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神経質の原因「ヒポコンドリー」とは②

神経質の原因「ヒポコンドリー」とは②

コラム①では、神経質について概観していきました。今回からは「神経質とは何か」についてより深く解説していきます。重要な部分としては、「①ヒポコンドリー」「②HSP気質」「③精神疾患との関係」の3つでしたね。

今回は「①ヒポコンドリー」について解説していきます。

神経質の歴史

・100年前からはじまった
神経質という言葉は、日常的にもよく使われる言葉です。そのためみなさんにも、なじみがあると思います。日本では古くから森田療法という精神療法で神経質が扱われてきました。森田療法が創られたのは100年以上も前のことです。当時から、

・他者からの評価がすごく気になる
・気になりだすと抜け出せない
・恥をかくことを異常に恐れる
・完全になるまで拘る

このような日本人の神経質な感覚は、人が過剰に怖くなる対人恐怖症や、自分を病気と思い込む心気症と結びつきやすいと考えられてきました。

ヒポコンドリーとは

・神経質の素質
森田療法では極度の神経質に対して様々な理論が考えられています。その一つに、「ヒポコンドリー性基調」という言葉があります。ヒポコンドリー性基調とは、神経質になりやすい素質のことです。つまり、もともとその人が持っている資質であるということです。

また、ヒポコンドリー性基調には、”自分が病気であると思い込む”という意味があります。自分がなんらかの病気であると、気に病んでしまう状態です。ヒポコンドリー性基調が高いと、ちょっとしたきっかけで神経症の精神疾患にもかかりやすいとされています。

ヒポコンドリー性基調が高い人の特徴として、
・完璧主義
・取り越し苦労が多い
・潔癖
・強い自己内省
などの特性は、ヒポコンドリー性基調が高く、神経質の素質であると考えられています。

・ヒポコンドリー性基調の悪影響とは
このヒポコンドリー性基調が高いと、ちょっとしたきっかけで神経症などの精神疾患につながってしまう可能性があります。神経質傾向の人が、気に病むきっかけに出くわすと、そのきっかけを常に気にするようになります。気にすることを否定しようとすると、さらに悪循環に陥ってしまいます。森田療法では、この悪循環のことを「とらわれ」と言っています。

体のことを気にすると心気症、対人関係で気にすると対人恐怖症などの症状につながります。

神経質の素質は変えられない

ヒポコンドリー性基調はもともと自分が持っている資質のため、変えることは難しいです。無理に変えようとすると、「とらわれ」として悪循環に陥ってしまいます。神経質を変えようとしてはいけません。

そこで、森田療法では無理に症状に抗わない「あるがまま」という方法を取っています。湧き上がってくる症状や不安はそのままにして、素直に受け止めていく考えを重視します。そして、目の前にやるべきことに目を向けて行動する態度を重視しています。

たとえば、
・「心臓がドキドキを感じるけれど、プレゼンの発表をしっかりこなす
・「上司の評価が気になるけれど、そのまま仕事に集中する

など、神経質になってしまうときは、気になることはそのままに、まずは目の前のことに集中する態度が大事です!

神経質をあるがままに受容

神経質になりやすい素質、ヒポコンドリー性基調について紹介してきました。誰しも少なからず神経質な部分がありがちですが、特にその傾向が強い人は注意が必要です。しかし、もともと持っている素質は変えられません。森田療法の理論を活かして、「あるがまま」の態度で対処していくことが大事です。神経質の傾向が強いなと思う人は、あるがままに行動していくようにしましょう!

次回は、神経質の原因1つ目「HSP」について解説していきます。

★神経質はヒポコンドリー性基調が関係している!
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目次

①神経質な人-概観
②ヒポコンドリー
③「HSP」ってなに
④「精神疾患」の関係
⑤神経質診断でチェック
⑥「認知行動療法で反証」
⑦「多角的認知」を付けよう
⑧「曝露療法」で恐怖に慣れよう
⑨「森田療法」で受け入れよう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
C.Riley, M. Lee, Z. Cooper, C. Fairburn, and R. Shafan (2007) A randomized controlled trial of cognitive-behavior therapy for clinical perfectionism: A preliminary study. Behaviour Research and Therapy, 45, 2221-2231.