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アサーティブとは?意味やトレーニング方法を解説

アサーティブとは?意味やトレーニング方法をチェック①

はじめまして!社会心理学の専門家・精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向け心理学講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本コラムでは「アサーティブ」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

  • アサーティブとは?
  • 自己表現3つの種類
  • Iメッセージとは
  • DECS法で段階主張
  • 感謝+断り法
  • 集団でできるワーク

それでは早速心理学の研究を紹介しながら解説させて頂きます。

「アサーティブとはどんな意味?」
「トレーニングでスキルが身につく?」
「コミュニケーションに効果があるの?」

アサーティブに関する疑問を解消して、コミュニケーションスキルを高めていきましょう!

アサーティブの意味と歴史

「アサーティブ」という言葉は、何度か耳にしたことがあるかもしれませんが、ここで改めてアサーティブの基礎知識から、確認していきましょう。

・アサーティブの意味
アサーティブとは、自分も相手も大切にする自己表現のことで、自他自尊の自己表現ともいわれています。

・自分の考えや気持を正直に伝える
・相手の意見や気持ちも大切にする

これら2つについて、状況に応じてバランスよく取り入れことが大切とされています。まずは自分のことを考え、他者にも配慮するという自己表現がアサーティブです。

アサーションは日常のコミュニケーションに役立つ

・アサーティブの歴史
1950年代に入り、Wolpe(1958)が神経症の治療において、アサーティブが不安抑制に有効であることを取り上げ、対人関係がうまくいかない人や自己表現が苦手な人のための、カウンセリング法として活用されました。

アサーティブは、その後20年ほど精神医学の世界で、行動療法や対人関係療法の一部として発展することとなりました。

意味をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・英和辞典によると…
・アサーティブの誕生
アサーティブとは?意味や歴史②

アサーションの意味や歴史を解説

自己表現3つの特徴

アサーションの考え方を紹介した、アメリカの心理学者ウォルピィ(Wolpe,J.)は、人間関係における自己表現には3つのタイプがあるとしています。

① 攻撃的タイプ
(アグレッシブ)
ドラえもんでいえばジャイアンタイプです。このタイプは、自分を最優先に考えます。そして時には他人を傷つけたり踏みにじるような行動をします。自分の主張ははっきりと伝えるが、相手の気持ちは置き去りの状態です。

② 非主張的タイプ
(ノン・アサーティブ)
ドラえもんでいえばのび太タイプです。このタイプは、自分よりも他者を優先し、自分を後回しにします。自分の気持ちや意見を表現しなかったり、 しそこなったりするのがこのタイプの特徴です。

③ アサーティブなタイプ
(攻撃的・非主張的の黄金率)
このタイプは、ドラえもんでいえばしずかちゃんタイプです。 自分の気持ちを正直に率直に、その場にふさわしい方法で表現できます。 そして相手が自分と同じように、意見をすることもすすめることができます。

自分以外のタイプも理解しておくと、人間関係が安定しやすくなりますので、ぜひ全ての自己表現の理解を目指してくださいね。

3つの種類をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・それぞれのタイプの特徴
・どんな人がなりやすいか
・3つのタイプの注意点
アサーティブの3つの自己表現タイプ③

自己表現タイプを診断

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。
アサーティブタイプ診断!自分の状況をチェックしよう④

アサーションの効果

人権問題に関わるときの有効なコミュニケーションとして広がったアサーションですが、現在ではさまざまな場面でのトレーニング方法として活用が広がっています。

・「身近な人間関係」のトラブル予防
生活の広い範囲でアサーショントレーニングを取り入れることができます。親子関係や友人関係、夫婦や恋人、近所づき付き合いなど、日常生活にある習慣や価値観の違いから引き起こされるトラブルの改善や予防としても活用できます。

・「職場」でのストレス軽減や予防
企業研修では積極的にアサーショントレーニングが取り入れられています。セクハラやパワハラへの対処、職場うつの予防、高圧的な上司の態度の抑制など、職場でのよりよい人間関係をつくることに活用できます。

効果をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・いじめ防止
・面接の自己PRで有利
・自己効力感UP!?
アサーティブの効果!人間関係が円滑に⑤

アサーティブできない理由

アサーションが理想的なコミュニケーションだとわかっているのに、なぜ私たちはアサーションできないのでしょうか。ここでは、アサーションできない主な原因を3つご紹介します。

①結果や周囲を気にしすぎる
コミュニケーションするときに、結果や周囲の反応ばかり気にしていませんか?相手に伝わるかどうかを怖れていては、アサーティブにはなれません。

結果を気にしすぎてアサーションできないコミュニケーションでは「伝わる」ことが大切です。しかし伝わるかどうかは、自分の伝える行為と合わせて相手の受け取る行為にも関わるため、自分の努力だけはクリアできないことが必ずあります。伝わるかどうかを怖れていていてはコミュニケーションは成り立ちません。

②アサーション権を理解していない
アサーションが基本的人権のひとつと理解していますか?アサーションは、自他自尊の自己表現ですから、基本的人権を守るための考え方です。アサーションには、「誰もが等しくアサーティブになってよい」という考えのもと様々なアサーション権があります。

たとえば
・自己主張する権利

「自分がツライと感じているとき」「誰かから権利を侵害されているとき」こんなときは自分を守るために、相手に伝えることをアサーションでは大切にしています。これは自分だけではなく相手に対しても同じです。
・自己主張しない権利
「職場で疲れきっているとき」「受験で友人は落ちて自分だけ合格した」こんなときは、伝えないということも選択できます。

アサーションは、自分の感情を伝えることも、伝えないことも状況に合わせて自由に選んでいいのです。自分の気持ちに素直になるトレーニングをしていきましょう。

③アサーティブな考え方が持てない
常識に固く縛られていませんか?私たちは、たくさんの思い込みや正しいと感じたことを信じて生活しています。

たとえば
・物わかりのいい人は好かれる
・部下は上司には従うべきだ
・人を傷つけてはいけない
このような考え方は、多くの人が子供のころから教わってきたでしょう。しかしよく考えてみると誰にでも適応されるわけではないことが分かります。しかし積み重なることで、当然のことのようになってしまうのです。

ものごとの常識は、時代や状況によって変化します。アサーティブなコミュニケーションでは、自分なりの考えを持って、対人関係で変化させることをが必要です。トレーニングで身に付けていきましょう。


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

アサーションでコミュ力↑

ここからは、アサーショントレーニングに有効な方法を解説していきます。

アサーショントレーニングは、繰り返し実践することが大切です。その場にふさわしいコミュニケーションができるようトレーニングしていきましょう。

①「あなた」を「私」に変えてみよう

主語を「あなた」から「私」に変えることで、相手を傷つけない発言ができるようになります。

たとえば、相手に不満があるとき

主語があなた(YOU)の場合
「だから、あなたはダメなのよ」
主語を私(I)に変えると
私はあなたの行動に悲しくなるの」

このように自分の意見を伝えるとき主語を「私は~」にしてみると、批判的な印象がグッと軽減できます。

このように主語を「私」にして伝える方法をIメッセージといいます。Iメッセージは、攻撃的タイプの人におすすめのトレーニングです。ぜひ普段から、主語を「私」する会話を心がけてみてください。

Iメッセージついてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・アイメッセージの使い方
・練習問題で実践!
アサーティブのやり方「アイメッセージとは」⑥

 

Iメッセージでアサーティブなコミュニケーション

 

②段階的に主張しよう!

自己主張の中でも「断る」ことは、難しいと感じている人が多いと思いますが、「NOと断る」時には、クッション材を入れる気持ちで断るようにしてみてください。

ここで活用できるのがアサーションの「DESC法」です。これは、自己主張のメッセージを以下の4つに整理するやり方です。

1.Describe(描写する)
今の状況や相手の行動をデータや根拠に基づいて客観的に描写する。

2.Explain(説明する)
描写に対して自分の主観的な気持ちを伝える。
感情にまかせるのではなく、建設的に説明する。

3.Specify(提案する)
相手にしてほしいこと、妥協案や解決策を述べる。

4.Choose(選択する・代替案)
相手の返答がNOだった場合、OKをもらえた時の状況に対して、
次に何をするかを考える。

自分の気持ちを確認して、相手と共有する内容が無いかをチェック!そしてなにか1つ提案してみましょう。コツは、提案を具体的にすることです。

DECS法ついてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・具体例でわかりやすく解説
・練習問題でトレーニング
アサーティブの技法「段階的主張-DESC法」⑦

感情と行動を一致させてアサーティブする

 

③感謝をセットで伝えよう

断ることがうまい人にはどのような特徴があるのでしょうか。まずは、攻撃的、アサーティブそれぞれで比較してみましょう。

・断り方が攻撃的な人
相手の気持ちを考えずに一方的に断ってしまうとトラブルが生じやすくなります。

例えば

「嫌です!」
「無理です!」
「断ります!」

お願いをする人は、もしかすると、どうしても一人では手に負えなくて、悪いと思いつつ頼んでいるのかもしれません。そんな時に「無理です!」とだけ言われると、あなたから拒絶されたように感じてしまうでしょう。これでは確かに、印象がよくないですね。

・断り方がアサーティブな人
断り方がアサーティブな人は「感謝できる部分をセットで伝える」ことが非常にうまいのです。ただ単に断るのではなく、まずは「ありがとう」「頼りにしてもらえるんだ!」とポジティブに受け止めてから、うまく断っていきます。

断り方のコツを解説

NOを伝えないと行けない場面では、何らしからの事情があって相手が自分を必要としてくれているのです。誘ってくれること、必要としてくれること自体には感謝の気持ちが持てると思います。その部分を伝えたうえで断ると、アサーティブに断ることができると言えます。

感謝+断り法ついてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・嘘は禁止!?
・感謝を伝える具体例
・実際に試してみよう
アサーティブトレーニング「感謝+断り法」⑧

学校や職場で訓練!

ここからは、学校や職場で実施できるアサーティブのワークをご紹介します。アサーティブは対人場面で、発揮されるため、グループワークでトレーニングするのが効率的です。そこで、今回は集団で行えるトレーニングを2つご紹介します。

①価値観ワーク

・価値観ワーク
アサーティブを学ぶ方法として、もっとも分かりやすいのが価値観を使ったワークです。価値観は人それぞれ変わってくるため、グループの意見をうまくすり合わせる必要があります。

・協調性を身に付ける
「愛 仕事 お金 自由 遊び」の5つの価値観を大切なものから順番に、並び替えます。
そして、チーム内でひとりひとり発表します。次に、チームの中で話し合って価値観を順位付けします。
自分の意見だけではなく、メンバー全員の意見とすり合わせて考える力が身に付きます。

価値観ワークを実践したい方は下記をご覧ください。
・価値観ワークのやり方
・アサーティブだったか結果
アサーティブを学校や職場できる「価値観ワーク」⑨

②断りワーク

・断りワークとは
社交的な場面では、自分ひとりが不快な気持ちになってしまう状況がいくつもあります。そんな時、攻撃的にも、非主張的にもならずに、アサーティブに主張する練習が「断りワーク」です。

・自己主張力が身につく
自分だけ損をするような状況でうまく主張し、お互いに納得できる形に説得するワークです。相手を気遣いながら自分の意見を伝える力が身に付きます。先ほどの3つのアサーティブトレーニングでご紹介して方法でうまく断っていきましょう。

断りワークを実践したい方は下記をご覧ください。

アサーティブトレーニング「断りワーク」大人編⑩
アサーティブを育む「断りワーク」子ども編⑪

アサーティブを実践

アサーティブトレーニングについて、アサーティブの意味や歴史、考え方、そして具体的なトレーニング方法をご紹介していきました。いかがでしたか。

アサーションで得られるスキルアサーティブトレーニングを日本で広めた平木典子先生は、アサーティブを学ぶことで「目的や課題を達成する力」「人と共に生きる力」を伸ばすことができるとしています。

アサーティブは対人ストレスの軽減はもちろん、自分自身をより成長させる要素ともなるでしょう。まずは自分らしく行動することで、アサーティブをはじめてみましょう。

次回は、「アサーティブの意味や歴史」についてご紹介します。お楽しみに!

★アサーティブを理解・習得をめざそう!

次のコラムへ進むボタンはもう少し下にあります。コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。

人間関係講座

目次

①意味やトレーニング方法
②アサーティブの意味や歴史
③3つの自己表現タイプ
④アサーティブタイプ診断
⑤人間関係を円滑にする効果
⑥「アイメッセージとは」
⑦「段階的主張-DESC法」
⑧「感謝+断り法」トレーニング
学校や職場できる価値観ワーク
⑩「断りワーク」大人編
⑪「断りワーク」子ども編

コメント

1件のコメント

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    • ひかり
    • 2019年5月16日 1:08 PM

    私は攻撃的タイプと非主張的タイプが同じでした。
    相手に遠慮してしまい相手に合わせることが多いです。
    そんな非主張的タイプですが相手に合わせることにストレスが溜まると、
    攻撃的な一面をお相手に見せてしまいます。
    アサーティブを習得するためには自分の存在を肯定する必要があると思いました。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
三田村 仰(2008)「行動療法におけるアサーション・トレーニング研究」人文論究,58,3,95-107
園田雅代(2002-03)「 概説:アサーション・トレーニング」創価大学教育学部論集,52,79-90,創価大学教育学会
平木典子(1993)「アサーション・トレーニング-さわやかな<自己表現>のために-」金子書房
平木典子(2012) 「アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法」講談社
関口奈保美,三浦正江,安岡孝弘(2011)「大学生におけるアサーションと対人ストレスの関係性:自己表現の3タイプに着目して」ストレス科学研究 26巻,40-47