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憂鬱な気持ちの3つパターン!

憂鬱な気持ちの3つパターン!やる気を高めよう⑤

コラム④では、憂鬱になる原因の対処法3つ目「反すう思考を止める」についてご紹介しました。3つの方法て対策してみてくださいね。 今回は、憂鬱になる原因の対処法4つ目「やる気を上げる」について解説していきます。

憂鬱が克服できない3つの原因

近年、「勉強や仕事にやる気のない人が増えた」という話をよく耳にしませんか。憂鬱な日々が続く、何時間もダラダラしてしまう…こうしたやる気がでない状態を心理学では「無気力」といいます。

無気力な状態をアパシーと呼ぶことも多々あります。「やる気がでない」「何をするのも身が入らない」などのネガディブな印象が多いですね。ただ無気力で憂鬱になる原因は人によって違います。状況によっては心の病気にかかっていることも考えられるため、早めに原因を突き止める必要となります。

憂鬱でやる気がない状態については心理学や精神医学の世界で昔から研究が盛んです。まずは無気力を理解するためにいくつか見てみましょう。大きく分けると、
① モラトリアム型
② 学習性無力型
③ 精神疾患型

の3つに分類することができます。以下それぞれについて詳しく説明しましょう。

①モラトリアム型

モラトリアムとは、目標を喪失して、努力をする意味がわからなくなってしまった状況です。モラトリアムに近い意味としては、スチューデントアパシーや燃え尽き症候群という言葉もあります。

・スチューデント・アパシー
無気力症候群において、学生(特に大学生)によく発症する無気力症状。受験という大きな目標が突然なくなってしまったことで、一気にやる気がでない状態になります。次の目標を見い出せずに、モチベーションが上がらず憂鬱になってしまうのです。無気力症候群は、勉強や仕事などの特定の「本業」に対してやる気でない状態を表します。その勉強や仕事内容などやる気がでない物事の対象、年代によって呼び方が変わることがあります。

・全力を出して燃え尽きる
受験や就職活動、勉強や仕事、スポーツなどの、精いっぱい全力を出したけれど、期待通りの結果が得られない場合に発生する心理状態。これを「燃え尽き症候群」と言います。介護職や看護師に多い症状とされてきましたが、教員やホテルなどの接客業の人にもバーンアウトが生じることがあります。憂鬱の症状の経過や状態によってうつ病と診断されることもあります。

大野(1984)は「充実感」とEriksonのアイデンティティに関連があることを証明しました。モラトリアムの期間を脱して、アイデンティティが確立できた達成型グループは憂鬱な気持ちが低く充実感が高く、「日々自分らしく生きている」感覚にことが分かっています。

一方で、モラトリアム(アイデンティティ拡散型)グループは「毎日に楽しみがない・・」「虚無感がある・・」と毎日にやりがいを見いだせず、自分が好きな仕事を行う場合と、そうでない場合では、充実感に大きな違いが生まれてくるでしょう。少しずつ自分と向き合い、やる気を出せるようにしましょう。

②学習性無力感タイプ型

セリグマン(Martin E. P. Seligman)は「学習性無力感」という理論を唱えました。学習性無力感とは、努力していてもマイナスな結果が続く場合、「何をしてもも失敗するなら、やるだけ無駄だ」という気持ちが芽生えていき、遂には無気力で憂鬱な気持ちになってしまう心理のことを表します。学習性無力感がうつ病につながる一つの原因であることをセリグマンは発見しました。

カウンセリングをしている中で、
・頑張っても努力しても評価してもらえない
・婚活で何度もフラれてしまう
・働けど働けどお金が貯まらない
といった悩みを抱えた方がよく見られます。このような場合は学習性無力感であることが考えられます。

ミハイ・チクセントミハイは難易度やスキルによって、モチベーションが上がらない状態になることを示唆しています。下図はタスクの難易度とスキルがモチベーションにどのような影響を与えるかを表したものです。

難易度が高すぎて自分のスキルに見合ってないと憂鬱な状態になってしまいます。一方で、自分のスキルに対して簡単すぎる内容では、退屈で燃え尽き症候群になりやすくなります。右上の「フロー」とは、モチベーション保たれて作業に没入している状態です。難易度とスキルの適切なバランスが取れた時にフローを経験しやすいと言われています。

特に何度も挫折を繰り返して、自信を失っている場合は学習性無力感が強くなります。このような場合は、小さな成功体験を繰り返して少しつづ自信を取り戻していくで憂鬱から抜けだすことができます。

③精神疾患タイプ型

うつ病の一つの症状に「やる気がでない」というものがあります。この場合の憂鬱は、意欲のなさ、無関心がひどくなり日常生活に支障が出てしまいます。特に自分を責めることが多く「自分は無能な人間だ」と思いこんでしまい、負のループを発生させます。無気力症候群は特定の「本業」に対して表れる症状ですが、うつ病の特徴は日常生活全般が無気力になってしまうことです。

1960年代に笠原嘉は「退却神経症」という言葉を用いてで無気力を説明しました。退却神経症とは、あえて無気力になることで、つらい事柄から退却しようとする症状です。仕事や学業などで追い詰められた時に多く見られます。ある特定の場所のみで憂鬱なるのが退却神経症の特徴なので、「職場鬱」といった仕事だけに鬱症状が表れる症状に似ているといいます。

このようにやる気が出ないことが原因で憂鬱になっている場合は、無理矢理に「やる気をだそう」としても改善は難しいでしょう。心療内科や精神科の受診も視野に入れましょう。

憂鬱はやる気アップで解決!

ここまで、憂鬱から抜けだすためにやる気が出ない3つの原因をご紹介しました。「完璧主義者」「自分らしさの欠如」「体の不調」の3つですね。フローに入れる目標設定をして、アイデンティティを確立させ、規則正しい生活で憂鬱から抜けして行きましょう。

やる気を高める方法を知ることで、憂鬱で物事に集中できずに時間を無駄にすることもなくなります。はじめから全ての憂鬱を解決しようとせずに、少しずつ解決していくようにしましょう。

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今回で憂鬱コラムは最後となります。これまで読んでいただきありがとうございました。

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★ 憂鬱は3つのやる気アップ方法で解決!無気力状態に対処しよう

*出典・参考文献
・ミハイ・チクセントミハイ(2000)フロー体験 喜びの現象学
・対人援助職従事者におけるバーンアウトと感情労働の関係性について 49 事例分析を通した検討
・桜井茂男・大谷住子 完全主義は無気力を予測できるのか 奈良教育大学教育研究所紀要 1995,31, 171–175. 
・認知行動療法を学ぶ(2011,下山晴彦編 金剛出版)
・認知行動療法(1995,坂野雄二 日本評論社)
・川島書店 山口 創著  よくわかる臨床心理学