>
>
>
怒りコントロール法「アンガーマネジメント」とは?

怒りコントロール法「アンガーマネジメント」とは?②

怒りコントロール方法を具体的に見ていく前に、アンガーマネジメントについて理解を深めていきましょう。

皆さんはアンガーマネジメントという言葉をご存知でしょうか。現在アメリカ全土の教育機関や企業で導入されており、人生において非常に重要な意味を持ちます。今回は、アンガーマネジメントの定義や重要なポイントを、分かりやすく解説していきます。

アンガーマネジメント-3つの定義

アンガーマネジメントには、さまざまな定義があります。ここでは3つの定義をご紹介します。アンガーマネジメントは以下のように定義されています。

*米国 Novaco(1975)
「怒りを予防・制御するための心理療法プログラム。不適切な怒りの感情をうまくコントロールすることを目指す」

*心理学辞典(2013)
「怒りを喚起する刺激に対する不適切な反応をコントロールし、他社を尊重するやる方で怒りの感情を適切に表現するために用いられるテクニック」

*安藤(2015)
「“感情”の中でとくにマイナスな結果を引き起こす原因となる“怒り”に正しく対処することで、健全な人間関係をつくり上げる知識・技術を習得するということ」怒りコントロール法の3つの定義

 歴史・日本での状況

ここでは、怒りコントロール「アンガーマネジメント」の歴史について見ていきましょう。

アメリカで1970年代から発展

・犯罪者の矯正プログラム
アンガーマネジメントは、1970年代のアメリカで発展してきました。主に、DVやマイノリティ、軽犯罪者に向けたメンタルヘルスプログラムから発展してきたという説が有力となっています。

・健康増進教育
米国では、1970 年代にKYBと呼ばれる予防教育プログラムが開発されました。KYBとは、The Know Your Body HealthPromotion Systemの略で、健康増進教育プログラムを指します。対象は、幼稚園から中学 3 年生で、学年ごとに獲得すべき行動スキルの内容を示しています。

KYBの教育テーマのひとつ「ストレス」に対する行動目標の中に、「怒りの感情をコントロールする方法を学ぶ」と記されています。

日本での普及状況

アンガーマネジメントは、アメリカほど日本では普及していません。しかし。日本のようにストレスが多い社会では、怒りコントロールのスキルは、日常生活をスムーズに送るうえでキーポイントになります。

小林(2014)は、「我を忘れてしまうほど怒ったり、いつまでもイライラをリセットできなかったり、することが問題言動へと派生することが多いので、“怒りの感情と上手に付き合う”=“アンガーマネジメント”が求められている」と述べています。近年では、日本でもアンガーマネジメントを取り入れる教育機関や企業が増加する兆しが見えています。

アンガーマネジメントの歴史

日本の学校教育においてアンガーマネジメントをはじめとする怒りコントロール法を学ぶ機会を考えると、国語や道徳、総合活動、特別活動などが考えられます(本田、2002)。

たとえば、
中学校学習指導要領解説道徳編(2008)の中では、「礼儀の意義を理解し、時と場に応じた適切な言動をとる」ことが内容のひとつとして挙げられています。解説には「心情面を整えることで形として外に表すことができるようになることもある」と記載されています。

さらに文部科学省(2011)では、アンガーマネジメントを「感情理解教育」とし、児童や生徒のうちから怒りのコントロールを学ぶべきスキルとして推奨しています。子どもたちがアンガーマネジメントを習得し、実践できれば、暴力行為を止められる手段となりうると考えられているのです。

アンガーマネジメントの歴史をみると、犯罪防止のために生まれ、現在では欧米を中心に広がりを見せています。日本でも徐々に取り入れられつつあるので、今後ますます一般的なテクニックとなっていくでしょう。

★怒りコントロール「アンガーマネジメント」犯罪防止が起源

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

目次

①アンガーマネジメントしよう
②定義・意味・歴史を解説
③危険性とは?心身への影響
④怒りコントロール診断
⑤怒りの正体「期待とギャップ」
⑥他責思考の改善がカギ
⑦「観察」で感情レベルを把握
⑧6秒ルールには深呼吸法が有効
⑨資格・講座・研修まとめ

助け合い掲示板

コメントを残す

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
YouTube→
Twitter→

※出典・参考文献
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典 p22
・Novaco, R.W. (1975) Anger Control: The Development and Evaluation of an Experimental Treatment. Lexington Books, Lexington.
・本田恵子(2002)キレやすい子の理解と対応 学校でのアンガーマネージメント・プログラム.ほんの森出版
・文部科学省(2008)中学校学習指導要領解説保健体育編.東山書房
・文部科学省(2011)暴力行為のない学校づくりについて(報告書)
・霜触智紀 木山慶子 (2017)保健体育科へのアンガーマネジメントの導入意義を探る── わが国の学校教育におけるアンガーマネジメントに関する研究動向から ── 群馬大学教育学部紀要 芸術・技術・体育・生活科学編 第 52 巻 57―70 頁 2017 別刷