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挫折感は「認知療法」で乗り越える

挫折感を乗り越える「認知療法」④

コラム③では、多角的な捉え方ができる技法「リフレーミング」についてご紹介しました。5つのテクニックを使ってプラスの捉え方を習慣づけてくださいね。今回は、「認知療法」についてご説明します。

挫折感が強い人の特徴

挫折感を抱きやすい人は、自分自身を過小評価しがちという特徴があります。

たとえば、
「自分はダメな人間だから昇給できない…」
「大学に落ちたから自分には学力がない」
「いつもフラれて全然モテない」

など、挫折感を抱きやすい人は一つのことがダメだった場合、全部がダメだと評価しがちです。失敗によってネガティブな感情にばかり目が行き、結果的に自分自身を過小評価してしまうのです。

挫折感を過小評価過小評価で自分をおとしめてしまうと、挫折経験から立ち直れなかったり、次にチャレンジする勇気がなかなか出なかったりします。この挫折によって「過小評価」してしまう傾向は、偏った考え方として捉えられます。

挫折感は考え方で決まる

この偏った考えは修正が可能です。修正する方法として、「認知療法」がよく使われます。認知療法とは、1960年代ごろに、様々な心理療法家によって作られた技法で、世界的に効果が認められているメンタルヘルスの手法です。

挫折感が強くてつらい場合は、認知療法で考え方を修正していきましょう!これから、挫折感に対処するための認知療法を具体的に紹介していきたいと思います。

認知療法では、私たちの気持ちは「できごと」に対しての「考え」で決まると考えています。

▼図にするとこのような流れです。

認知のゆがみに気づく方法挫折感を抱いているときは、「考え」に認知のゆがみが存在していることが多いです。たとえば、仕事で次のような「できごと」があったとします。

海外への転勤を希望していあなたは、転勤条件のTOEIC800点以上を目指して勉強しました。しかし結果は700点…。海外への転勤ができなかった。このようなできごとをどのように考えますか。

①「頑張って勉強した!
  次回またチャレンジしよう」

②「私はなんてダメな人間だ…」

③「みんな馬鹿にするだろうな。
  自分は必要とされない人間だ!」

②・③を選択した人は、自己評価が低く強い挫折感を抱くかもしれませんね。

認知療法の考え方認知療法では、このような極端な考えや捉え方を現実的な考え方に修正することで、ツライ気持ちを緩和していきます。

挫折の原因を修正

今回は4つの手順で、過小評価を修正する方法をご紹介します。手順を以下の通りです。

手順1:感情のメモ
手順2:過小評価を確認する
手順3:過小評価を修正
手順4:感情の再チェック

それではそれぞれの手順について、事例をもとに見ていきましょう!

手順1:感情のメモ

まずは、感情(気持ち)の大きさをメモします。

<事例:会社員Aさん>

Aさんは簿記の資格取得を目指して、1年間スクールに通い時間を惜しまず勉強をしました。しかし、結果は不合格だったため強い挫折感を抱いています。 
 ↓    
挫折感(95%)
悲しい(60%)

このように挫折感の原因となる感情の大きさを分析してパーセントで表します。

挫折感の書き出し方

手順2:過小評価を確認する

次に強い挫折感から、自分自身を過小評価していないかを確認します。

<事例:会社員Aさん>

Aさんの考え
 ↓   
・不合格になるなんて頭が悪い
・勉強しても無駄だった
・なんて自分はダメな人間なんだ

このように挫折感を抱いているときは、自分自身を過小評価していることが多いでしょう。

手順3:過小評価を修正

過小評価していることに気づけたら、修正していきましょう。

<事例:会社員Aさん>

Aさんの過小評価
・何度も不合格になるなんて頭が悪い
・勉強しても無駄だった
・なんて自分はダメな人間なんだ

 ↓   

・勉強法を見直したら合格は近いかも
・自学自習の習慣がついた
・勘定の仕分けの知識が身についた

このように、過小評価していることに気づき考えを修正していければ、挫折経験からくるネガティブな感情も前向きに変わっていきます。

手順4:感情を再チェック

さいごは、手順1でメモした感情を再度確認します。

<事例:会社員Aさん>

修正前
挫折感(95%)
悲しい(60%)

 ↓

修正後
挫折感(40%
悲しい(30%

手順1と比較してパーセンテージが低くなっていたら、成功です。事例のAさんは大成功ですね!

挫折感のチェックもしパーセンテージが下がらない時には、時間を空けて再度チャレンジしてみてください。何度も練習すると、コツがつかめるようになります。それでは、実際に練習をしていきましょう!

挫折経験を乗り越えよう

それでは4つの手順で、「認知のゆがみ」を修正する練習をしていきましょう。改めて、手順を確認しましょう。

手順1:感情のメモ
手順2:過小評価を確認する
手順3:過小評価を修正
手順4:感情の再チェック

ペンと、手帳や紙、スマフォのメモ帳などを用意して進めましょう。またワークシートも用意しましたのでご利用ください。

挫折感を緩和するワークの専用シートの画像

4つの手順前向きに修正

挫折の経験をしたときは、考え方がネガティブになり自己評価も低くなってしまいます。自分自身を過小評価ばかりしていると、立ち直りが難しくなってしまいます。そんなときには、過小評価している考えを、4つの手順で丁寧に整理してみてください。偏っている考え方を見直してみると、気持ちがポジティブな方に向いていきます。すると、行動も前向きになり挫折経験を克服できるようになっていきます。次回は、「ストローク法」についてご紹介します。お楽しみに!

★挫折経験を前向きに修正!自分の感情を書き出そう

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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