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神経質の治し方

神経質の治し方「認知行動療法で反証」⑥

コラム①では、神経質について概観していきました。今回からは、具体的な対処法についてより深く観ていこうと思います。「①認知行動療法で反証」「②多角的認知を鍛える」「③暴露療法で改善」「④森田療法」の4つでしたね。

今回は、①認知行動療法で反証について解説していきます。心配性の解決策を臨床心理士が解説

認知行動療法の反証

認知行動療法の反証とは、その考えが現実的なのか?を検討する方法で、
・神経質な考えが起こる確率は?
・その不安に根拠があるのか?
・本当に深刻な状況になるのか?

などと現実的な考えを導き出すための方法です。神経質な人は、考えすぎるあまり、現実的でない心配までしてしまうことがあります。こうした、考えの歪みを「反証」を使って修正することで、心配な気持ちを和らげることが期待できます。

神経質は改善する?

ここで、神経質の改善について見てみましょう。コラム1の復習となりますが、Michelら(2003)は、神経質な傾向が特徴である全般性不安障害の研究を行いました。

研究の方法は、少人数で行う集団認知行動療法を施した群と施さなかった群とを分けて、不安や抑うつ、心配などを比較するものでした。結果は下の図の通りです。心配性と対処法による効果が分かる図集団認知行動療法を施した群では、治療後に心配の度合いが大幅に改善しました。ここでは心配だけを取り上げていますが、その他の不安や抑うつなども改善されていました。この研究から、集団認知行動療法が神経質の改善にもであることが考えられます。

「反証」の具体的な方法

ここからは、認知行動療法の反証の具体的な方法を紹介していきます。コラムでは、簡易版として3つの質問に答える方法を実践してみましょう。まず、今神経質に思っていることを紙に書き出してください。そして、次の質問に答えてみてください。

①その「神経質」を裏付ける証拠はありますか?
神経質が現実に起こるという証拠や根拠はあるでしょうか。探してみてください。

②何%くらいの確率で起こりそうですか?
神経質が本当に起こりそうな確率は何%でしょうか。感覚的なものでいいですから、数値化してみてください。

③同じような状況で、今までどんなことが起きましたか?
過去に、神経質に思うような状況があったでしょうか。あった場合、今まではどのようなことが起き、その結果どうなったでしょうか。心配性を3つの質問に答える反証で対処

人間関係の思い込みを反証

神経質になりやすい場面は大きく分けて、人間関係の場面、日常生活場面、天変地異場面に分けることができます。まずは人間関係の例題を通して神経質になりやすい考えの反証の練習をしてみましょう。

例題
タロウさんは神経質なところがあります。タロウさんはある朝、上司に挨拶しました。言葉では「おはよう」と返ってきたのですが、上司の眉間には深いしわが寄っていました。タロウさんは、

自分のあいさつの仕方に問題があったのでは

と考え込み、仕事に手がつけられません。3つの質問を通して反証してみましょう。

反証①その「神経質」を裏付ける証拠はありますか?

反証②何%くらいの確率で起こりそうですか?

反証③同じような状況で、今までどんなことが起きましたか?

 

解答例
反証①その「神経質」を裏付ける証拠はありますか?
→確かに眉間にシワが寄っていたが、自分が原因である確証はない。

反証②何%くらいの確率で起こりそうですか?
→上司は様々な仕事を抱えているので、自分が原因である確率は5%ほど。

反証③同じような状況で、今までどんなことが起きましたか?
→今までも硬い表情であいさつが帰ってきたこたがあったが、それは相手が忙しかったから。その後は、笑顔で接してくれた。

心配性を改善する反証の練習問題

3つの質問で反証したところ、タロウさんの神経質な考え方は、現実的ではない可能性が高いです。タロウさんは「今忙しかったのかも」と言い聞かせて、神経質な考えを止めるようにしました。

反証のメリット

練習問題はいかがでしたか。3つの質問に答える方法を行うと、次のような効果があります。

①簡単には起こらない!大丈夫
「その神経質な考えを裏付ける証拠はありますか?」この質問に答えることで、神経質なことが「もし〜だったらどうしよう」と仮定しているだけだと気づけます。現実にはそうでない可能性もあると考えを改めるきっかけになります。

②現実検討能力の向上
「何%くらいの確率で起こりそうですか?」この質問に答えることで、神経質に思っていることを冷静に、そして客観的にみつめることができます。神経質に思っていることは、よく現実的ではないかも…と考え直せることがあります。このように現実的に考える力を現実検討と言います。確率で計算することは現実検討能力の向上につながります。

③乗り越える勇気が出る
「同じような状況で、今までどのようなことが起きましたか?」この質問に答えることで、今神経質に思うことと過去の経験とを照らし合わせ、よりバランスのとれた考え方ができるようにします。心配性の対処法で気持ちを楽にしよう

神経質は反証で克服

反証はいかがでしたか。反証は、なるべく客観的、現実的に神経質な考え方を捉え直すための方法です。ご紹介した3つの質問を自分に投げかけることで、神経質な考えを少しでも現実的な考えに持っていけると気持ちが軽くなります。

次回は、神経質に対処するための方法の2つ目「多角的認知」について解説します。お楽しみに!

★3つの質問で神経質と上手く付き合おう!

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目次

①神経質な人-概観
②ヒポコンドリー
③「HSP」ってなに
④「精神疾患」の関係
⑤神経質診断でチェック
⑥「認知行動療法で反証」
⑦「多角的認知」を付けよう
⑧「曝露療法」で恐怖に慣れよう
⑨「森田療法」で受け入れよう

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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