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協調性がない人の考え方を改善する方法

協調性がない


協調性がない人の考え方を改善する方法③

コラム②では、協調性がない、協調性が低くなってしまう原因の1つ「希薄な帰属意識」について考えました。「目的意識」「当事者意識」「役割思考」を持つことで、考え方を見直していく方法をお伝えしましたね。

今回は「協調性がない・協調性が低い」と思われてしまう人の特徴の2つ目「自己中心的な考え方・言動」の改善方法をご紹介していきます。

協調性を高めるには想像力が必要?

自己中心的と言われる人の共通点や特徴の1つとして、「想像力の欠如」があげられます。ただし、この想像力というのは、仕事や創作活動のアイデアやセンスといった想像力ではなく、人とのコミュニケーションに関する想像力です。

例えば、
「こんなことを言ったら、相手は嫌な気持ちになるのではないだろうか?」
「相手を傷つけずに伝えるには、どんな言葉が良いだろうか?」
等と考えられることです。

そのように自分以外の人の気持ちを想像できないがゆえに、自分の気持ちや意見を優先し、自己中心的な考えや言動で人と接してしまい協調性がない人と思われてしまいます。

では、どうしたら相手や関わる人たちの気持ちを想像できるようになるのでしょうか。

2つの方法で協調性を高めよう

自己中心的な考えや言動が多くなってしまう人が、相手の気持ちを想像して協調性を高めるための方法としては、次の2つがあげられます。

・相手の立場や状況を考える
・相手の考えを良く聞く

練習問題を交えながら詳しくご紹介していきます。

① 「相手の立場や状況を考える」
「相手の立場になって考える」というのは、「客観的に物事を見る」「視点を変えてみる」ということです。しかし、他人の気持ちを100パーセント「理解」しようとしたり、気持ちを言い当てる必要はありません。

相手の立場になって気持ちを想像するということは、相手に興味や意識を向けるということなので、そこが重要なのです。「理解」ではなく、まずは、「考えてみる」ことからはじめましょう。

では、「相手の立場や状況」について考える練習をしてみましょう。

練習問題
Aさんは子育てと仕事を両立しています。昨日は、子どもが急に熱を出してしまったため、会社を休むことになってしまいました。今日は出社できましたが、夕方の会議資料がまだ出来上がっていません。新人のあなたは、Aさんに聞きたいことがあり話しかけましたが、怒鳴られてしまいました。

Aさんの立ち場・状況と気持ちをそれぞれ考えてみましょう!

立ち場・状況

気持ち

回答例
(相手の立ち場・状況)
・子育てと仕事を両立している
・昨日会社を休んでいる
・子供の看病であまり寝ていない
・仕事が進んでいない
・夕方までに資料を完成させなければならない
(相手の気持ち)
・子育てのストレス、睡眠不足でイライラしている
・片付いていない仕事があり不安
・急いで資料を完成しなくては、と焦っている 
・今は話しかけないで欲しい 

このように、人との関わる場面では、「相手はどんな気持ちだろう」「他の人はどうだろう?」と“考えるくせ”をつけましょう。相手の立場で考えることが習慣されてくると、自然と協調性も高まってきます。

② 「相手の考えをまずは良く聞く」
自己中心的な人がやってしまいがちなのが、自分ばかり一方的に話してしまうということです。

自分の意見や考えを話すことは得意でも、聞くことは苦手、とする人が多いのです。自己主張をする前に、まず、相手はどのように考えているのかを聞くようにしましょう。

また、「理解したい」という姿勢を示すことによって、相手も話を聞こうとする姿勢が強まり、意見を受け入れてもらいやすくなるという効果もあります。「自分はこうしたい!」「自分はこれは嫌!」という考えを主張する前に、

「あなたはどう思う?」
「○○さんはどうしたい?」
「意見を聞かせてもらえますか?」

のように質問をして、相手の思いや考えを聞いてみましょう。それではここで、以下のような場面ではどのような質問をすれば良いかを2つの練習問題で考えてみましょう。

練習問題1
同じ大学の仲間どうしで旅行の計画を立てることになりました。まだ行く場所や何をするかは全く決まっていません。相手の意見をうまく引き出す質問を考えてみましょう!

質問の仕方

 

解答例
「〇〇ちゃんはどこか行きたいところとかやりたいことある?」
「どこかおすすめの場所や興味があることがあったら言ってね!」

 

練習問題2
Cさんは重要な課題解決プロジェクトチームの一員です。メンバーどうしで意見を交換しあって解決案を考えないとなりません。相手の意見をうまく引き出す質問を考えてみましょう!

質問の仕方

 

解答例
「○○さんの意見を聞かせてもらっても良いですか?」
「些細なことでもよいので、何か考えがありますか?」

 

いかがでしょうか?上手に考えや意見を聞くことができそうですか?1つ注意点としては、沈黙を埋めようと焦って誘導尋問のような聞き方にならないようにしてください。すぐに答えが返ってこなくても、少しの間黙って待つというくせをつけるようにしましょう。

視点をシフトして協調性を高めよう

このように質問を重ねたり、お互いの考えを共有し合うことで、相手とのぐっと距離が縮まり協調性が芽生えてきます。

「自分はどうしたい」という考えから「相手はどのように思っているのか?」「全体がどう進むべきか?」という視点にシフトすること。そこから「何をすれば良いか?」という具体的な行動へ結びつけましょう。

「相手の立場で考える」「相手の話を聞くこと」が習慣化されてくると、自分自身の視野が広がり、想像力も豊かになっていきます。すると、人間には様々な価値観があり、色々な境遇の人々が真剣に考えて人生を送っていることが分かってきます。そして、自分の自己中心的な思考や行動を振り返り改善されると、より円滑で良好な人間関係が築いていけるのです。

次回の協調性コラムでは、「集団でのコミュニケーションの苦手を克服法」についてご紹介します!次回もお楽しみに!

★想像力を高めて協調性を伸ばそう
★相手の立場を考える習慣が協調性を高める
★相手視点にシフトして協調性がないを改善

※参考文献
水野邦夫(2004)「良好な対人関係に及ぼす性格特性・社会的スキルの効果について
– 自己評定データをもとに(人間心理学科)-」 聖泉論叢
渡邊慶一(2013)組織における連携と協働 -“即興表現”でファシリテートする変革のコミュニティ- 京都聖母女学院短期大学研究紀要 42,
本間道子(2011)集団行動の心理学―ダイナミックな社会関係のなかで (セレクション社会心理学)
瀧澤 純・山下 利之(2013)他者の心の推測における自己中心性バイアスに及ぼす特権情報の考慮の効果Cognitive Studies,20(3), 343-352.

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