>
>
>
憂鬱な気持ちから立ち直る

憂鬱な気持ちから立ち直る「フィンク理論」②

コラム①では憂鬱になる原因の対処法をあげました。「①フィンク理論」「②リフレーミング」「③反すう思考を止める」「④やる気を高める」でしたね。今回は、憂鬱になる原因の対処法1つ目「フィンク理論」について解説していきます。

憂鬱の意味とは

誰でも仕事や恋愛などの人間関係でうまくいかない時、気持ちがズーンと落ち込んでしまい憂鬱になることがあるでしょう。そんな時は、

・マイナスに考えてしまう
・やる気が起きない
・誰にも会いたくない

など、七転八倒してしまういますよね。私もこれまでたくさんありました。。人生は長く続きます。その中で憂鬱な気持ちになることは避けては通れないと言ってもいいかもしれません。

・憂鬱の重要性

久保(2007)が幼児に行ったインタビューによると、憂鬱な経験を口で説明できたのは5歳児では25%ほどでした。ところが、6歳児になると、ほとんど全員の子どもが悲しい思いをした経験を語ることができました。

5~6歳頃になると、傷ついたり、誰かがいなくなってしまうと「悲しい」という感情を言語ができるようになります。憂鬱な思いがあるからこそ、傷ついていることを周りに理解してもらうことができます。悲しいという感情があるからこそ、「嬉しい」ことの意味をより深くできるのです。

そして、悲しいという感情を覚えることで他者の「憂鬱な」気持ちも読み取れるようになって、協調性などが生まれていくのです。私たちが人間関係を充実させるためには必要な感情だと言えます。

気持ちの回復プロセス

フィンクは心を整えるには、4つの段階があると考えています。

① 衝撃期
大切にしている人や物を喪失するなど、心に深い痛み経験した時、憂鬱な気持ちは様々な表れ方をします。
・毎日涙が溢れてくる
・罪悪感を抱く
・調子が悪い、食欲減退など
憂鬱な気分がとても強い時期です。

② 防衛的退行
まだ現実を受け入けとめられず、葛藤を経験します。失敗や挫折、喪失体験と向き合う時期です。

③ 承認期
心のダメージや喪失体験と向き合い、少しずつ気持ちに折り合いがついていきます。憂鬱な出来事を人に打ち明けることができるようになり、抑えていた悲しみが外に出せるようになります。

④ 適応期
徐々に穏やかさを取り戻し、趣味や新しいことを始めるなど、自分にとってポジティブになる活動を取り入れるようになっていきます。憂鬱な出来事を前向きに捉えて励みにしていきます。人には自然と憂鬱な気持ちから回復する力が備わっているのです。

 

強引に明るくする必要はない

特に悲しい出来事があり、受け入れがたいことがあったとき、人は憂鬱になることをいったん保留することがあります。特に①衝撃期、②防衛的退行の際に、「抑圧」という心の防衛機制が働くケースがあります。抑圧とは、本来なら落ち込むべきところを、心の深い部分にいったんしまっておくイメージです。

しかし、心の防衛機制にも上限があります。

憂鬱な気持ちを抑え込み続けるのは大きなエネルギーがいるのです。空元気で無理に心の底に感情を押さえつけると、「心身症」という病気になることがあります。心身症とは心の問題が体に影響を与えてしまうことです。

例えば、胃潰瘍になったり、月経不順などの症状が現れます。憂鬱な気持ちを、適切に処理せずにため込むと身体の健康を害してしまうことにもつながるのです。しっかりとした理由があれば、自然な流れとして気分が沈むことが大切なのです。

長期化させると様々な問題に

この点、衝撃期や防衛的退行で躓くと憂鬱が長期化することがあります。Sidneyらの悲嘆と死別に関するレビュー論文には、大切な人を失った悲しみの表れ方は人それぞれで、一瞬だけ憂鬱になることもあれば、何か月も気分の落ち込みが続くこともあるのです。

このように、憂鬱な気分が長続きししてしまうと、仕事や学校生活、健康など様々な面で悪影響が出ることがあります。

さらに、人間関係でトラブルになったり、失敗が増えたりして、憂鬱な気持ちに拍車をかけることになってしまう可能性があります。こうした状態を放置しておくと、適応障害やうつ病などの精神疾患を発症するリスクがあるため早めに対処する必要があるでしょう。

憂鬱から4つステップで改善!

このように、憂鬱な気持ちは立ち直りまでのプロセスを知っておくことで、不安が軽減されていきます。今の自分は今どの段階にいるのかを把握することで、対策もおのずの理解できます。

また、憂鬱な気持ちが長引いていると感じる人は、頑張りすぎずに早めに対処することが大切です。これからご紹介する方法をぜひ実践して、気持ちの整理を行っていきましょう!

次回は、憂鬱になる原因の対処法2つ目「リフレーミング」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★憂鬱なら気持ちの回復プロセスを知って不安を和らげよう

*出典・引用文献
久保ゆかり 2007 幼児期における感情表出についての認識の発達;5歳から6歳への変化. 東洋大学社会学部紀要, 44(2), 89-105.
Sidney, Z. et al 2009 Grief and bereavement: what psychiatrists need to know. World Psychiatry, 8, 67-74



フィンク理論を活用しよう