>
>
>

焦燥感を手軽な呼吸法で解消!トレーニング手順を解説

焦燥感


焦燥感と呼吸法!トレーニング手順を解説③

コラム②では、焦燥感への対処法として、認知再構成法をご紹介しました。4つステップで気持ちを落ち着けるようにしてくださいね。

今回は、焦燥感の解決策「マインドフルネス」について解説します。焦って辛い・・・事態を解決するには、マインドフルネスで提唱されている“脱中心化”が効果的です。これから施行法とワークを通してご紹介していきます。

マインドフルネスの脱中心化とは?

まず、マインドフルネスとは、もともと東洋の瞑想で用いられていた言葉で、以下のように定義されています。

「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること(Kabat-Zinn, 1994)」

これはつまり、「すべてのことを迎え入れ、それをあるがままにしておく」ということです(北川, 2013)。マインドフルネスを応用した心理療法は、世界的に不安障害やうつ病に対して効果があることが示されています(Hofmann et al., 2010)。

マインドフルネスの脱中心化で焦燥感を緩和する

重要ワード① 脱中心化

このマインドフルネスの中でもキーワードになるのが「脱中心化」と言う概念です。脱中心化とは

「思考や感情を、自分自身や現実を直接反映したものとして体験したり、解釈するのではなく、それらを心の中で生じた一時的な出来事として捉えること」

と定義されています(Teasdale et al., 2002; 田中ら(2013)より)。これはつまり、自分が考えたり感じたことに巻き込まれないということです。

重要ワード② 自動操縦

この逆の概念としては「自動操縦」という言葉を使います。「自動操縦」とは、感情に巻き込まれて本来やるべきことができない状態です。例えば納期が迫っている時に、頭を抱えて「やばい!やばい!!」とパニックになっているような状態です。

焦燥感が強い時は、ついついその感情に自動操縦されて、やるべきことを見失いがちです。

重要ワード③ 感情の客観視

自動操縦状態の時は、うまく抜け出し、脱中心化できるようになると本来やるべきことを取り戻すことができます。ではどうすれば、自動操縦から脱中心化できるのでしょうか?

マインドフルネスに関連した日本の研究として、田中ら(2013)は、336名の大学生にアンケート調査を行い、マインドフルネス傾向や脱中心化を促進する要因を探りました。

その結果、「注意の制御=必要に応じて、集中したり、注意を切り替えたりする能力」が重要であることが示されました。

簡単に言うと、自動操縦から脱中心化に至るには、感情を客観視する集中力が大切だということです。

キャベツの千切 自動操縦、脱中心化

簡単に例えてみます。
あなたは料理のアルバイトをしています。
「あと3分で丸々1つキャベツの千切りをしなさい!!!」
と、身長180センチ、筋骨隆々の
店長からめっちゃ監視されているとします。

ここであなたが焦燥感に巻き込まれ、自動操縦されているとしましょう。「はやく切らなきゃ!怒られる」!と焦燥感に自動操縦されながら切るため、指を切りそうになってします。結果は雑な仕上がりになってしまいそうですね。

逆にちゃんと脱中心化できていれば、「焦っているな」と冷静に観察しつつ、「一定のリズムで切ろう、1、2、1,2」とやるべきことに集中できます。このように、焦燥感を観察しながら、やるべきことに集中しながら進めるのですね。

マインドフルネスは本格的にやると、2~3週間の訓練が必要なのですが、当コラムではお試しの簡単なやり方を紹介します。

焦燥感を緩和する3つの方法

マインドフルネスの施行法とワーク

ここからは、実際にマインドフルネス・トレーニングの手順を使って、脱中心化を行っていきましょう!

①焦燥感の確認
まずは自分が現状どんなことに焦燥感を持っているか?確認しましょう。

②心地よいイスに腰掛ける
呼吸に集中しやすくするための環境づくりをします。できれば明るすぎない、静かな場所で、座り心地の良いイスに腰掛けましょう。固い椅子よりは、クッションを入れた柔らかい椅子の方が適しています。

また、ベッドの上に座るのも良いですし、布団の上にリラックスした姿勢で座るのも良いでしょう。
*物理的にできない環境の場合は立ったままでもOK

③呼吸に注意を向ける
1分ほど、息を吸って吐くことにだけ意識を集中させましょう。吸って、吐いて、普段通りのペースで呼吸します。空気が入ってきて出て行く様子を感じ取ってください。
*時間がない時は10秒でもOK

④心に浮かんできた事を大切にする
焦燥感、不安、ネガティブな考えが浮かんできたら、それらを「観察」してみましょう。

その感情を持つことは自然なことと考え、心に浮かんできたことをそのまま観察する気持ちを持ってください。良し悪しなどの評価はしないことが肝心です。このようにまずは「呼吸」と「観察」を基本として脱中心化します。

⑤観察しながらやるべきことをやる(応用)

最後は仕上げとして、焦燥感を観察しながらやるべきことをやります。なかなか難しい言い方になってしまうのですが、「焦燥感」に自動操縦されて、行動するのではなく、「焦燥感」から脱中心化してやるべきことをやるのです。

焦燥感をマインドフルネスで改善しよう

施行法とワークはいかがでしたか。マインドフルネスは、呼吸に注意を集中させることによって、焦燥感や衝動性から解放されるための方法です。

いろいろな気持ちや雑念が浮かんでもそれらに巻き込まれない、脱中心化に至ることが大切です。練習を繰り返すことによって、焦りにくい自分に変わっていけるはずです。

次回の焦燥感コラムは、お悩み解決法についてご紹介します。

★焦りの高まりを呼吸でコントロール!受入れて焦燥感を解放しよう

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

*出典・引用文献・参考文献
Hofmann, S. G., et al. (2010) The effect of mindfulness-based therapy on anxiety and depression: A meta-analytic review. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 78, 169-183.
北川嘉野・武藤崇(2013)マインドフルネスの促進困難への対応方法とは何か. 心理臨床科学, 3(1), 41-51.
田中圭介・神村栄一・杉浦義典 (2013) 注意制御, マインドフルネス, 脱中心化が心配へ及ぼす影響. パーソナリティ研究, 22 (2), 108-116.



呼吸に注目して脱中心化を