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憂鬱な気分が頭から離れない

憂鬱な気分が頭から離れない原因「反すう思考」を止める④

コラム③では、憂鬱になる原因の対処法「リフレーミング」をご紹介しました。マイナス思考になりがちな考え方の癖を修正してみてくださいね。今回は、憂鬱になる原因の対処法3つ目「反すう思考を止める」をご紹介します。

憂鬱がループする反すう思考

コラム①でご紹介した通り、頭の中で憂鬱な思考を繰り返し考えてしまうことを「ネガティブ思考反すう」と呼びます。反すうとは、牛が餌を消化するために何度も嚙んでは胃に戻す動きを意味します。反すう思考が強い人は、こうしたネガティブ思考を「反すう」してしまっているかもしれません。

憂鬱な気持ちが強い方は、マイナスな感情を何度も考え尽くしてしまうため、結果的にストレスの症状を引き起こします。「自分には価値がない…」「すべて自分が悪い」などのネガディブな反すうはメンタルヘルスを害してしまう恐れがあります。

また、失敗してしまうかもしれない」といったネガティブな反すうが不安を高めて、「不安障害」という心の病にもなると考えられています。完璧主義など極端な考え方の人はネガティブな反すうになりやすく、それが相手への敵意や怒りにつながる場合もあると言われています。

ネガティブ反すうに悩むスズキさん

ここで、ネガティブ反すうに悩むスズキさんの事例を見てみましょう。

一般企業に勤務するスズキさんは、職場で小さなミスをしてしまいました。いつもは怒らないな優しい性格の上司から「何やってんだよ!」ときつく当たられてしまいました。その後、スズキさんは

「なんでミスばかりしてしまうんだ」
「また、強く怒られるんじゃないか」

と何度も同じような不安がループしていました。帰宅している最中、ご飯をを食べている時・・・何回も上司の「何やってんだよ!」という恐ろしいイメージが思い起こされます。1度しか怒らていないのに、何十回も不安な気持ちを思い出してしまうのです。結局その日は、あまり眠ることができませんでした。

スズキさんのように、憂鬱な出来事を何度も頭の中で繰り返して考えてしまう方は要注意です。

憂鬱の反すうを止める3つのコツ

ここで、ネガティブ反すうを止める方法を3つご紹介します。

①憂鬱な気持ちをアウトプットする
ネガティブ反すう思考がある人は、憂鬱な気持ちを自分で抱え込みがちです。この場合、さらにネガティブ反すう思考を高めてしまうので、適度に外に出していくことがとても重要です。

アメリカのホークスマ氏の研究によれば、友人や家族からの援助(ソーシャルサポート)などを多くもらっている人は反すうが低く、抑うつ傾向も低いと結論づけられています。

つまり、家族や友人に憂鬱な出来事や悩みを打ち明けることで、ネガティブ反すうを軽減されるのですから、一人で抱えこまずに誰かに相談することが大切です。愚痴にもメリットがありと自分の中で悩みを打ち明ける人を何人か決めておくと良いでしょう。

②憂鬱な気持ちをそのまま観察する
「憂鬱な気持ちが頭から離れない!」
「怒られるかもしれない!」
「ミスをしたらどうしよう!」

と考えれば考えるほど、ネガティブ反すうは強くなっていきます。マインフルネス認知療法では、ネガティブな感情を客観的に捉えるトレーニングを行います。ネガティブ反すうに気づき、価値評価をせず、そのまま思考を観察するのです。

コツとしては、憂鬱な気持ちを雲の流れのような自然現象として観察してみることです。

「今ネガディブな考えが浮かんでいるな」
「憂鬱になっているな」

雲が遠くに消えていくまで、観察していくのです。「少し楽になってきたかな」と感じられれば成功です。

③今すべきことに取り組む
気分がリラックスしてきたら、次にその憂鬱な気持ちを抑えるのではなく、「今」すべきことに取り組むようにしましょう。例えば、仕事に打ち込んだり、勉強に精を出したり、趣味を楽しむのもいいでしょう。

憂鬱な気持ちを受け入れつつ「やるべきことをやる」という姿勢ですね。少し達観していると感じるかもしれませんが、(^^; これは森田療法と呼ばれる心理療法の考え方になります。

ポイントとしては、最初の1歩を踏み出すことです。例えば、仕事をするためにPCの前に座ってみる。電源は入れなくても構いません。これだで最初はOKです。少し休んで、行動できそうなタイミングで電源をONにする。人は行動するまでが一番大変なので、ちょっとでも手を付けること大切です。すると、憂鬱な気持ちを忘れて「やるべきこと」に取り組むことができるようになります。

3つ対処法で憂鬱を沈めてみよう!

それでは、実際に練習問題に行ってみましょう。以下の場面をイメージして、3つの方法で対処してみましょう。

練習問題
あなたは保険会社の営業マンです。昨日、商談がスムーズに進んでいるクライアントにお茶こぼしてしまいました。今回で成約が取るぞ・・・というプレッシャーが強くかかっていたので、動揺してしまい、謝罪の言葉もあいまいになってしまいました。すると「こんな非常識な会社の保険には入らない!」とクライアントを不快な気持ちをさせて、交渉も決裂してしまいました。それからというもの、仕事をしていても、家にいても繰り返してクライアントの怒りの声やイメージが何度も現れるようになりました。

 

①憂鬱な気持ちをアウトプットする

②憂鬱な気持ちをそのまま観察する

③今すべきことに取り組む

 

*解答例

①憂鬱な気持ちをアウトプットする
⇒家族に「自分の責任で、取れるはずの成約を落としてしまった…」と悩みを相談して、愚痴をこぼしてみる。

②憂鬱な気持ちをそのまま観察する
⇒「今自分ば憂鬱な気持ちになっているな」「やっぱりマイナス思考になっているな」と自分の気持ちや考え方を観察する。

③今すべきことに取り組む
⇒憂鬱がすべて晴れたわけではないけど、次の営業でしっかり成約できるように準備しよう

憂鬱ループから抜け出そう

練習問題はいかがでしょうか。ネガティブ反すう思考へ3つの対処法を習得することで憂鬱な気持ちにとらわれずに「今」すべきことに取り組むことができるようになります。

①憂鬱な気持ちをアウトプットする
②憂鬱な気持ちをそのまま観察する
③今すべきことに取り組む

でしたね。憂鬱な考えやマイナスな考えで頭がいっぱいになってしまい、仕事や勉強に身が入らない時があります。また、それによって自分を嫌いになってしまうこともあるでしょう。大切なのは、焦らずゆっくりと気持ちを整理していくことです。ぜひ、少し始めてみてください

次回は、憂鬱になる原因の対処法4つ目「やる気を上げる」についてご紹介していきます。

 

★憂鬱が頭から離れない時は3つの方法で克服!

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*出典・参考文献
・齋藤 路子,沢崎 達夫,今野 裕之 自己志向的完全主義と攻撃性および自己への攻撃性の関連の検討 : 抑うつ,ネガティブな反すうを媒介として  パーソナリティ研究17(1),60–71,2008–09–30
・伊藤 拓,竹中 晃二,上里 一郎 抑うつの心理的要因の共通要素 : 完全主義, 執着性格, 非機能的態度とうつ状態の関連性におけるネガティブな反すうの位置づけ  教育心理学研究53(2),162–171,2005–06–30
・ 村山 泰朗,岡安 コミュニティを対象とした反すうとストレッサーの相互関係が及ぼす抑うつの縦断的影響 孝弘行動療法研究40(1),13–22,2014–01–31