺度の作成 教育心理学研究 44 296-302
宮下一博・小林利宣(1981)青年期における「疎 外感」の発達と適応との関係 教育心理学研究 4 297-305
細田絢・田嶌誠一(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他の肯定感に関する研究 教育心理学研究 57 309-323