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アサーティブの3つの自己表現タイプ③

アサーティブの3つの自己表現タイプ③

コラム②では、アサーティブの意味について解説していきました。よりよい人間関係を築くための会話テクニックでしたね。今回は、アサーティブの3つ自己表現タイプについて解説していきます。

自己表現3つのタイプ

アサーションの考え方を紹介した、アメリカの心理学者ウォルピィ(Wolpe,J.)は、人間関係における自己表現には3つのタイプがあるとしています。

① 攻撃的タイプ
(アグレッシブ)


② 非主張的タイプ
(ノン・アサーティブ)


③ アサーティブなタイプ
(攻撃的・非主張的の黄金率)

自分以外のタイプも理解しておくと、人間関係が安定しやすくなりますので、ぜひ全ての自己表現の理解を目指してくださいね。今回は3つの自己表現がイメージしやすいよう、アニメドラえもんのキャラクターに例えて紹介していきますね。

①攻撃的タイプ(アグレッシブ)

ドラえもんでいえばジャイアンタイプです。このタイプは、自分を最優先に考えます。そして時には他人を傷つけたり踏みにじるような行動をします。自分の主張ははっきりと伝えるが、相手の気持ちは置き去りの状態です。

このタイプの人は、「言い負かす」「命令する」「大声で怒鳴る」などの自己表現をします。また勝ち負けで物事を決めたり 相手より優位に立とうとしたり、巧妙に相手を操作しようとすることもあります。

アサーション3つのタイプアグレッシブ

・どんな人がなりやすい?
 *権力や権威のある人
 *知識や経験が豊富な人
 *自尊心が低く防衛的
 *自己愛が強すぎる
 *共感性が低い

・攻撃的タイプの注意点!
このタイプの人は、必要以上に威張る傾向があり、自分の意見や態度で相手をねじ伏せるため、結果的に意見が通ることが多いでしょう。しかし後味の悪い状況をつくることが多いため、利害関係でつながる人間関係を除き、敬遠されたり孤独になりやすいかもしれません。そのため、安定した人間関係を築くことが難しいといえます。ジャイアンごめんなさい!

②非主張的タイプ(ノン・アサーティブ)

ドラえもんでいえばのび太タイプです。このタイプは、自分よりも他者を優先し、自分を後回しにします。自分の気持ちや意見を表現しなかったり、 しそこなったりするのがこのタイプの特徴です。あいまいな言い方や消極的な態度もこのタイプになります。

このタイプの人は「嫌われてしまうのでは…」「揉め事がおきるのでは…」という不安から、自分の意見を主張することを避けます。また、相手を大切にしなかったことで集団や社会から排除させることを恐れている心理も働いています。

アサーション3つのタイプノンアサーティブ

・どんな人がなりやすい?
 *自己肯定感が不足
 *見捨てられ不安
 *自己効力感の不足
 *権威的な両親による
  制限された家庭環境

・このタイプの注意点!
このタイプの人は、自分の欲求を抑える苦しさや相手から大切にされないみじめな気持ちから、欲求不満などが積もりがちです。また相手に対して「あなたの言うとおりにしてあげたのに…」といった恨ましい気持ちが残ってしまう事もあります。そして溜まった怒りが時には爆発したり、負荷に耐え切れなくなったときには、心身症になることもあるため注意が必要です。

③アサーティブなタイプ(攻撃的・非主張的の黄金率)

このタイプは、ドラえもんでいえばしずかちゃんタイプです。 自分の気持ちを正直に率直に、その場にふさわしい方法で表現できます。 そして相手が自分と同じように、意見をすることもすすめることができます。

このタイプの人は、相手と意見がぶつかったときには、互いに意見を出し合い、譲ったり譲られたりしながら双方が納得のいく結論を出そうとします。3つの自己表現の中では一番理想的なタイプです。

・どんな人がなりやすい?
 *自己肯定感が育っている
 *幼少期に安定した愛着形成
 *基本的信頼感が高い
 *自己効力感がある
 *ソーシャルスキルが高い

アサーティブなタイプ

・アサーティブは理想的?
ここで3つの自己表現と対人ストレスの関係を示した研究をご紹介します。

関口ら(2011年)は首都圏の大学に通う大学生180名(男性75名・女性105名)を対象に、無記名式の質問紙を用いて、アサーションとストレス反応について調査を行いました。その中で、3つの自己主張の中でアサーションタイプの人が、もっとも対人ストレス反応が出にくいことが分かりました。

3つの自己表現と対人ストレスの割合

グラフから、
攻撃的タイプの人は、いずれの対人ストレスについて、ストレス反応が高い傾向が分かります。
非主張的タイプの人は、アサ―ティブタイプの人と比べてストレスを感じやすく、対人劣等を高く感じる傾向にあることが分かりますね。
アサ―ティブなタイプは、いずれの対人ストレスについて、ストレス反応が少ない傾向が示されています。

つまり、自分の意見を率直に主張でき同時に自分の意見も需要できる人(=アサ―ティブタイプ)は、対人関係においてトラブルが生じにくく、良好な人間関係を築くことができるといえます。

・いろいろな自分がいる!
理想的なアサーティブですが、どんな状況でもアサーションできる人はいないといってもいいでしょう。多くの人は「誰か特定の人の前だと言えない…」「自分が親の立場になると攻撃的になってしまう…」など、自分と相手の関係や状況に応じて、攻撃的だったり非主張的だったりします。

このような状況は、長く作られた特定の行動パターンのため、状況ごとに習慣化されています。すぐには改善ができませんが、トレーニングをすることでアサーティブなコミュニケーションができるようになりますよ。

次回は、タイプ診断・チェックについてご紹介していきます。相手の気持ちを理解する方法を一緒に確認していきましょう!

★アサーティブの3つのタイプをチェック!

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人間関係講座

目次

①意味やトレーニング方法
②アサーティブの意味や歴史
③3つの自己表現タイプ
④アサーティブタイプ診断
⑤人間関係を円滑にする効果
⑥「アイメッセージとは」
⑦「段階的主張-DESC法」
⑧「感謝+断り法」トレーニング
学校や職場できる価値観ワーク
⑩「断りワーク」大人編
⑪「断りワーク」子ども編

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
関口奈保美,三浦正江,安岡孝弘(2011)「大学生におけるアサーションと対人ストレスの関係性:自己表現の3タイプに着目して」ストレス科学研究 26巻,40-47