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挫折感を乗り越える4つの手順

挫折感を乗り越える4つの手順②

コラム①では「挫折」が生じる原因と解決策をあげました。解決策は「①認知療法の活用」「②リフレーミングで見方を変える」「③無条件の肯定ストロークを増やす」の3つでしたね。

今回は、挫折を乗り越える方法の1つ目「認知療法の活用」についてご説明します。

挫折感を強める認知のゆがみとは?

挫折感を抱きやすい人は、出来事を誤った価値観で判断してしまう事があります。

たとえば、
「自分はダメな人間だから昇給できない…」

「仕事でミスが多い自分は、上司に嫌われている」

「地方支店への赴任は自分に価値がないからだ」

当たり前に浮かぶような内容かもしれませんが、このような思考は現実的ではありません。

このような極端で偏った考え方を、心理学では「認知のゆがみ」と言います。

認知のゆがみは、物事を捉え方(認知)が歪みを起こしているため、物事を正しく捉えることができず挫折感を強めてしまいます。

気持ちは考え方で決まる

認知療法では、私たちの気持ちは「できごと」に対しての考え方で決まると考えています。

▼図にするとこのような流れです。

認知のゆがみに気づく方法挫折感を抱いているときは、「考え」に認知のゆがみが存在していることが多いです。

たとえば、仕事で次のような「できごと」があったとします。

海外への転勤を希望していあなたは、転勤条件のTOEIC800点以上を目指して勉強しました。しかし結果は700点…。海外への転勤ができなかった。

このようなできごとをどのように考えますか。

①「頑張って勉強した!
  次回またチャレンジしよう」

②「私はなんてダメな人間だ…」

③「みんな馬鹿にするだろうな。
  自分は必要とされない人間だ!」

②・③を選択した人は、認知のゆがみから強い挫折感を抱くかもしれませんね。

認知療法では、このような極端な考えや捉え方を現実的な考え方に修正することで、ツライ気持ちを緩和していきます。

ネガティブな思考を強める10のゆがみ

認知のゆがみは医師のアーロン・ベックが提唱し、その後デビッド・D・バーンズが10種類のパターンを挙げました。

・白黒思考
・べき思考
・過度の一般化
・選択的知覚
・マイナス化思考

・結論の飛躍
・誇大視と過小評価
・感情的決め付け
・レッテル貼り
・自己関連付け

この中で、挫折感につながりやすい「過度な一般化」「誇大視と過小評価」の2つを解説していきます。

挫折感を強める認知のゆがみを解説

1:過度な一般化
証拠もなく一部分だけをみて「(どうせ)いつも~になる」など法則や理論をつくり、善悪の判断をしてしまう捉え方です。

たとえば
「新規の商談はいつも上手くいかない」
「どうせ今度の上司からも嫌われる」

2:マイナス化思考
失敗は短所に対しては「当然」と考える捉え方です。ネガティブな出来事を進んで拾い上げる傾向があり、成功は「まぐれ」と思い無視してしまいます。

たとえば
「商談が成立したのはまぐれ。継続して注文をもらえない」
「企画が通らなかったのは当然」

挫折感をいただきやすい人は、この2つの認知のゆがみが無いかチェックしてみてくださいね。

認知のゆがみについてわかったところで、認知のゆがみを修正する認知療法の手順を具体的に見ていきましょう。

4つの手順で挫折の原因を修正

今回は、取り入れやすいように、4つの手順で認知のゆがみを修正する方法をご紹介します。

手順1:感情(気持ち)のメモ
手順2:認知を確認する
手順3:認知の歪みを修正
手順4:感情(気持ち)を再チェック

それではそれぞれの手順について、事例をもとに見ていきましょう!

手順1:感情のメモ

まずは、感情(気持ち)の大きさをメモします。事例を元に解説します。

<事例:会社員Aさん>
Aさんは資格取得を目指して、3年間スクールに通い時間を惜しまず勉強をしました。しかし、何度チャレンジしても不合格のため強い挫折感を抱いています。
 ↓    
挫折感(95%)
悲しい(60%)

このように挫折感の原因となる感情の大きさを分析してパーセントで表します。

手順2:認知を確認する

つぎに認知に、誤った考え方がないかを確認します。

先ほどお伝えした「過度な一般化」「マイナス化思考」は挫折を抱くときに現れやすいのでしっかりチェックしましょう。

手順1で出した感情に対して「なぜその気持ちになったのか?」と自問すると、自分の考え方をスムーズに知ることができます。

<事例:会社員Aさん>
Aさんの認知

 ↓   

何をやってもいい結果が出せない。
3年勉強して不合格なのは当然だ…。
なんて自分がダメな人間なんだ

このように挫折感を抱いているときは、認知のゆがみが存在することが多いでしょう。

手順3:認知の歪みを修正

認知のゆがみに気づけたら、修正していきましょう。

<事例:会社員Aさん>
Aさんの認知のゆがみ
「何をやってもいい結果が出せない。
3年勉強して不合格なのは当然だ…。
なんて自分がダメな人間なんだ」

 ↓   

「勉強法を見直してみよう。
3年も頑張ってこれたから合格は近い!
自分ならあきらめず頑張れる!」

このように、極端な考え方を柔軟な捉え方に修正することで、挫折していたネガティブな気持ちが前向きになりますね。

手順4:感情を再チェック

さいごは、手順1でメモした感情(気持ち)を再度確認します。

<事例:会社員Aさん>

修正前
挫折感(95%)
悲しい(60%)

 ↓

修正後
挫折感(40%
悲しい(30%

手順1と比較してパーセンテージが低くなっていたら、成功です。事例のAさんは大成功ですね!

もしパーセンテージが下がらない時には、時間を空けて再度チャレンジしてみてください。何度も練習すると、コツがつかめるようになります。

それでは、実際に練習をしていきましょう!

実践!挫折を乗り越えよう

それでは4つの手順で、認知のゆがみを修正する練習をしていきましょう。

▼改めて、手順はこちらですね。

手順1:感情(気持ち)のメモ
手順2:認知を確認する
手順3:認知の歪みを修正
手順4:感情(気持ち)を再チェック

ペンと、手帳や紙、スマフォのメモ帳などを用意しましょう。またワークシートも用意しましたのでご利用ください。

挫折感を緩和するワークの専用シートの画像

4つの手順で前向きに!

挫折を抱いたときには、その時の感情や考え方を4つの手順で丁寧に整理してみてくださいね。

認知療法では、紙に感情や思考を書き出すことを外在化といいます。外在化は、頭の中を支配しているストレスから距離をとって客観的に眺めるのに効果的です。外から自分の考えを見ることで状況を理解や、整理、新しい気づきにつなげることができます。

まずは自分自身を客観視することで、認知のゆがみを修正して強い挫折感から距離を置く習慣をつけて行きましょう。

次回は、挫折を乗り越える方法の2つ目「リフレーミングで見方を変える」についてご紹介します。お楽しみに!

★挫折を前向きに修正!自分の感情を書き出そう

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心理学講座

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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