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焦燥感を手軽な呼吸法で解消!トレーニング手順を解説

焦燥感の対処法「時間感覚キッチリレベル」を下げよう③

コラム①では、焦燥感について概観していきました。解決策は「①認知再構成法」「②時間感覚キッチリレベルを下げる」」「③お悩み解決法」「④マインドフルネス脱中心化」「⑤精神科・心療内科の受診」でしたね。

今回は、「②時間感覚キッチリレベルを下げる」について解説していきます。

時間感覚キッチリレベルとは

皆さんは「間に合わせなきゃ」という気持ちを感じたことはありませんか。おそらく、人間ですので誰しも一度は経験したことがあると思います。しかし、人によっては「絶対に間に合わせる!」であったり、「まぁ間に合えば儲けものかな」など、その焦燥感の強度は千差万別です。

この「間に合わせなきゃ」という気持ちの強さを、当コラムでは時間感覚キッチリレベルと呼びます。ここで、時間感覚キッチリレベルが「高い」「ふつう」「低い」人でそれぞれ比較してみましょう。

登場人物

①焦燥感が強いアセルくん

落ちつきを取り戻す

②冷静に行動するフツウくん

焦燥感 克服

③マイペースなグダグダさん

焦燥感に対処

状況:映画を寝坊

友人と12時に東京駅で待ち合わせをして、一緒に映画館に行く予定でした。しかし、当時寝坊してしまい、急げばギリギリ間に合う可能性がある状況です。遅刻してしまえば、映画も最初から見れなくなり、友人にも迷惑をかけてしまいます。

落ち着いて行動しよう
この状況下で「アセルくん」「フツウくん」「グダグダさん」の3人なら、どのような対応の違いがあるでしょうか。

考え方を比較してみよう!

①アセルくんの考え方
時間感覚キッチリレベル:80

落ちつきを取り戻す

「やばい上映時間に間に合わせなくては!」
「早くしないと、友人にがっかりされる!!」
「なんで、信号赤ばっかりなんだよ。」

②フツウくんの考え方
時間感覚キッチリレベル:50

焦燥感 克服

「途中からでも映画を楽しもう」
「ごめん少し遅れるとメールしよう」
「焦ってケガしたら元も子もない」

③グダグダさんの考え方
時間感覚キッチリレベル:20

焦燥感に対処

「別に映画見れなくてもいいや」
「もう少し寝て居ようかな…」
「行かなくていっか…」

以下に3人の状況を図で比較しました。

焦りを緩和

このように「アセルくん」や「グダグダさん」のように、時間感覚キッチリレベルが高すぎても、低すぎてもあまり好ましくありません。目指すはフツウくんのように適度な焦りを持ちつつ、冷静に対応することです。焦燥感が強い方はもともと時間感覚キッチリレベルが高い傾向にあるので、意識して下げることが大切です。

焦燥感を和らげる

では、実際に具体的にどのように時間感覚キッチリレベルを下げていけばよいのでしょうか。主な手順としては以下の通りです。

①時間感覚キッチリレベルを数値化
②自分の思考をチェックする
③現実的ではない場合は修正する
④時間感覚キッチリレベルの変化を確認

まずは自分の焦燥感に「気づく」ことが大切です。そこで、ファーストステップとして焦燥感を客観視するために数値化します。そして、期待とのギャップを修正していくという流れになります。具体例を交えてご紹介しましょう。

状況:初デートで20分寝坊

①時間感覚キッチリレベル :60
②思考:時間通りに到着しなきゃ
③修正:10分ぐらいなら遅れてもいい
③時間感覚キッチリレベル :40

このように、自分の焦燥感に気づき数値化することで、どれだけ落ち着いたのか客観的に知ることができます。焦りを和らげるためにも、自分を一歩引いた視点がとても重要なので、ぜひ意識していきましょう。

実践!ギャップを修正

それではここで、練習問題に挑戦してみましょう。以下の状況に対してギャップ思考を修正して、焦燥感を和らげていきましょう。

【状況】
あなたは、出版社でライターとして働いています。先日、機材トラブルが発生し原稿データが1部消えてしまいました。ひどい焦燥感が沸き起こり、焦れば焦るほどミスが増えてしまいます。そこで、落着きを取り戻すために、期待値のギャップを修正することにしました。

①時間感覚キッチリレベルを数値化

②自分の思考をチェックする

③現実的ではない場合は修正する

④時間感覚キッチリレベルの変化を確認

解答例
①時間感覚キッチリレベルを数値化
⇒時間感覚キッチリレベル:70

②自分の思考をチェックする
⇒思考:納期に間に合わせなきゃ

③現実的ではない場合は修正する
⇒修正:明日までに10ページ書けばOK

④時間感覚キッチリレベルの変化を確認
⇒時間感覚キッチリレベル:40

焦りに対処

ゆるさを身に付けよう!

練習問題はいかがでしたか。つい焦ってしまう方は「焦燥感を数値化」して客観的に見ることが大切です。焦って動作スピードを上げても、ミスが多くなり、かえって効率が悪くなることもあります。焦燥感がある方は、ぜひ期待値を下げて現実的な思考に修正してみてください。

次回は焦燥感を克服する「③お悩み解決法」について解説していきます。

★時間感覚キッチリレベルを下げて焦燥感を克服しよう

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目次

①焦燥感とは?-概観
②認知再構成法とは
③「期待値を下げる」がコツ
④「お悩み整理法」で落着きを
⑤焦燥感は脱中心化ワークで改善
⑥「精神疾患」が原因!?
⑦焦燥感簡易診断とチェック

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献・参考文献
Hofmann, S. G., et al. (2010) The effect of mindfulness-based therapy on anxiety and depression: A meta-analytic review. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 78, 169-183.
Kabat-Zinn, J. (1994). Wherever you go, there you are: Mindfulness meditation in everyday life. New York: Hyperion Books.
北川嘉野・武藤崇(2013)マインドフルネスの促進困難への対応方法とは何か. 心理臨床科学, 3(1), 41-51.
田中圭介・神村栄一・杉浦義典 (2013) 注意制御, マインドフルネス, 脱中心化が心配へ及ぼす影響. パーソナリティ研究, 22 (2), 108-116.