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無視された時の気持ちの伝え方を心理の専門家から学ぶ

無視される,心理


無視される時の対処法「気持ちの伝え方」②

コラム①では、相手が無視をする原因や、きまずい状況が続いてしまう原因を3つあげました。具体的には「気持ちを抱え込む」「無視を無視で返してしまう」「ないものへの注目」でしたね。今回は原因の1つである「気持ちを抱え込む」を、アサーティブコミュニケーションという心理学の理論を絡めながらお伝えします。

アサーティブコミュニケーションとは何か

アサーティブコミュニケーションという理論は1949年に出版されたSalterの「条件反射療法」がはじまりとされています。Salterが活動した当初、精神的に問題のある人は抑圧された環境にいました。

1949年、精神障害を持つ方は、なるべく精神病院に送り込むことが当たり前でした。精神障害は社会的に無視されることが当たり前だったのです。

Salterはそのような患者が主体的にアサーション(自己主張)をすることで人間的な回復ができる考えました。その後、アサーションはその後、70年あまり、精神医学の世界で行動療法や対人関係療法の一部として発展してきました。現在では、いじめやパワハラ被害の方への研修など幅広く活用されています。

アサーティブコミュニケーションの権利意識

アサーティブコミュニケーションで大事にしていることは以下の点です。

・人は誰でも自分の意見を主張する権利がある
・人は誰でも意見を尊重してもらう権利がある

無視をされているときは、自分が傷ついていることを周りに気がついてもらう必要があります。そして、無視されているときでも同じです。あなたはあなたの意見を言う権利がありますし、それをみんなが尊重してもらう権利がある。そのことをまずは心に刻みましょう。

2つの伝え方から無視の対処法を学ぶ

しかし、自分の気持ちを伝えることはとても難しいことだと思います。ここで、アサーティブコミュニケーションという分野で活用されている、Iメッセージ、YOUメッセージの2つを学習しましょう。

わたしを主語で伝えるIメッセージ 
Iメッセージとは、
・わたしは~と感じている
・わたしは~と考えている
・わたしは~が悲しい

など「わたし」を主語にして自分の気持ちや考えを伝える方法です(松本,2005)。Iメッセージはあくまで自分の気持ちを伝えるだけで、相手に何か要求はしません。そのため、相手は話を聞いてくれやすいというメリットがあります。ただ、表現がやや間接的なので、鈍い人だと気が付いてくれないこともあります。

あなたを主語で伝えるYOUメッセージ
YOUメッセージとは、
・〇〇さん~しないでください
・〇〇さんの言い方は最悪です
・(〇〇さんの行動を)やめてください
など相手を主語にして観察したことや感じたことを伝えるメッセージです。YOUメッセージは、発信する側の主観で伝えるメッセージなので、急に自分の考えをぶつけられると相手は受け入れにくいこともあるのです。

しかし、相手が鈍い過ぎる場合は、あまりにも人権に関わるような行為の場合は、思い切ってYOUメッセージを使わざるを得ない場面も出てくるでしょう。相手とぎくしゃくしている状況では、相手に何かを要求しないIメッセージが上手くいきやすいでしょう。

今回はIメッセージをわかりやすく練習するためにYOUメッセージも使った例題で具体的に説明します。

アイメッセージとYouメッセージの使い方

IメッセージとYouメッセージを使い分ける上では以下の4つのステップを意識しましょう。

Step1:自分の気持ちを確認する
Step2:Iメッセージ 、Youメッセージを考える
Step3:どちらを使うか決める
Step4:言う相手を決め、表現する

まずは、講座にいらっしゃった生徒さんで実際にアイメッセージを使った事例を紹介します。

********事例*******

大学生のAさんは、いつも友達4人と5人のグループで仲良く過ごしていたのですが、ある日を境に避けられています。Aさんは、自分が何か気に障ることをしたのだろうか?と考え落ち込んでいます。そこでこの状況を変化させる方法を考えるためにIメッセージで伝えるワークをやってみることにしました。

*****************

STEP1:気持ちの確認
無視をされてさみしい、辛い、悲しい、苦しい、
関係を修復したい、無視はやめてほしい。

STEP2:Iメッセージ Youメッセージを考える
Iメッセージ
⇒「わたしは無視をされてつらい気持ちでいます。」

YOUメッセージ
⇒「○○さん!!無視はやめて下さい!」

Step3:どちらを使うか決める
最初は表現を抑えたアイメッセージから使おう。Youメッセージはトラブルになりやすいからどうしようもないときだけ使う。

Step4:場所や相手を選んで伝える。
Aさんは、一番話しかけやすいBさんがひとりでいるとき「わたしは無視をされてつらい気持ちでいます。」に伝えました。何も言いませんでしたが、AさんのIメッセージを最後まで聞いてくれたようです。すぐに無視がなくなったわけではなかったようですが、挨拶はお互いできるようになったようです。

ポイント♪
友人が厳しい場合は、先生や、上司、家族に伝え、悩みを聞いてもらうのもOkです ひとりで抱え込むのだけは絶対NGです周りの方の援助をうまくもとめましょう。

練習問題してみよう!

それでは、今度はみなさんの番です。以下の4つのSTEPを参考に、自分の問題で考えてみましょう。

Step1:自分の気持ちを確認する

Step2:Iメッセージ Youメッセージを考える

Step3:どちらを使うか決める

Step4:言う相手を決め、表現する

 

4つのステップで気持ちを伝えて無視された時に対処しよう

無視はIメッセージで伝えて解消!

練習問題はいかがでしたか。無視されている相手には、Iメッセージで自分の気持ちを伝えることで

・自分の気持ちをうまく伝えることができる
・要求しないので対立を避けられる
・相手が耳を傾けやすい

などのメリットがあります。相手から無視をされどうすればよいかわからないときには、まずはIメッセージで自分の気持ちを伝え相手に自分の気持ちを理解してもらいましょう。本当にどうしようもないときはYouメッセージもOkですが、滅多に使わないものだと思って、まずはマイルドにアイメッセージから使うように心がけてください。

最後に確認します。皆さんには

・人は誰でも自分の意見を主張する権利がある
・人は誰でも意見を尊重してもらう権利がある

この2つの権利があります。もちろん意見を言ったからと言って、相手が変わらないこともあります。しかし、きっと主張し続ければ、誰かの心は動くはずです。身近な人から是非自分の気持ちを伝える習慣をつけていきましょう。

次のコラムでは、相手が無視をする原因や、ぎすぎすした状況が続いてしんどくなってしまう原因 「無視を無視で返してしまう」 の対策についてご紹介します。

★無視された時はIメッセージで気持ちを伝えて対処しよう

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*出典・参考文献
松本啓子(2005).大人も知らない「本当の友だち」のつくり方, 講談社.



4つのステップで自己表現しよう