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絶望した時の抑うつ・不安を解消!心の安定を保つコツ

絶望した時の抑うつ・不安を解消!心の安定を保つコツ④

コラム③では、絶望感を引き起こす原因の2つ目「破滅的思考」について解説しました。今回は原因の3つ目「自分ひとりで問題を抱え込む 」を解決するためのコラムです。

問題の抱え込むと絶望感が加速する

「誰かに相談したい!」という思いがあっても、悩みを言えない人はたくさんいます。人に自分の本音を見せることが恥ずかしかったり、抵抗がある人もいるでしょう。また「人に迷惑をかけてしまうのでは…」という思いから、自分ひとりで問題を抱えこんでしまう場合もあります。

絶望を抱え込むそもそも私たち人間は、社会的な動物のため助け合って生きのびてきた生き物です。ですから問題を一人で抱え込んでしまう事は、ツライ出来事に一人で立ち向かっていくような厳しい状況となります。そのため孤独感や寂しさなど、ネガティブな気持ちが強くなり、絶望感を加速させてしまいます。

自分ひとりで抱えている問題は、周囲に相談して受止めてもらうことが、絶望感を解消する有効な方法のひとつなのです。

ソーシャルサポートとは?

ソーシャルサポートとは、「社会的関係の中でやりとりされる支援」のことを意味します。具体的には、自分を取り巻く環境の中で、家族や友人、同僚や専門家、地域社会などから受けられる援助のことです。具体的には、以下の4つの種類があります。

情緒的サポート:共感するなどの心のケア
情報的サポート:生活に関するアドバイスや情報の提供
道具的サポート:金銭や物質的な直接的な援助
所属的サポート:ボランティアなどの社会的な活動を共に行う

・相談して抑うつや不安を解消する!

ソーシャルサポートは、ストレス反応を抑制するという報告もあります。

石毛・無藤(2005)は、中学生を対象に精神的健康とレジリエンス(回復力)、ソーシャルサポートの関連について研究を行いました。女子中学生における結果は、以下のように報告されています。

ソーシャルサポートの効果

 この結果から、次のことが分かります。

母親からのソーシャルサポートが高いと、抑うつや不安が低くなる。

友達からのソーシャルサポートが高いと、抑うつや不安が低くなる。

つまり悩んだとき、誰かに相談することで、抑うつなどを解消することができます。絶望するような問題に直面したときには、周囲への相談が有効な方法といえます。

・想像以上に人は助けてくれる

絶望感を強める不安やうつ症状の回復に、ソーシャルサポートが有効だとわかっても、これまで自分ひとりで絶望感と戦ってきた方が、周囲へ相談することは難しいかもしれませんね。

しかし逆の立場になって考えてみてください。友人や同僚から、相談を持ち掛けられたら、どんな対応をしますか。おそらく相手の話をしっかりと聴き、気持ちに寄り添った行動をするのではないでしょうか。ここでひとつ研究をご紹介しましょう。

ヴァネッサ・ボーンズ(2008)は、大学生53名に町中で見知らぬ人に「携帯電話を貸してください」とお願いしてもらいました。被験者の予測は「10人に1人応じてくれる」でしたが、結果は「平均6人に1人」のペースで、携帯電話を貸してくれたのです。

このように困ったときには、想像以上に周囲はサポートしてくれるのです。この研究では、見知らぬ人に助けを求めていますから、友人や家族に相談すればもっと高い確率でサポートを受けることができるでしょう。

「絶望感から抜け出せなくてツライ…」そんな悩みを一人で抱え込んでしまっている人は「苦しい時はお互い様!」という意識を持って、周囲に相談をもちかけてみましょう。

絶望感を解消!ソーシャルサポートの具体例

ここで、ソーシャルサポートの具体的な方法を見ていきましょう。自分が一番始めやすい方法から実践して絶望感を軽減していきましょう。

ソーシャルサポートを利用しよう

・無条件で相談できる人に甘えよう
対人関係で、無条件で自分を勇気づけたり、励ましてくれたりする人はいませんか。迷惑にならない程度に話を聞いてもらいましょう。

まず第一候補は、家族になります。お父さんやお母さんに話を聞いてもらいましょう。また兄弟姉妹に相談するのもいいでしょう。そして信頼のおける、友人や大切な人、教師などへの相談も精神的安定が図れるため、絶望感が強い時には、相談してみましょう。

・知人以外に相談するのもOK
知り合いへの相談に抵抗がある方は、ネットのお悩み相談室や公的機関を利用するのもいいでしょう。

最初は勇気がいるかもしれませんが、意外と話を聞いてくれる方は多いと思います。全員とは言いませんが、何人かに声をかければ、必ず優しい言葉をくれる方がいるはずです。

・専門家への相談が早道の場合も
絶望感が強く「周囲に相談できない……」と言う場合は、専門家のソーシャルサポートを利用するのもいいでしょう。通いやすい場所にある、心療内科で医師、看護師、臨床心理士がそろっているとより安心して相談ができると思います。

ソーシャルサポート活用の注意点

絶望感から回復するために、活用したいソーシャルサポートですが、限られた対人関係に依存することは、おすすめできません。一人に何度も同じ相談をすると、不快に思う人がいたり、ストレスを感じたりする人もいるでしょう。対人関係でトラブルをつくらないソーシャルサポートの活用がとても大切です。

1:複数の人間関係を持とう
ソーシャルサポートは、複数の人間関係から少しずつ受けるのが理想です。複数のソーシャルサポートをもつと、どこかの環境でトラブルが起きても、他の人間関係で支えてもらうことができます。可能であれば3つのソーシャルサポートを持っておくと、安定したサポート体制を構築できます。

2:3つのポイントで相談しよう
絶望感を一人で抱え込まないよう、相談する際には3つのポイントを意識してみてください。

ポイント1:相談する人を間違えない
→口が軽い人やあまり深刻な話を受け止められない人は避ける

ポイント2:まずは軽く相談する
→いきなり深刻な内容じゃなく、前置きを入れて和らげる。深刻な悩みを相談するときは、あらかじめ許可をもらう。

ポイント3:解決を急がない
→1度で解決しようと急ぎすぎても空回りしてしまうでしょう。悩みを他者に話すだけでも内容が整理され、それ自体に効果はあります。

まずは、以上に注意して1人で問題をため込みすぎない、ソーシャルサポートを使っていきましょう。

事例でチェック!ソーシャルサポート活用

ここで事例をもとに、ソーシャルサポートの活用を見ていきましょう。

<事例>
コラム2で使用した高校生のAさんの例を用います。第二志望に進学することになったAさんは、新生活の準備をしています。しかし、

「第一志望に受からなかったことを受け入れることができない」
「Aさんは希望が見えない絶望状態を一人で抱え込んでいる」

この状況をAさんは、ソーシャルサポートを利用して問題解決をすることにしました。この状況を友人に相談する場合と両親に相談する場合で、みていきたいと思います。

ソーシャルサポートを利用する

・友人に相談する場合
A さんは、良い相談のコツを意識して

ポイント1:相談する人を間違えない
→親友のBさんに相談する。Bさんは、秘密を守ってくれて否定せずに聞いてくれる。

ポイント2:まずは軽く相談する
→まずは軽く悩みに相談をする。深い悩みを聞いてほしい時は、前置きをする、「実は悩んでいいることがあって…聞いてもらえるだけでいいんだけど話してもいい?」相手がOKそうか確かめる。

ポイント3:解決を急がない
→うまく相談しようと思わず、素直に自分の気持ちを話す。

Bさんに相談した結果、Aさんは次の言葉で励ましてもらうことができました。

「時間がたつにつれて状況を受け入れられるようになる」

「Aさんなら第二志望の大学で十分充実した生活を送れると思う。」

A さんは、Bさんが自分のことのように考えてくれたことで一人ぼっちのような気持ちが和らぎ、絶望していた気持ちが緩和されたように思えました。

友人に相談する

・両親に相談する場合
Aさんは、今の状況を両親にも相談しました。

ポイント1:相談する人を間違えない

→一番身近にいる両親に今の気持ちを相談しました。

ポイント2:内容は深刻すぎないように気をつける

→Aさんの家は、休日に家族でリビングに集まりお茶を飲む習慣がありました。Aさんはその週にあった他の話もしながら、その時間に相談しました。

 

ポイント3:解決を急がない

→すぐに問題を解決するアドバイスを求めるのではなく、両親にも素直に今の気持ちを話しました。

両親に相談した結果、Aさんは次の言葉で励ましてもらうことができました。

「今回の経験は資格試験や今後の就職に役立てられる」

「第二志望に合格したこともすごいことだ」

Aさんは、自分よりもたくさんのことを経験している両親に相談できたこともプラスの経験になりました。

 

両親に相談する

いろいろな人の力を借りて問題解決!

ソーシャルサポートを活用した絶望感の緩和方法をご紹介してきましたが、いかがでしたか。ソーシャルサポートで絶望感の回復を目指す場合、すぐにツライ気持ちがなくなるわけではありません。しかし一人で抱え込む必要がないことが実感でき、サポートを必要とする状況を周囲に知ってもらうことができます。

一人で問題を抱え込みすぎると心身の不調につながる恐れがありますから、絶望状態でどうすれば良いかわからないというときには、ぜひソーシャルサポートを利用してみてください!

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「相手の気持ち」コラムにお付き合いしていただき、ありがとうございました!相手の気持ちがわからないことは、決して特別なことではありません。むしろ、誰にでも思い当たることがある悩みかもしれません。

ちょっとしたコツをつかんで、相手がさりげなく出しているサインに目を向けてみましょう。あなたが相手の気持ちを理解し、信頼し合える人間関係を築けるようになることを応援しています。まずは、ご紹介した対処法や練習問題をやりながら、日常生活の中で意識してみてください。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

心理学講座

コメント

1件のコメント

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    • NO NAME
    • 2019年9月30日 6:35 AM

    失敗してしまって誰にも相談できず失敗したことを毎日考えています。今後どうすれば良いでしょうか。

    0

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
石毛みどり, & 無藤隆. (2005). 中学生における精神的健康とレジリエンスおよびソーシャル・サポートとの関連. 教育心理学研究, 53(3), 356-367.
神谷慶, & 幸田るみ子. (2016). 大学生の抑うつにおける自動思考とネガティブな反す
If You Need Help, Just Ask: Underestimating Compliance With Direct Requests for Help  Journal of Personality and Social Psychology 95(1) · August 2008 with 139 Reads Vanessa Bohns