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自分が嫌いすぎる時に対処しよう

自分が嫌いすぎる時


自分が嫌いすぎる時は「社会的サポート」を受けよう④

「自分が嫌い」を周りの人と克服!

コラム③では、自分が嫌いになった時の対処法の1つ「アイデンティティの確立」についてご説明しました。今回は、自分が嫌いの3つ目の原因「ソーシャルサポートが少ない」への対処法について解説していきます。

ソーシャルサポートとは?

コラム①でご説明した通り、水間(1996)は、自己嫌悪尺度を作成する際に、孤独感を要素の1つとして取り入れています。孤独感が強く、人間関係が充実していない人は自分が嫌いという気持ちになりやすいのです。そのため、改善する上では「ソーシャルサポート」を受けることが重要です。

ソーシャルサポートには、4つの種類があります。
1.情緒的サポート・・慰め、共感など感情面を支えてくれるサポート
2.情報的サポート・・アドバイスや解決策などの情報を教えてくれるサポート
3.道具的サポート・・物理的に手伝ってくれるサポート
4.評価的サポート・・正当な評価をしてくれるサポート

いかがでしょうか。こうしたサポートを受けられている実感はありますか?

ソーシャルサポートで自信が持てる

細田ら(2009)では、中学生305名を対象に、自分が嫌いとは反対の概念である「自己肯定感とソーシャルサポートの関連」を調査しています。そこでは、友人のソーシャルサポートを持っていると感じている群の方が、サポートを持っていないとする群と比較して自己肯定感が高いということが分かりました。

この棒グラフはサポートがあると感じている群の方が自分に自信を持てているという結果を示しています。もちろん自分に自信を持てている方が、「自分が嫌い」という気持ちを感じにくいですよね。

このことから、「自分が嫌い」という気持ちを和らげるには、周囲からのサポートをうまく活用していくことが大切です。簡単に言うと、助けてもらえる関係になれそうな人を見つけて、実際に自分のサポーターなってもらうということですね。今回はこのソーシャルサポートを利用して自分が嫌いという気持ちに対処していく方法についてご紹介します。

自分は無能だと思い込んでいた平山さんの事例

今回も私がカウンセリングを対応をした事例をお話しします。平山さんという方がでした。30代前半の女性の方で、働きすぎで体調を崩された時、今後の働き方についてご自身と向き合ったう目的で来室されました。話をお伺いしてると、これまで輝しいキャリアをお持ちの方だと伺えました。

しかし、平山さんご自身は、

「私は人一倍仕事ができない」
「プロジェクトを放棄してしまった」
「自分が無能だからうまくいかないんだ」

と、自分が嫌いという感覚をかなり強くお持ちのようでした。

しかしお話のなかで、「仕事ができない」という点を深く聞いてみると、「これくらいは1人でできないと失格など思う」という言葉が繰り返し出てきました。平山さんはすべて1人で抱え込んでしまうタイプで、今回の体調が悪くなったのも、かなりの量の仕事を1人で抱えていたことに原因があると見受けられました。

そこで私は、『平山さんは1人で頑張っていたようですが、実は力になってくれる人はいたのでは』と伝えると、「確かにその通りだと思います。でもどうしても抱え込んでしまって・・」とお話されていました。

すると平山さんは、

「上司の○○さんも心配していた」
「同僚の○○さんも相談に乗ってくれていたな」

と身近な人のサポートを思い出し始めました。

その後平山さんは、職場の人とコミュニケーションを取ることが増えてきました。楽しく会話をすることができているようです。仕事に関わる情報もいろいろと交換することができるようになりました。すると、同僚との話の中で、以前平山さんができなかった「プロジェクト」は、

「誰がやっても困難なプロジェクトだ」
「ただ平山さんなら何とかしてくれるかもしれない」

という期待のもとで任されたという事が分かりました。その話を聞いた平山さんは、気持ちが楽になり、少し自信が芽生えたようでした。

「もし相談してくれれば、自分も少しは力になれたかもしれない」

と同僚が話してくれたそうです。平山さん自身も

「早めに助けを求めてもよかったのかな」

と少し後悔なさっていました。それからというもの平山さんの働きぶりは変わり、協力関係を作りながらプロジェクトをこなしてくいようになりました。あれから数年の月日が経ちましたが、今も元気で楽しくお仕事を続けられています。平山さんのように、周りのサポートを得ることができると、自分が嫌いという気持ちを減らすことができます。さらに上手くいけば「自信」まで身につくようになるのです。

身近な社会的サポートを考えよう

それでは、実際に自分のサポートについて考えていきましょう。平山さんの事例のように、あなたの身近なところで力になってくれる人を探していきましょう。

質問①
あなたをサポートしてくれそうな人を挙げてみましょう。思いつく限り挙げてみてください。


 

解答例(平山さんの場合)

・交際しているパートナー
・学生時代の友達のAさん・Bさん
・前職の同僚で現在も交流があるCさん
・現在の職場の同僚Dさん
・現在の職場の直属の上司Eさん

質問②
質問①で、それぞれ挙げた人はどんなことで力になってくれますか?整理してみてください。周囲のサポートの状況を確認して自己嫌悪に対処しよう

解答例(平山さんの場合)サポートしてくれる周囲の状況

自分が嫌いな時は「サポート」が必要

今回は「ソーシャルサポートが少ない」に対処する方法をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。意外と身近なところに、力となってくれる人はいるはずです。周囲からのサポートが得られれば自分が嫌いになる機会も減り、困難なことにも立ち向かえるようになります。

今の状況を冷静に判断して、人との関わりを整理していくことであなたの周囲に存在するの社会的サポートを発見できます。それがあなたのパワーになりますよ。

次回のコラムではまとめをしていきます。しっかりと振り返って、日常生活に生かしていきましょう。

★自分が嫌いな時は「周囲にいるサポーター」に目を向けよう!

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*出典・参考文献
マンガでやさしくわかるレジリエンス 日本能率協会マネジメントセンター 久世浩司(2015)
カウンセリングとソーシャルサポート-つながり支え合う心理学 ナカニシヤ出版 水野 治久・谷口 弘一 ・福岡 欣治・古宮 昇(2007)
自己嫌悪感尺度の作成 教育心理学研究 44 296-302 水間玲子(1996)
青年期における「疎 外感」の発達と適応との関係 教育心理学研究 4 297-305 宮下一博・小林利宣(1981) 
中学生におけるソーシャルサポートと自他の肯定感に関する研究 教育心理学研究 57 309-323 細田絢・田嶌誠一(2009)



社会的サポートで自分が嫌いを克服!