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ストレスと緊張「3つの自立訓練法」

ストレスと緊張「3つの自立訓練法」⑤

コラム④では、ストレスを軽減する環境づくりとして「ソーシャルサポートを活用する」についてご紹介しました。まずは安定したソーシャルサポートを得るために3つのコミュニティに所属してくださいね。

今回は、ストレスの発散・解消法の4つ目「自律訓練法で身体をほぐす」について解説します。

ストレスによる緊張を緩めよう

私たちの身体は心と密接に影響し合う関係にあるため、どちらも良好な状態に保ちバランスをとることが大切です。

例えば、ストレスが蓄積されると、身体がガチガチに硬くなり、思ったように動か無くなることさえあります。これはストレスが自律神経の働きを狂わせてしまい、身体の自由が効かなくなっている状態です。

この緊張状態をリラックスさせるには、自律神経を整えることが必要です。心理学の自立訓練法を用いて解消していきましょう。

自立訓練法とは?

自律訓練法とは、自律神経を整えることで心身のバランスを保つ方法です。

1930年頃、ドイツの精神医学者J・H・シュルツ博士が確立した、自律神経を整えるための方法論が自律訓練法の起源とされており、日本では1952年頃に導入されました。

自立訓練法は、日常のストレスを和らげるためにも有効な方法ということで、現在は医療のみならず教育やスポーツなどさまざまな分野に取り入れられています。

自律訓練法は次のような症状に有効です。

・緊張のため体がガチガチ
・考え事が頭を巡って寝れない
・大切な試験の前に体が震える

ここで、自立訓練法の効果が分かる事例をご紹介しましょう。

鈴木(2012)の研究によると、小学校3年生に集団で自律訓練法の練習をしたところ、皮膚表面温度が上昇してストレスが軽減され、落ち着いた優しい人間関係の学級に変容してきたことが確認できました。

つまり、自律訓練法は、強いストレスがかかる環境への耐性が付き、落ち着いた状態で良好に物事を進められるということです。

3つの自律訓練法!手順を紹介

それではさっそく、自律訓練法にチャレンジしてみましょう。具体的には「①背景公式→②第一公式→③第二公式」の順に行っていきますよ。

①背景公式
「気持ちが落ち着いている」ことを意識していく方です。安静練習とも言います。3つの手順で進めます。

1:リラックスできる環境づくり

まずは環境設定をします。姿勢は横になる、またはイスに腰掛けるどちらかです。

・横になる場合
楽な姿勢で、肩の力を抜いて目を閉じます
・イスに腰掛ける場合
肩幅ほど足を開き、両手を膝の上に置きます

2:ゆっくりと呼吸する
腹式呼吸を行います。

鼻から3秒で吸う・6秒吐くを、5回から10回くらい繰り返し行います。

3:「気持ちが落ち着いている」と数回つぶやく
心の中で「もうすでに落ち着いているのだ」と数回つぶやいてみましょう。ポイントは「落ち着かなくてはいけない」と考えないことですよ。

リラックス法でプレッシャーを克服する

この方法は、1分程度でも少し落ち着くことができるため、試験やプレゼンの直前など本番前のリラックスにおススメです。時間がない時はこの背景公式だけでも十分効果が期待できますよ。

さあプレゼンや試験の前日など、本番までに時間に余裕があるときは第一公式に進みます。

②第一公式
「両腕両足が重たい」と感じる練習で、重感練習とも言われています。重感練習は、脳と筋肉の両方を休憩をもたらす方法です。

第一公式は、腕と足に意識向けて進めていきます。

まずは「腕」を行いましょう。
1:「右腕が重たい」と唱えてます

10回から20回くらい、心の中でぼんやりとした感じで繰り返します。

2:「左腕が重たい」と唱えていきます。
つづいては左腕に意識を向けて、10回から20回くらい繰り返します。

3:「両腕が重たい」と唱えます。
左腕がすんだら両腕に意識を向けて10回から20回くらい繰り返します。

つづいては「足」を行います。
4:「右足が重たい」「左足が重たい」「両足が重たい」の順番で唱えます。

腕と同じように心の中ぼんやりと10回から20回くらい繰り返します。

5:「両腕と両足が重たい」で締め括る
さいごはもう一度両腕・両足に注意を向けて「両腕と両足が重たい」と締めくくります

重感練習は、リラック効果が高い方法と言われています。意識を向けてやってみてくださいね。そして、重感練習と同じくリラック効果が高い第二公式へ進みましょう。

重感練習でストレスからくる緊張を緩和

③第二公式
「両腕両足が温かい」と感じる練習で、温感練習とも言われています。練習のやり方は、第一公式と似ています。「重たい」を「温かい」に変えて進めていきます。

まずは「腕」から。
1:「右腕が温かい」と唱える
心の中でぼんやりとした感じで10回から20回くらい繰り返します。

2:「左腕が温かい」と唱える
左腕に集中して、10回から20回くらい繰り返します。

3:「両腕が温かい」と唱える
同じように左腕がすんだら右と左の両方に意識を向けて、10回から20回くらい繰り返します。

次は「足」を行います。
4:「右足が温かい」「左腕が温かい」「両足が温かい」の順番で行ます
腕と同じように10回から20回くらい繰り返します。

5:「両腕と両足が温かい」と締め括る
「両足が温たい」までいったら、もう一度両腕にも注意を向けて「両腕と両足が温たい」と締めくくります。

緊張を緩めてストレスを発散・解消しよう

緊張を緩めてストレスを解消

自立訓練法はご紹介した3つの方法以外に、第三公式(心臓調節練習)や第四公式(呼吸調節練習)、第五公式(腹部温感練習)・第六公式(額部涼感練習)もあります。なお、第三公式から第六公式は病気などによってはやってはいけな場合もあります。そのため今回は、どなたでも使える第二公式までをお伝えしました。

ストレスによる緊張で体がガチガチになっていたら、自立訓練法でリラックス状態を作っていきましょう。日ごろから練習することでしっかりと身につけてくださいね。

次回は、ストレスの発散・解消法の5つ目「生活習慣を整える」について解説します。お楽しみに!

★ 3つの自律訓練法!ストレスを発散・解消していこう

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*出典・参考文献
青木紀久代・神宮英夫 2008 徹底図解 心理学 新星出版.
鈴木久子 2012 小学生に適用した集団自律訓練法の皮膚表面温度とストレス軽減に及ぼす効果 バイオフィードバック研究 2012,39,2,(11).
富岡光直 2016 リラクゼーション法 心身医学 Vol. 57 (2017) No. 10.
武藤安隆 1999 催眠術完全マニュアル 日本文芸社