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アサーティブコミュニケーションとは?意味やトレーニング方法を解説

アサーティブコミュニケーションとは?意味やトレーニング方法をチェック①

はじめまして!臨床心理士の竹元、精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「アサーティブ」です。

  • 改善するお悩み
  • ・自己主張が苦手
  • ・相手の要求に流される
  • ・自分の意見を押し付けてしまう
  • 全体の目次
  • ①アサーティブとは何か?
  • ②アサーティブ診断
  • ③どのような効果がある?
  • ④訓練:アイメッセージ
  • ⑤訓練:DESC法
  • ⑥訓練:感謝スキル
  • ⑦教育:価値観ワーク
  • ⑧教育:断りワーク子ども編
  • ⑨教育:断りワーク大人編
  • 助け合い掲示板

①~⑥を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。ぜひ、ご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

アサーティブとは

まずは、アサーティブコミュニケーションの意味を確認していきましょう。

アサーティブの意味

平木(1993)はアサーティブネスの定義を以下のように記述しています。

自分も相手も大切にした自己表現

アサーティブを説明する際に、この表現がもっとも多く活用されています。

自己主張を過剰に抑えるのでもなく、かといって自己中心的に生きるのでもなく、その双方のバランスのとれた自己表現がアサーティブなのです。

「アサーティブ」にはどのような歴史があるのでしょうか。

アサーティブの歴史

アサーティブの始まりはアメリカです。1949年に出版されたSalterの「条件反射療法」が起源といわれています。当時のアメリカでは、精神的に問題のある患者は抑圧された環境にいました。

Salteはこのような状況から、患者が人間的回復をするためには、主体的にアサーティブ(自己主張)することが必要だと主張したのです。

そして1950年代に入り、Wolpe(1958)が神経症の治療において、アサーティブが不安抑制に有効であることを取り上げました。

対人関係がうまくいかない人や自己表現が苦手な人のための、カウンセリング法として活用され始めます。

アサーティブは、その後20年ほど精神医学の世界で、行動療法や対人関係療法の一部として発展することとなりました。

アサーションの意味や歴史を解説

本がきっかけで世界的に広まる

精神医療における活用だけだったアサーティブが、広く知られるようになったのは1970年代に入ってからです。そのころアメリカで
・題名 Your Perfect Right(あなたの完全な権利)
・著者 ロバートアルベティ マイケルエモンズ

 というベストセラーになったアサーティブの本があります。

この本を契機として、人種差別や性差別を受けてきた人・特別な配慮やケアが必要な人の人権を守る方法として広がりました。

また教育や福祉、産業などの分野にも広がり、現在では社会的スキルのひとつとして位置づけられています。

そして日本では 1980年代になってから平木典子先生がアサーティブを「自己表現」と名付け、相互尊重のコミュニケーションと打ち出し、広まることとなりました。

アサーションは日常のコミュニケーションに役立つ

自己表現の3つの形

アサーションの考え方を紹介した、アメリカの心理学者ウォルピィ(Wolpe,J.)は、人間関係における自己表現には3つのタイプがあるとしています。

① 攻撃的タイプ
(アグレッシブ)

② 非主張的タイプ
(ノン・アサーティブ)

③ アサーティブなタイプ
(攻撃的・非主張的の黄金率)

自分以外のタイプも理解しておくと、人間関係が安定しやすくなりますので、ぜひ全ての自己表現の理解を目指してくださいね。

今回は3つの自己表現がイメージしやすいよう、アニメドラえもんのキャラクターに例えて紹介していきますね。

①攻撃的タイプ(アグレッシブ)

ドラえもんでいえばジャイアンタイプです。このタイプは、自分を最優先に考えます。

そして時には他人を傷つけたり踏みにじるような行動をします。自分の主張ははっきりと伝えるが、相手の気持ちは置き去りの状態です。

このタイプの人は、「言い負かす」「命令する」「大声で怒鳴る」などの自己表現をします。また勝ち負けで物事を決めたり 相手より優位に立とうとしたり、巧妙に相手を操作しようとすることもあります。

アサーション3つのタイプアグレッシブ

・どんな人がなりやすい?
 *権力や権威のある人
 *知識や経験が豊富な人
 *自尊心が低く防衛的
 *自己愛が強すぎる
 *共感性が低い

・攻撃的タイプの注意点!
このタイプの人は、必要以上に威張る傾向があり、自分の意見や態度で相手をねじ伏せるため、結果的に意見が通ることが多いでしょう。

しかし後味の悪い状況をつくることが多いため、利害関係でつながる人間関係を除き、敬遠されたり孤独になりやすいかもしれません。

そのため、安定した人間関係を築くことが難しいといえます。ジャイアンごめんなさい!

②非主張的タイプ(ノン・アサーティブ)

ドラえもんでいえばのび太タイプです。このタイプは、自分よりも他者を優先し、自分を後回しにします。

自分の気持ちや意見を表現しなかったり、 しそこなったりするのがこのタイプの特徴です。あいまいな言い方や消極的な態度もこのタイプになります。

このタイプの人は「嫌われてしまうのでは…」「揉め事がおきるのでは…」という不安から、自分の意見を主張することを避けます。

また、相手を大切にしなかったことで集団や社会から排除させることを恐れている心理も働いています。

アサーション3つのタイプノンアサーティブ

・どんな人がなりやすい?
 *自己肯定感が不足
 *見捨てられ不安
 *自己効力感の不足
 *権威的な両親による
  制限された家庭環境

・このタイプの注意点!
このタイプの人は、自分の欲求を抑える苦しさや相手から大切にされないみじめな気持ちから、欲求不満などが積もりがちです。

また相手に対して「あなたの言うとおりにしてあげたのに…」といった恨ましい気持ちが残ってしまう事もあります。

そして溜まった怒りが時には爆発したり、負荷に耐え切れなくなったときには、心身症になることもあるため注意が必要です。

③アサーティブなタイプ(攻撃的・非主張定な黄金律)

このタイプは、ドラえもんでいえばしずかちゃんタイプです。 自分の気持ちを正直に率直に、その場にふさわしい方法で表現できます。 そして相手が自分と同じように、意見をすることもすすめることができます。

このタイプの人は、相手と意見がぶつかったときには、互いに意見を出し合い、譲ったり譲られたりしながら双方が納得のいく結論を出そうとします。3つの自己表現の中では一番理想的なタイプです。

・どんな人がなりやすい?
 *自己肯定感が育っている
 *幼少期に安定した愛着形成
 *基本的信頼感が高い
 *自己効力感がある
 *ソーシャルスキルが高い

アサーティブなタイプ

アサーティブ診断

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。
アサーティブタイプ診断!自分の状況をチェックしよう②

アサーションの効果

人権問題に関わるときの有効なコミュニケーションとして広がったアサーションですが、現在ではさまざまな場面でのトレーニング方法として活用が広がっています。

・「身近な人間関係」のトラブル予防
生活の広い範囲でアサーショントレーニングを取り入れることができます。親子関係や友人関係、夫婦や恋人、近所づき付き合いなど、日常生活にある習慣や価値観の違いから引き起こされるトラブルの改善や予防としても活用できます。

・「職場」でのストレス軽減や予防
企業研修では積極的にアサーショントレーニングが取り入れられています。セクハラやパワハラへの対処、職場うつの予防、高圧的な上司の態度の抑制など、職場でのよりよい人間関係をつくることに活用できます。

効果をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・いじめ防止
・面接の自己PRで有利
・自己効力感UP!?
アサーティブの効果!人間関係が円滑に③


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

アサーショントレーニング

ここからは、アサーショントレーニングに有効な方法を解説していきます。アサーショントレーニングは、繰り返し実践することが大切です。その場にふさわしいコミュニケーションができるようトレーニングしていきましょう。

①「あなた」を「私」に変えてみよう

主語を「あなた」から「私」に変えることで、相手を傷つけない発言ができるようになります。

たとえば、相手に不満があるとき

主語があなた(YOU)の場合
「だから、あなたはダメなのよ」
主語を私(I)に変えると
私はあなたの行動に悲しくなるの」

このように自分の意見を伝えるとき主語を「私は~」にしてみると、批判的な印象がグッと軽減できます。

Iメッセージついてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・アイメッセージの使い方
・練習問題で実践!
アサーティブのやり方「アイメッセージとは」④

 

Iメッセージでアサーティブなコミュニケーション

②段階的に主張しよう!

自己主張の中でも「断る」ことは、難しいと感じている人が多いと思いますが、「NOと断る」時には、クッション材を入れる気持ちで断るようにしてみてください。

ここで活用できるのがアサーションの「DESC法」です。これは、自己主張のメッセージを整理するやり方です。自分の気持ちを確認して、相手と共有する内容が無いかをチェック!そしてなにか1つ提案してみましょう。コツは、提案を具体的にすることです。

DECS法ついてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・具体例でわかりやすく解説
・練習問題でトレーニング
アサーティブの技法「段階的主張-DESC法」⑤

感情と行動を一致させてアサーティブする

③感謝をセットで伝えよう

断ることがうまい人にはどのような特徴があるのでしょうか。まずは、攻撃的、アサーティブそれぞれで比較してみましょう。

・断り方が攻撃的な人
相手の気持ちを考えずに一方的に断ってしまうとトラブルが生じやすくなります。

例えば

「嫌です!」
「無理です!」
「断ります!」

お願いをする人は、もしかすると、どうしても一人では手に負えなくて、悪いと思いつつ頼んでいるのかもしれません。そんな時に「無理です!」とだけ言われると、あなたから拒絶されたように感じてしまうでしょう。これでは確かに、印象がよくないですね。

・断り方がアサーティブな人
断り方がアサーティブな人は「感謝できる部分をセットで伝える」ことが非常にうまいのです。ただ単に断るのではなく、まずは「ありがとう」「頼りにしてもらえるんだ!」とポジティブに受け止めてから、うまく断っていきます。

断り方のコツを解説

NOを伝えないと行けない場面では、何らしからの事情があって相手が自分を必要としてくれているのです。誘ってくれること、必要としてくれること自体には感謝の気持ちが持てると思います。その部分を伝えたうえで断ると、アサーティブに断ることができると言えます。

感謝+断り法ついてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・嘘は禁止!?
・感謝を伝える具体例
・実際に試してみよう
アサーティブトレーニング「感謝+断り法」⑥

教育現場でトレーニング

ここからは、学校や職場で実施できるアサーティブのワークをご紹介します。アサーティブは対人場面で、発揮されるため、グループワークでトレーニングするのが効率的です。そこで、今回は集団で行えるトレーニングを2つご紹介します。

①価値観ワーク

・価値観ワーク
アサーティブを学ぶ方法として、もっとも分かりやすいのが価値観を使ったワークです。価値観は人それぞれ変わってくるため、グループの意見をうまくすり合わせる必要があります。

そこで、アサーティブコミュニケーションのトレーニングに活用できる方法です。

価値観ワークを実践したい方は下記をご覧ください。
・価値観ワークのやり方
・アサーティブだったか結果
アサーティブを学校や職場できる「価値観ワーク」⑨

②断りワーク 子ども編

・断りワークとは
社交的な場面では、自分ひとりが不快な気持ちになってしまう状況がいくつもあります。そんな時、攻撃的にも、非主張的にもならずに、アサーティブに主張する練習が「断りワーク」です。

・自己主張力が身につく
自分だけ損をするような状況でうまく主張し、お互いに納得できる形に説得するワークです。相手を気遣いながら自分の意見を伝える力が身に付きます。先ほどの3つのアサーティブトレーニングでご紹介して方法でうまく断っていきましょう。

断りワークを実践したい方は下記をご覧ください。
アサーティブトレーニング「断りワーク」大人編⑧
アサーティブを育む「断りワーク」子ども編⑨

まとめ+助け合い掲示板の活用

入門①まとめ

コラム①の解説は以上となります。

アサーティブトレーニングを日本で広めた平木典子先生は、アサーティブを学ぶことで「目的や課題を達成する力」「人と共に生きる力」を伸ばすことができるとしています。

アサーティブは対人ストレスの軽減はもちろん、自分自身をより成長させる要素ともなるでしょう。まずは自分らしく行動することで、アサーティブをはじめてみましょう。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムはアサーティブについて考え方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。それではコラム②に進みましょう!

助け合い掲示板

1件のコメント

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    • ひかり
    • 2019年5月16日 1:08 PM

    私は攻撃的タイプと非主張的タイプが同じでした。
    相手に遠慮してしまい相手に合わせることが多いです。
    そんな非主張的タイプですが相手に合わせることにストレスが溜まると、
    攻撃的な一面をお相手に見せてしまいます。
    アサーティブを習得するためには自分の存在を肯定する必要があると思いました。

    0
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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
三田村 仰(2008)「行動療法におけるアサーション・トレーニング研究」人文論究,58,3,95-107
園田雅代(2002-03)「 概説:アサーション・トレーニング」創価大学教育学部論集,52,79-90,創価大学教育学会
平木典子(1993)「アサーション・トレーニング-さわやかな<自己表現>のために-」金子書房
平木典子(2012) 「アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法」講談社
関口奈保美,三浦正江,安岡孝弘(2011)「大学生におけるアサーションと対人ストレスの関係性:自己表現の3タイプに着目して」ストレス科学研究 26巻,40-47