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社会不安障害の症状「回避行動」を防ぐ方法⑧

社会不安障害の症状を和らげる「不安階層表練習」⑧

コラム⑦では、社会不安障害の対処法「認知行動療法」について解説していきました。現実的な考え方を身につけて、対人不安を克服していきましょう。

今回は、社会不安障害の対処法の2つ目「不安階層表練習」についてご紹介していきます。

社会不安障害と不安階層表

不安階層表は簡単に言うと、不安の強さを状況ごとに低いものから高いものへと順に表現したものです。社会不安障害が弱い場面から1つ1つ克服していく方法ですね。この表によって、小さな自信を積み重ねて最終的には克服を目指していきます。

不安階層表を使った治療について心理学者の塚野(2001)はクライエント(患者)の不安を感じる場面と不安の強度を測定し、対人不安と緊張感がどのように軽減するか観察しました。

その結果、対人不安が原因で起きる「不登校」が改善されたと報告しています。社会不安障害の克服に不安階層表をぜひ活用していきましょう。

赤面症 治す方法

スモールステップで行動

まずは、元となる不安階層表を作っていきます。塚野(2001)の示している不安階層表を使った治療の手順をもとにご紹介します。

①カード書き出し
社会不安が起きる場面を思い浮かべて、それを数枚のカードに書き出します。

②最大の不安場面を選ぶ
最も強く不安を感じる場面を1枚選んで、これを100点とします。

③不安の点数化
次に不安が強いものから順に4つ選び、計5場面の各点数を示します。点数は10点から100点までとします。下の表が例となりますので、参考にしてみてください。

④不安対策を考えておく
実際にやってみてら、不安が強くなって回避行動が出てしまうことがあります。そこで、対処方法を考えていきます。不安になっても安心できるお守りを作っておくのです。例えば、「深呼吸をする」「不安を紙に書き出す」など手軽にできる対処法がオススメです。

⑤点数の低いものから挑戦
実際にチャレンジを行っていきます。不安点数の低いものトライして克服できたら次の段へと上がっていきます。もし、不安が強くなってしまい回避したくなったら、④で作成した対処法を実践して様子を見ましょう。それでも行動できない場合は、不安点数を下げて挑戦します。

不安階層表

ここで大事なことは
「社会不安障害が現れないことが目的ではない」
というこです。これは絶対に踏まえておきましょう。

社会不安障害を克服するのではなく
「社会不安障害によって様々な対人場面を回避する癖
を克服するのですね。この点を誤解しないようにしましょう。人前で緊張したり、上手く話せないことは恥ずかしいことではなく、人間であれば自然で好感をもたれることなのです。緊張している自分を責めずに、やるべきことをやるという習慣をつけていきましょう。

赤面症 治すには

実践!練習問題でマスター

では、実際に現実脱感作を体験してみましょう。まずは不安階層表を作っていき、それぞれの社会不安障害に挑戦しますので、その流れをつかんでいきましょう。

1.カード書き出し

2.最大の不安場面を選ぶ

3.不安の点数化

4.不安対策を考えておく

5.点数の低いものから挑戦

 

解答例
1.カード書き出し
⇒友人の自分から話しかける。大勢の前で話しをする。街で知らない人に声をかける。

2.最大の不安場面を選ぶ
⇒大勢の前で話しをする。

3.不安の点数化
⇒街で知らない人に声をかける。(100点)
 セミナーなどで初対面の人に話しかける(80点)
 あまり話したことない同僚に話しかける(60点)
 友人に自分から話しかける(40点)
 母親に自分から話しかける(20点)

4.不安対策を考えておく
⇒・不安で逃げたくなったら10秒間深呼吸をする。
 ・不安や恐怖の強さを0~100%で表す。
 ・恐怖心を受け入れてやるべきことに集中する。

5.点数の低いものから挑戦
 ⇒母親との雑談場面で自分の話をする(20点)
  会社の同期とランチで自分の話をする(40点)
  同期の4人の飲み会で1分話す(60点)
  ちょっと怖い上司にホウレンソウする(80点)
  大勢の前で話をする(100点)

自分を肯定して目標を達成

社会不安障害を行動で克服!

ここまでお疲れさまでした!回避をし続けていると「意外と大丈夫なこと」にいつまでも気づくことができません。予期不安もずっと続いてしまいます。不安を断ち切るには、不安に向かっていくことが必要です。少しずつ目標を決めてできることを増やしていきましょう。

次回は、社交不安障害の対処法3つ目「あるがまま森田療法」についてご紹介します。

★社会不安障害の症状「回避行動」を小さなゴールで対処しよう!

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目次

①社会不安障害とは‐概観
②社会不安障害の症状を!
③対人恐怖心性の問題点
④原因「公的自己意識」とは
⑤「ソーシャルスキル不足」
⑥診断とチェック
⑦認知行動療法で症状を緩和
⑧「不安階層表練習」
⑨対処法「あるがままに」
⑩「ソーシャルスキルトレーニング」
⑪症状を改善する「薬物療法」

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・.ケアする人も楽になる 認知行動療法入門 BOOK1 医学書院 伊藤絵美 (2011)
・. 社交不安に対する対人場面の解釈の偏りと自動思考の効果. 心理学研究, 86, 200-208.相澤直樹(2015)