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神経質な性格は「選択的注目」に要注意

神経質な性格は「選択的注目」に要注意③

コラム②では、神経質な性格の原因の1つ「完全主義的」の解決策として、認知療法を紹介しました。3つのステップで捉え方を変えて気持ちを緩めていきましょう。今回は、選択的注目から考え方の視野を広げる方法を紹介していきたいと思います。

些細なネガティブはNG”選択的注目”

ひとつのことに執着しすぎるタイプの神経質な人には、“ネガティブな選択的注目”という認知の誤りが多くあります。ネガティブな選択的注目とは、プラスの面には目もくれず、些細なネガティブな事だけを重視する認知のありかたです。

例えば、
上司から言われた中に
たった1つマイナスな
評価があったとします。

この時神経質な人はたとえ全体的には褒められていても、“自分は悪く評価されている”ことが気になってしょうがないのです。神経質な方はこうした選択的注目ばかりしていると、落ち込みや不安、怒りなどの不快な気持ちになりがちです。

そこで選択的注目をやめて、適応的に捉え直すことができれば平常心でいられそうですね。例えば、1つマイナス評価があったら、全体としては褒められた。頑張った甲斐があった!こんな風に考えられるといいですね。

神経質には認知療法が効果あり

神経質で悩むヨシオさんの事例

ここで事例をもとに、ネガティブな選択的注目を改善するコツを見ていきましょう。コラム②と同様に、認知療法の考え方を使っていきます。

事例
ヨシオさんは20代の会社員です。
神経質なところがあり、最近は落ち込むことが多くなったため、クリニックに行ったところうつ状態と言われ、カウンセリングを受けることになりました。

ヨシオさんは人との会話にかなり敏感です。友人から言われた些細な一言「ヨシオって、ちょっと変わってるよね」にとらわれ、下記のようにネガティブな考えを頭の中でぐるぐる反芻させています。

改善前の考え方:ネガティブな認知の例

そして友人に「変わってる」と言われてからは、他の人からの評価が気になるようになってしまい選択的注目が活性化してしまいました。そして、

・やっぱり自分は変なんだ
・自分はつまらない人間だ

などと決めつけるようになっていき、気分は落ち込んでいきました。

そこで、ヨシオさんに認知療法について説明し、選択的注目をしていることに気づいてもらい適応的な認知を考えていきました。

すると、ヨシオさんは、つまらない一言に執着しすぎていたと理解するようになり、安心さえ感じるようになりました。

改善後の考え方:ポジティブな認知の例

選択的注目を避ける練習問題

それでは、ここでヨシオさんの事例を参考に、選択的注目を避ける練習問題に取り組んでみましょう。

練習問題1
あなたは新入社員です。週末に部署内で「歓迎会」を開いてくれるそうで、参加することにしました。その会では、まずは始めに「自己紹介」するという流れでした。他の何人かの自己紹介が終わり、いよいよあなたの番です。緊張しながらも、口を開いた時、あなたを見ながら2人がニヤニヤしているのが目に入りました。途端に「バカにされた!!」という考えが浮かび、結果的に歓迎会では無言になってしまい、全く楽しむことができませんでした。

以下の3つを書き出してみてください。

1.出来事
⇒「             」

2.認知
⇒「             」

3.気分・行動
⇒「             」

選択的注目や認知の誤りがある場合は、
「適応的な認知」に修正していきましょう。

1.出来事
⇒「             」

2.認知
⇒「             」

3.気分・行動
⇒「             」

 

解答例

1.出来事
⇒「2人がこちらを見て笑っていた」

2.認知
⇒「バカにされた!!」

3.気分・行動
⇒「怒り・恥ずかしい・無言になった」

選択的注目や認知の誤りがある場合は、
「適応的な認知」に修正していきましょう。

1.出来事
⇒「2人がこちらを見て笑っていた」

2.認知
⇒「お、あの2人楽しんでいるな
  何か面白いことがあったのかな」

3.気分・行動
⇒「楽しい・相手のことを質問する・自己開示」

 

練習問題2
ご自身の神経質な悩みを1つイメージして以下の3つを書き出してください。

1.出来事
⇒「             」

2.認知
⇒「             」

3.気分・行動
⇒「             」

選択的注目や認知の誤りがある場合は、
「適応的な認知」に修正していきましょう。

1.出来事
⇒「             」

2.認知
⇒「             」

3.気分・行動
⇒「             」

執着しすぎる神経質をゆるめよう

認知療法は、なるべく客観的、現実的に考えてみる訓練になります。繰り返し、いろいろな認知ができないか考えてみることが大切です。ご紹介した方法を活用する中で、執着しすぎる神経質をゆるめてくださいね。

次回は、神経質と付き合う方法の3つ目「森田療法であるがまま」についてご紹介します。お楽しみに!

★神経質の原因「執着しすぎ」は選択的注目と関連。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
田中宏尚・塩見邦雄・吉岡千尋(2002)SPI(下田式性格検査)の改訂版の作成とその有効性の研究(SPI改訂版の作成第2報). 熊本県立大学文学部紀要, 8, 59-72.
塚野 弘明(2015)認知行動療法の理論と基本モデル. 岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要, 14, 451-459.