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自尊感情がない問題点

自尊感の不足がもたらす心理的問題③

コラム②では、自尊感情の意味や定義について解説していきました。簡単に言えば、自分を肯定的に捉える評価のことという定義でしたね。

今回は、自尊感情の不足がもたらす心理的問題についてお伝えしていきます。

自尊感情不足の問題

自尊感情が低下する悪影響がと言えば、自己主張ができなくなったり、行動できなくなるなどがイメージしやすいかと思います。では、実際の心理学研究ではどのような結果が出ているのでしょうか。

桜井(2000)の研究では、大学生361名を対象に自尊感情尺度の作成が行われています。尺度とは、基準のことで自尊感情を測定するものとして考えてよいでしょう。

この研究で自尊感情とマイナスの相関関係がある要素がいくつか抽出されています。下記の図をご覧ください。

このように、自尊感情が低いと「恥ずかしがり」「不機嫌」「不安」「自分は無力だと考える」といった特徴がありそうです。

確かに自分を尊重できていないと、上記の4つの傾向があらわれるのは感覚的にも分かりやすいかと思います。もし、シャイが激しい、怒りやすい、不安になりやすい、無力感があるという方は自尊感情の低下が関係しているかもしれません。

自尊感情と傷つきやすさ

自尊感情について、心理学の世界ではさまざまな研究がなされてきました。その中でも、松田(2006)は自尊感情の脆弱性(弱さ)について以下のような報告をしています。

自尊心

この表からわかることは、「自尊感情の脆弱性」は

  1. 「ミスを過度に気にする傾向尺度」において有意な相関がある。
  2. 「完全でありたい欲求尺度」において有意な相関がある。

ということです。このことについて松田(2006)は、

「自尊感情の脆弱性が高いということは、ネガティブな出来事あるいは事態に遭遇することによって、自分自身に尊ぶ気持ちが傷つく程度が強いことを意味する。」

としています。つまり、自尊心が弱いとネガティブな体験に遭遇した時に、さらに自尊心が傷ついてしまうということですね。

自尊感情の低下を抑えよう!

このように、自尊感情が低いままだと心身ともネガティブな問題が発生します。完璧主義になったり、怒りっぽくなるなど、人間関係で取り返しのつかないトラブルを起こす可能性も考えられます。

ぜひ、これからご紹介するコラムで自尊感情を高めていきましょう。

★自尊感情の低下は、メンタルを悪化させる
人間関係講座

目次

①高める方法-概観
②意味・定義とは
③不足の心理的問題
④高めるメリット
⑤高める3つの方法

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
松田 信樹 2006 自尊感情の脆弱性―尺度作成の試みー 日本心理学会大会発表論文集 2006,70,2EV012.
桜井 茂男 2000 ローゼンバーグ自尊感情尺度日本語版の検討 筑波大学発達臨床心理学研究 (12), 65-71, 2000-01-25