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デリカシーがない人に「NOを伝える」アサーションとは②

デリカシーがない人に「NOを伝える」アサーションとは②

コラム①では、デリカシーがない人について概観していきました。復習になりますが、ここからは内容を深堀していきます。

今回は、デリカシーがない人との付き合い方「アサーションで自己主張」を解説します。

アサーションとは?

デリカシーがない人と上手く付き合うには、アサーションという方法が効果的です。

アサーションとは、相手とのかかわりにおいて、「自分も相手も」大切にするコミュニケーション技法です。アサーティブを意識することで自分の気持ち、考え、信念などが率直に、その場にふさわしい形で表現することができます。

アサーションの表現は、余裕や自信に満ちており、自分がすがすがしいだけでなく、相手にもさわやかな印象を与えます(平木, 1993)。

デリカシーがない人に困っている自分も他人も大切にするアサーティブな自己表現が最適な方法といえます。

内向的な人ほどアサーティブを学ぼう

3つの自己表現

自己表現には、アサーティブを含めて3つの種類あります。

1:ノン・アサーティブ(ひっこみ型)
自分よりも相手の欲求を優先します。衝突を避けることができても不満を溜め込む恐れがあります。デリカシーがない人に合わせてしまう人はこのタイプです。
例:言ったところで無駄

2:アグレッシブ(攻撃型)
相手よりも自分の欲求を優先します。自分の欲求は通すことができますが、相手への配慮に欠けることがあり良好な関係を築くことが難しい傾向にあります。デリカシーがない方はアグレッシブ型に多いと言えそうです。
例:私は絶対○○だと思う

3:アサーティブ(率直型)
自分の気持ちを率直に表現し、同時に相手の欲求も大切にします。Win-Winでお互い納得できるポイントを探すのでどちらかに負担がかかるということはありません(松本, 2005)。
例:あなたの考えも良いね。わたしは○○もいいと思う

場面によっては、ノン・アサーティブ(引っ込み型)やアグレッシブ(攻撃型)で対応する必要があるかも知れません。しかし、基本的にはアサーティブ(率直型)を使うことでデリカシーがない人の言動をについて自分の意見を伝えることができます。

「わたし~」Iメッセージで伝えよう

アサーションで頻繁に用いられる技術の1つに「Iメッセージ」があります。このテクニックを使うことでデリカシーがない人に「NO」を伝えることができます。Iメッセージとは、主語を「あなた」から「わたし」に変えて表現する方法です。

例えば、相手にマイナスの気持ちを伝える場合
⇒「あなたはひどい人間だね」
 「わたしは残念に思った」

 

人間関係を円滑にしていこう

主語が「あなた」の場合、否定的な発言に感じられますが、主語を「わたし」に変えることで、一個人の意見であることを強調できるので、否定的な印象が薄まります。

デリカシーがない人の言動を注意したい時に、極力トラブルにならないように自分の意見が伝えられるので、コミュニケーション手法としてIメッセージを使っていきましょう。

感情と行動の一致が大切

先ほどご紹介したIメッセージは、自分の感情を素直に伝えるときにも活用できます。コミュニケーションでは「感情と行動」にギャップが出ると、人間関係でストレスを抱え込みやすくなります。

例えば、
待ち合わせ時間にひどく遅刻してきた友人が「ごめんね~」と謝った場合

「大丈夫、大丈夫!」

「気にしてないから行こう!」

このように返事をする人は多いかもしれませんね。

自分の素直な感情であれば問題はありません。しかし、実際には「デリカシーがない」などネガティブな感情を抱いているなら、人間関係でストレスを抱きやすくなってしまいます。

ポイントは、
感情と行動が一致
していることです。

ネガティブな感情も行動と一致させることが大切ネガティブな感情であっても、素直に発言することがメンタルヘルスを保つためには大切です。

感情と発言にずれた状態が長期間続くと、腹痛や頭痛など体に不調が出ることがあり、状態が悪くなると、うつ状態になるケースもあるため注意が必要です。

ネガティブな感情は、ごく自然な感情で誰にでもあるものです。どのような感情であれ、適切に表現することが大切です。

先ほどの例のような場合、
モヤモヤしている気持ちがあるなら「Iメッセージ」を使って

「わたしは約束の時間を間違えたのか不安になった…」

「わたしとの約束を大切にされていないように感じて切なかった…」

主語を「わたし」に変えて、感情との矛盾がない行動(発言)をして、デリカシーがない人に上手く対応していきましょう。

デリカシーがない人に対応する練習!

それでは早速、練習問題をやってみましょう。ポイントは、主語を「あなたは」「私は」を意識して作成します。以下の問題を読んで、文章を考えてみてください。

練習問題1
あなたのパートナーはデート中の食事でくちゃくちゃ音を立てて食べます。あなたはそれが気になって注意したいと考えています。

・Iメッセージを使って柔らかく意見を伝えてみましょう。

 

・YOUメッセージを使って強く自己主張してみましょう。

解答例
・Iメッセージ
⇒私は毎回デートしてくれるのは嬉しいけど、
くちゃくちゃ音を立てて食べるのはやめてほしい…

・YOUメッセージ
⇒(あなたは)食べ方が汚い!くちゃくちゃ音立てないでくれる?

この解答では、Iメッセージを使って、デートしてくれて嬉しいことを伝えた上で、食べ方を不快に思う気持ちを伝えています。「私は・・・」を使って、ポジティブな感情とネガティブな感情を伝えることで丁寧な印象になります。YOUメッセージは上記のように強い表現になりやすいので、いざというときに使うイメージですね。

練習問題2
あなたの上司は口が悪いです。仕事でミスをする度に「ブス、バカ」と罵られてしまいます。さすがにデリカシーがないと感じ、注意したいと考えています。

・Iメッセージを柔らかく意見を伝えてみましょう。

 

・YOUメッセージを使って強く自己主張してみましょう。

 

解答例
・Iメッセージ
⇒私自身、至らないことが多くあり、改善していくべきだと考えています。ただ、悪口を言われると傷ついてしまいます・・・

・YOUメッセージ
⇒お言葉ですが、あなた口が悪すぎます。もっと丁寧に指導すべきです。

この解答では、Iメッセージを使ってネガティブな柔らかく伝えています。「私のミス」を受け入れた後に、全体を含めることで、上司の言葉遣いについて言及していますね。YOUメッセージでは相手の行動を否定しているので批判的な印象になっています。

自分も相手も大切に人間関係を構築しよう

デリカシーがない人に対処!

アサーションは、自分も相手も大切にするコミュニケーション技法です。アサーティブなコミュニケーションは、どちらか一方の意見を採用するのではなく、お互いのコミュニケーションで正解を作っていく手法です。

デリカシーがない人にはつい強い口調で言いたくなるかもしれませんが、良好な人間関係を作るためにも、まずはアサーティブに対応するようにしましょう。

次回は、デリカシーがない人との付き合い方「限界設定」について紹介します。お楽しみに!

★ アサーションで自分の気持ちを素直に表現!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
平木典子 (2009). アサーション・トレーニング: さわやかな自己表現のために. 日本・精神技術研究所.
松本 啓子(2005).大人も知らない「本当の友だち」のつくり方, 講談社.