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協調性がない人の特徴

協調性がない


協調性がない人の特徴②

コラム①では、協調性がない、協調性が低いと言われる人の原因を3つあげていました。具体的には、「集団への帰属意識の希薄さ」自己中心的な考え方」「集団コミュニケーションに対する苦手意識」でしたね。

今回は、協調性が低くなる原因の1つ「希薄な帰属意識」を見直して、集団での協調性を高めることを目指していきましょう。

協調性を高める帰属意識とは?

「帰属意識」とは、ある特定の集団に対して一体感を持つかどうか、また、その一体感の程度を表す心理的な状態を指します。

つまり、自分がその集団の「一員」や「メンバー」であるという意識や自覚をどの程度持っているか、ということですね。たとえば、勤めている会社や参加しているプロジェクトチーム、大学の所属サークル等に、帰属意識を持つ人は多いでしょう。

もともと日本人は、協調性を重んじる国民性として「帰属意識」や「集団志向」が強い、とされていました。しかし近年は、個人主義的な考えを持ち帰属意識が低下している人々が増えてきたとも言われています。

もちろん、偏った理念の集団や閉鎖的なグループであったりと、その集団の特性によって帰属意識を持てない、という場合もあるでしょう。しかし、集団はあくまで個人の集合体です。個々人の意識の在り方で全体に影響を及ぼす事は不可能ではありません。むしろ、1人ひとりの思考がとても重要な役割を果たすのです。

そんな観点から、高める為のポイントを説明していきたいと思います。

帰属意識を高める3つのポイント

ポイントは3つあります。以下に解説をしていきますので、協調性を高めたいと思う際に参考にしてみてください!

1:目的意識を持つ
目的や目標、意義がみつけられると、組織や集団としての存在理由や存在目的についても考えられるようになります。

「自分はどのような目的を持ってこの集団にいるのか、人と関わっているのか」、ということを明確にしていきましょう。そして、その集団や組織に社会的意義や誇りを持てるようになれば、より帰属意識は高まっていくのです。

2:当事者意識
目的や目標がはっきりすると、自ずと「当事者意識」が芽生えてきます。

当事者意識とは、「その事柄に直接関係している」と理解していること、「関係者である」という自覚のことです。何か問題が生じたり、協力すべき場面においても「自分は関係ない」、といつもどこか「他人ごと」のように思ってしまう人は、当事者意識が低いと言えます。

集団の中でのモチベーション、やるべき理由を自分で見つけることができれば、「他人ごと」を「自分ごと」として捉えることができ、行動や振るまいとして表れてくるはずです。

3:役割思考
そして、当事者意識が持て全体も見渡せるようになってくると、その集団やチームの一員として、自分は何をすべきか、何を求められているのかという役割を考えるようになります。

仕事やスポーツにおいても、目的のため、結果を出すためには、個々が「役割思考」を持ってチームワークを構築することが必要不可欠です。

このように、何の為に協力するのかという目的がはっきりすれば、集団の一員としての当事者意識が生まれ、自分には何が出来るか、どう振る舞うべきかが見えてきます。そうしていくうちに、だんだんと帰属意識が持ててくるのです。

そして、集団に所属すること、帰属意識が高まることによるメリットというものもたくさんあります。得られるメリットについても、いくつか紹介していきますね。

帰属意識が高まると得られるメリット

1:幸福感を得られる
人間には、もともと「社会的欲求(帰属欲求)」というものがあります。他の人から注目されたい、好意を得たい、仲間と過ごしたいというような欲求は、当然、集団に所属することで満たすことが出来ます。

北川・藤井(2011・2012)の研究論文でも、帰属意識・共同体意識が高い人ほど、「主観的幸福感」を強く感じている、という結果が示されています。

2:目標達成や良い成果が上げられる
どんなに優れた能力を持っていても、1人の人間の発揮できる力には限界があります。しかし、複数が集まりグループやチームを結成してお互いの意見を出し合うことにより、課題解決や突破口を見出すことが可能となるのです。

お互いにサポートし合い共同で作業することにより、1人では成し遂げられない目標の達成や良い成果があげられるのです。

3:個人だけでは入手できない知識や情報を得られる
個人の資格では入手できないような特別な知識や情報を、特定の集団に所属することで入手できる、ということもあります。

たとえば、ある大学教授のゼミに所属しているということで得られる就職情報等なんかもそうですね。

4:肯定的な社会的アイデンティティが得られる
社会的アイデンティティとは、社会との間で自己のアイデンティティを確認するということです。

自分の属している組織やコミュニティが価値のあるものであると感じ、「自分はこの集団の一員だ」と感じることができれば、自己肯定感や自信にも繋がります。

帰属意識を高めて協調性を伸ばそう

このように帰属意識が高まると様々なメリットが得られるのですね。どうしても「集団に所属すること」の目的が見い出せない、「協力すること」に苦手意識を持ってしまう、という場合はメリットという視点で考えてみてはいかがでしょうか。集団に所属し協力するメリットを理解することができれば、自然と協調性も出てくるはずです。

そして、目的の達成や成功体験によって、まわりの人達に対する態度も肯定的になり、さらに協力行動が増える・・・というような良い循環や人間関係が生まれます。

「このチームでもっと多くの事を得たい」という意欲や「一員になれて嬉しい」というような感情は、きっとその後の人生においても継続的に好影響を与えてくれるでしょう。

次回の協調性コラムでは「自己中心的な考え方の改善」について考えていきましょう。お楽しみに!

★3つのポイントを協調性につなげよう
★帰属意識が高まると協調性も出てくる
★協調性が生まれると人間関係も良好に!

※参考文献
井上隆二・山下冨美代(2000)「社会心理学 (図解雑学)」ナツメ社
北川夏樹・藤井聡(2011)「帰属意識が主観的幸福感に及ぼす影響構造に関する研究」
北川夏樹・藤井聡(2012)「共同体帰属意識と主観的幸福感の規定因に関する研究」
狩野素朗(1995)「対人行動と集団」ナカニシヤ出版、118-130
市川 照久・横山 繁盛・永田 守男・桜井彰人(2004)「企業が求める人材の要件とその育成法」研究技術計画 17(1/2), 90-101,
中村和彦・塩見康史・高木 穣(2010)「職場における協働の創生 : – その理論と実践 – (<特集>協働)」人間関係研究 (9), 1-34
高木浩人 (2006)「大学生の組織帰属意識と充実感の関係」愛知学院大学論叢. 心身科学部紀要 2(増刊号), 61-67, 2007-03-31
高木浩人(2003)「組織の心理的側面一組織コミットメントの探究」白桃書房
田端 拓哉・向井 有理子・宮崎 弦太・池上 知子(2012)「社会的アイデンティティの
多様性と調和性が精神的健康に与える影響―大都市部大学生の場合―」都市文化研修,Vo1114,70-79
尾高邦雄(1981)「産業社会学講義」岩波書店

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