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視線恐怖症「視線へのこだわり」を克服する方法を知ろう

視線恐怖症


視線恐怖症の症例「視線へのこだわり」-森田療法で克服③

視線恐怖症「視線へのこだわり」の克服方法

コラム②では、視線恐怖症の「人の評価が気になる」場合、認知療法で認知を修正する方法を提案させていただきました。 自分に対するマイナス思考や感情的決めつけなど思考の歪みから悲観的な感情が沸き起こり、望ましくない行動に至るということでしたね。

では、今回は視線恐怖症の解決策の1つ「あるがままを大切にする」について解説します。

 

森田療法で視線へのこだわりを軽減

視線恐怖症の症例の1つに「視線へのこだわり」があげられますが、視線へのこだわりに対しては森田療法が有効です。

森田療法は、神経症に対する治療法の一つで、おもに恐怖を和らげるための治療法です。

例えば、視線恐怖症の場合、人ごみの中で視線を感じて息苦しくなったり、頭が真っ白になりパニックになる、動悸がひどくなるなどの症状が出て、外出さえままならなくなることがありませんか。その恐怖は、そこから逃れようとすると、ますますつのってきてしまいます。視線恐怖症の症例視線が怖いについての解決策

では、なぜこのような症状が出てしまうのでしょうか?

例えば、「私、何か変な人と思われていないだろうか」「自分の目が変だから、注目されるのではないか」など、

『人に悪く思われるのを極端に恐れる』

ことからくる恐怖と言えます。この『人に悪く思われるのを極端に恐れること』は、ある意味「人から良く見られたい」という強い思いの裏返しであるとも言えます。

小川(1971)の研究では、対人恐怖症の場合、極めて意識性に富み、自己内省的で、対人場面における自己の一挙一投足を極端なまでに意識し、それにこだわり、そこから由来する不安について悩むと言っています。

つまり対人恐怖症は、症状を否定するだけでなく、「現実の自分をも否定していること」が問題だということなのです。ネガティブな「こんな自分ではいけない」という自己評価の低い自分と、「人から良く見られたい」という理想的に高く掲げた自分とが大きく離れてしまっている状態とも言えます。

この現実の低い自分と、理想的に高く掲げた自分、この間の大きな差が不安を生み出し、視線恐怖症の症例「視線へのこだわり」を強くしているのです。

こだわりの悪循環

視線へのこだわりはどのようなメカニズムで起こるのでしょうか?簡単に説明をしたいと思います。

視線にこだわってしまう悪循環について、森田療法の“精神交互作用”という言葉があります。例えば、視線を気にしてしまうとそれを打ち消そうという気持ちがわきます。視線を打ち消すために意識しないようにすると、よけいに視線が気になってしまいます。

このように、視線を無理に排除しようとすることで、ますます視線が気になってしまう。この悪循環を精神交互作用といいます。下の図が精神交互作用のメカニズムです。

精神交互作用のメカニズムの図と視線恐怖症の克服方法

この精神交互作用を断ち切るには“あるがまま”に捉えるようになることが大切です。

では、あるがままに捉えるにはどのようにしていけばよいのでしょうか?森田療法で考える、あるがままについて説明をしていきます。

練習!「あるがまま」が恐怖症を軽減

森田療法では、緊張や恐怖心を無理やり打ち消そうとせず、それをそのまま受け入れて、前向きな目的に注意を向け行動することを重視します。つまり、これが『あるがまま』ということです。

視線恐怖の症状は、注意が視線に執着することによって起こるものであるため、気分や感情にとらわれず、今自分がやるべきことを実行してゆくということなのです。

 まず、視線恐怖へのこだわりを自覚し、あるがままに受け入れられるようになること、そしてしなければならない目的に向かい行動することが軽減・改善の方法です。

では、次の例題について考えてみましょう。

例題
今日、初めてのセミナーの日だなぁ…人と話せるようになりたいな、でも行くと緊張してパニックになるし、視線が怖いなぁ…

<あるがままで考えた場合>

解答例
今日、初めてのセミナーの日だなぁ…人と話せるようになりたいな、でも行くと緊張してパニックになるし、視線が怖いなぁ…

<あるがままで考えた場合>
⇒緊張して震えるくらい視線が怖い。怖くて行きたくないけれど、この気持ちはそのままにして、とりあえず行こう。人と話せるようになりたいから行ってみよう。行ってみたら、かなり疲れたけれど、話せる人も出来て楽しかった!話している間、あまり視線を気にせずに済んだ。

例題では、見られる恐怖を取り除こうとしても怖さが先に立っていましたが、あるがままのときには、恐怖心を感じながらも行動に移してゆきましたね。

あるがままで視線へのこだわりが軽減

視線へのこだわりは、あるがままを受け入れ、考え方や目的に向かう行動で軽減することができます。行動する中で自信を取り戻し、人の視線を恐れる気持ちもだんだんと薄れていきます。あるがままの気持ちを大切に視線恐怖症を克服しよう視線にこだわり、後ろ向きな気持ちに押し流されるのではなく、前向きに自分らしく生きてゆけるよう、森田療法の『あるがまま』に取り組んでみてくださいね。視線へのこだわりが、少しでも軽減されつことを願っています。

次回は、視線恐怖症の解決策の1つ「あるがままを大切にする」について解説します。お楽しみに!

★森田療法の考え方で、視線恐怖症を改善しよう

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心理学講座

*出典・引用文献
小川 捷之 いわゆる対人恐怖症における「悩み」の構造に関する研究
横浜国立大学教育紀要,14:1-33,1974



森田療法の考え方で捉えてみよう