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挫折経験は「リフレーミング」で前向きな心へ

挫折経験を乗り越える「リフレーミング」③

コラム②では、挫折経験から立ち直る心理療法のひとつ「フィンクの危機理論」を解説しました。自分の心の回復プロセスに任せて、挫折からゆっくり回復していきましょう。今回は、「リフレーミング」についてご説明します。

リフレーミングとは?

リフレーミングは心理療法の1つ「解決志向型アプローチ(Solution FocusedApproach :SFA )」 や家族療法で、頻繁に使われている技法です。自分が持っている1つの見方(フレーム)を別の見方に変えるため、
・1つの見方(フレーム)から抜け出し
・多面的な枠で考える
ことができます。挫折感を抱きやすい人は、物ごとを常にネガティブに捉える思考のクセがあるため、リフレーミングを習慣づけると、挫折経験から早く立ち直ることができます。

たとえば、仕事で大きな失敗をした状況で、以下のどちらの捉え方をしますか。

①失敗した
②今後に役立つ良い経験をした

リフレーミングで挫折経験を乗り越える

「①失敗した」と捉えれば
強い挫折感を抱きますが、

「②今後に役立つ良い経験をした」と考えれば
前向きな気持ちになります。

このようにリフレーミングすると、同じ物事でも受け止め方や感じ方が変わってくるのです。

5つのリフレーミング

挫折経験をしやすい人向けに、臨床現場でよく使う5つのリフレーミングをご紹介します。

①最悪の状況よりはマシ!
「いまの状況は、別の悪い結果よりは良い結果では?」と考えるリフレーミング方法です。物事の結果は、その時の状況で大きく変わります。また強い挫折感を抱くような悪い結果についても、実は最悪な状況ではないことがたびたびあります。「もっと悪い結果よりもOK!」と考えてみてください。

たとえば
「会社から支店への転勤辞令が出ました。先日の仕事のミスが原因にちがいない、自分は本当にダメな人間だ…」
と挫折感を抱いています。

【最悪の状況よりマシ!リフレーミング】
→職場は変わるけど、解雇や減給と比べたらマシ
→支店にはいくけど、職種が変わるよりマシ

このように最悪の状況と比較することで、挫折感を軽くできます。

リフレーミングの方法

②得られたものは何?
「もしかしたら得られたものがあるのでは?」と考えるリフレーミング方法です。自分にとってマイナスの状況でも、プラスの要素を見つけ出すことで見方を変えることができます。「プラスの要素があるのでは?」と考えてみてくださいね。

たとえば
「TOEIC800点を目指して一生懸命勉強したが、700点しか取れなかった。勉強漬けの毎日だったのに結果が出せない自分に強い挫折感を抱いています」

【得られたものは何?リフレーミング】
⇒目標に向けて努力したことは仕事に活かせる。
⇒今回の努力は次回の試験に活かせる!目標達成は近い。

このようにプラスの価値を見つけることで、マイナスの捉え方をプラスに変えることができます。

③平気な人の思考は?
「こういった挫折が平気な人ならどう考えるかな?」と自分に問いかけるリフレーミング方法です。出来事が同じでも、感じ方は人によって異なります。「前向きな〇〇さんならどう思う?」と考えてみてください。

たとえば、
「大切な大会でミスをしてしまった。チームは敗退し、全国大会の夢もかなわなかった…。いつも自分は大切な場面で、失敗をしてしまう」
と挫折感を抱いています。

【平気な人の思考は?リフレーミング】
⇒Aさんならいいところもあった!と思うかな
⇒bさんなら精一杯頑張った!と思うかな

反省することは大切ですが、自己嫌悪に至っては挫折感を強めてしまいます。辛い状況でも平気な人の思考をイメージしてリフレーミングしてみましょう。

挫折感を軽くする考え方

④挫折経験を受け入れる
「人生は試練があるからこそ、学びがある」という思考で、出来事をプラスに受け入れていくリフレーミング方法です。人生では、苦しい事や辛い状況を避けては通れなません。そんな時には強い挫折感も抱くこともあるでしょう。生きていく上で苦しい状況は避けて通れない!という考えのもと、挫折経験を受け入れて、人生の糧としていくのです。

⑤例外探し
厳密にはリフレーミングではありません。ただし、近い働きがあるので合わせてご紹介します。例外探しは、出来事の中にある、プラスの面を探していく方法です。挫折感が強い時には、マイナス思考から偏った考え方になりがちです。そこで、意識してプラス面(例外)を探して挫折感を乗り越えていきます。

例えば、
「模試の結果がまた悪い…自分は全くダメだ」
例外探し
少しでも良かった部分はなかったかな?

「恋人と別れた原因は全て僕にある」
例外探し
本当に全部?何%かは相手に原因はあったのでは?

このように例外を探すことで、偏った考え方を修正することができます。挫折経験からポジティブな思考がなかなかできない場合は、例外探しを実践してみましょう。

リフレーミングで挫折を乗り越える

フレームを変えて挫折感を軽減

ここでは、挫折感を軽減するリフレーミングの考え方を例題で見ていきましょう。

例題1
「大切なプレゼンの前日にインフルエンザになってしまい、当日会場に行くことができなかった。プレゼンはうまくいったが、いつも大切な時に体調が崩れてしまう自分は何てダメなんだと…思っています」

挫折感が強い時

①最悪の状況よりはマシ!
→プレゼンに行けなかったけど、当日急に行けなくなるよりはマシ

②得られたものは何?
→体調は崩したけど、事前準備で当日はうまくいった

③平気な人の思考は?
→いつも前向きなAさんなら、体調悪いのにやり遂げた自分はすごい!と思うだろう

④挫折経験を受け入れる
→体調管理も大切だけど、適切な対処ができた。今後気を付ければいいだろう。

⑤例外探し
→体調は気を付けていても、崩すことがある。なんだかんだ乗切っているからよしとしよう!

例題2
「これまでの仕事が評価され、本部の部署で大変やりがいのある仕事を任されたが、結果がでないため会社からの評価が下がってしまった。できないながら一生懸命に取り組んでいるが、結果を出せない自分は何てダメなんだ…と思っています」

リフレーミングの練習

①最悪の状況よりはマシ!
→クビになるよりマシ

②得られたものは何?
→新たな業務取り組めたことはとても貴重な経験

③平気な人の思考は?
→周囲の評価を気にしないAさんなら、これまでの仕事は自分にあっていなかったんだろうと思うかな。

④挫折経験を受け入れる
→やりがいはあったが、レベルの高い業務だった。自分の今のレベルが分かってよかった。今後の仕事に活かそう。

⑤例外探し
→結果は出せなかったけど、一生懸命取り組んだ過程でのスキルアップや人付き合いの幅が広がったことは大収穫だった。

挫折経験を乗り越えよう!

挫折経験でツライときには、ご紹介したリフレーミングで気持ちを前向きにしていきましょう。リフレーミングの基礎は「他の人ならどう考えるだろう?」です。自分の気持ちを客観的に捉えることができると、ネガティブな気持ちの緩和が自然とできるようになりますよ。見方を広げて挫折感を乗り越えていきましょう!次回は、「認知療法」についてご紹介します。お楽しみに!

★挫折経験は捉え方を変えて乗り越える!

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心理学講座

コメント

1件のコメント

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    • NO NAME
    • 2019年9月18日 8:55 AM

    ・リフレーミングしても「強引」「傲慢」等と言われる人の場合
    ・リフレーミングしても長所に100%の根拠がない場合
    ・人として致命的な欠点がある場合
    ・味方が誰もいない場合
    はどうすればいいのでしょうか?
    私は能力も長所も信用も全くなく致命的な欠点だけしかない為に誰からも非難されてきてしまいました。私の場合仮にリフレーミングで長所を見つけても「嘘つき!!」と非難されるだけです。

    0

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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