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社会不安障害の症状を把握しよう

社会不安障害は認知行動療法で症状を緩和②

コラム①では、社会不安障害のチェックリストをご紹介し、原因と解決策ををご説明しました。繰り返しになりますが、軽く復習していきましょう。

今回は、社会不安障害の症状について解説していきます。

社会不安障害と発症年齢

社会不安障害は年齢が若いほど発症しやすいことがわかっています。13歳から18歳を対象に行われたアメリカの調査では、障害有病率が、9.1%で年齢と共に有病率は、増加しています。 

・若い世代に多い
(2010)日本では2016年日本医療開発機構の川上が調査を行いました。その結果、以下の図のように若い方ほど有病率が高いことがわかりました。

若い世代と35~44歳で2倍以上の開きがあります。他の調査でも10代の発症が圧倒的であることがわかっています。そして、20代〜30代では徐々に罹患率が下がります。年齢とともに症状が和らいでいく特徴があると解釈できそうです。もし、20代~30代で社交不安障害で悩んでいるとしても、これから年齢とともに症状が和らいでいくと考えると希望が持てますね。

・女性に多い問題
同じく、川上(2016)の調査では、男性に比べ、女性の方が有病率は高いという結果が出ています。社会不安障害は、子どもから大人まで幅広い世代の問題であること、そして男性より、女性に多い問題であることがわかっています。

社会不安に近い対人恐怖症研究では、男性の方が多い症状なのですが、近年の女性の社会進出によって傾向が変わってきているのかもしれません。

社会不安障害のために、仕事や勉強、休日の時間など思うように人と話せないのは大変つらいことだと思います。不安を100%完全になくすことはできませんが、日々の生活に支障をきたすほどの社会不安でお悩みの方は、やはり対策は必要でしょう。

社会不安障害の理解

身体症状と回避

社会不安障害は交感神経が「優位な状況(興奮している)」ときに発生しやすいです。交感神経が優位なときは、心拍数が早くなり、血液を脳や体に送られます。そのため、健康的な範囲であれば、頭は冴え、身体能力を高めるのです。

しかし、過剰になると

・顔がこわばる、赤くなる
・汗をかく

・手足が震える
・おしっこが近い

このような身体症状が現れます。自分の身体症状が気になって「手が震えたらどうしよう、変に思われたらどうしよう」という予期不安につながり、社会場面を避ける要因になってしまうのです。

不安コントロールとは何か

・SAD患者と大学生の比較実験
社会不安障害(SAD)を含め、不安障害の方は、マイナスな感情や手汗などの身体の変化があると、感情が抑えきれなくなってしまい、混乱してしまう状態にあると考えられています。

城月健太郎(2013)は、社会不安障害(SAD)患者14名と大学生251名に対し、不安のコントロール感に関する調査を行いました。下図をご覧ください。

社会不安

大学生の方が点数が高く、SAD患者のグラフが低くなっていますね。これは健康的な大学生は不安を上手くコントロールできる感覚があり、SAD患者は不安に飲まれてしまう感覚があることを示しています。このように不安をコントロールできる感覚に欠けた状態が続くと、社会不安障害が悪化する危険性があるため注意が必要です。

社会不安障害を理解しよう

社会不安障害の症状をまずは知っておくことで、自分の状況を客観的に見ることができます。ご自身の状況を振り返って当てはまるポイントがあるかどうかを考えてみてください。

次回は、社会不安障害が引き起こす問題点について解説していきます。

★社交不安障害は若い世代・女性に多い!

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目次

①社会不安障害とは‐概観
②社会不安障害の症状を!
③対人恐怖心性の問題点
④原因「公的自己意識」とは
⑤「ソーシャルスキル不足」
⑥診断とチェック
⑦認知行動療法で症状を緩和
⑧「不安階層表練習」
⑨対処法「あるがままに」
⑩「ソーシャルスキルトレーニング」
⑪症状を改善する「薬物療法」

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・城月 健太郎・児玉 芳夫・野村 忍・足立 總一郎 2013 不安のコントロール感に関する基礎的検討―社交不安障害の観点から― 心身医学, 53:408-415
・研究開発法人日本医療研究開発機構 障害者対策総合研究開発事業(精神障害分野)
精神疾患の有病率等に関する 大規模疫学調査研究:世界精神保健日本調査セカンド 主任研究者 川上憲人 平成28(2016)年5月