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夫婦喧嘩を防ぐ「感謝の気持ち」伝え方のコツを解説

夫婦喧嘩を防ぐ「感謝の気持ち」を解説⑦

コラム①では、夫婦喧嘩について概観していきました。今回からは具体的な解決策を1つ1つご紹介していきます。少しおさらいすると「①現在地を知る」「②価値観の違いを受け入れ、歩み寄る」「③相手を尊重したコミュニケーション」「④共通の話題作り」「⑤感謝の気持ちを持つ」「⑥人間関係前向きメガネ」「⑦気分一致効果」というものでしたね。

今回は「感謝の気持ちを持つ」についてご紹介していきます。

感謝がないと夫婦喧嘩に!

新婚の頃や付き合って間もない頃を、思い出してみてください。パートナーとの間には感謝の気持ちが、あふれていませんでしたか。

人は慣れていく生き物です。パートナーとの生活が長くなると相手の存在が当たり前になってしまい、感謝の気持ちが薄れてしまいます。

感謝の気持ちが減ると、相手への不満や否定的な感情がふくらんでしまい、夫婦喧嘩の原因となってしまうのです。

感謝が多い→離婚しにくい

夫婦関係など相手との付き合いが深くなってくると、だんだんと相手の感謝の気持ちを口にすることが少なくなってきます。

感謝を表現しないと、相手に対して否定的な感情が増えてしまう可能性もあるため注意が必要です。心理学の研究では、普段から相手に感謝の気持ちを伝えると、人間関係が良好になることがわかっています。そこで、感謝と良好な人間関係について調査した心理学の研究を見ていきましょう。

Allen W. Barton(2015)ら米国ジョージア大学の研究チームは、468組の夫婦を対象に感謝の表現が結婚関係にどのような影響を与えるかを調べました。以下は、女性の離婚のしやすさに影響する結果です。この図1は、縦軸が離婚のしやすさ、横軸が夫婦間における直接的なコミュニケーションの程度です。

結果は、感謝表現が多く、直接的コミュニケーションが高い夫婦の離婚のしやすさは低く、逆に感謝表現が少ないと離婚のしやすさが大きくなることがわかります。

以下の図2は、男性の離婚のしやすさに関する結果です。図2は、縦軸が離婚のしやすさ、横軸が妻は要求/夫は我慢型のバランスがとりづらい2人のコミュニケーションの場合の結果です。

夫婦喧嘩

図のように、夫婦間のコミュニケーションのバランスが悪く、感謝表現が低い夫婦の男性における離婚のしやすさは高いことがわかります。バランスが悪くても感謝表現が多ければ離婚しやすさはほぼ一定という結果になっています。

この結果から、感謝表現が大小が男女ともに離婚のしやすさに影響することがわかりました。また、特に配偶者の感謝の表現が男性にとって離婚のしやすさについて反映することがわかりました。

夫婦喧嘩を防ぐ相手との関りのコツを解説

女性の場合は、配偶者の感謝の表現よりも「我慢」が統計学的に有意に離婚のしやすさへ影響する結果になっています。素直なコミュニケーションができないことは女性にとって大きなストレスになると考えられます。つまり、夫婦間で我慢/忍耐ではなく、直接的に感謝の表現があればあるほど、結婚満足度上がることがわかっています。

離婚のしやすさについては、男女ともに素直なコミュニケーションがなく我慢が増えることで離婚のしやすさが高まります。このことから、日常的に感謝する気持ちが夫婦関係の質を高め、相手に気持ちを積極的に伝えることが良好な夫婦関係の継続につながるといえそうです。

3ステップ!パートナーに感謝を

今回は
「もしパートナーがいなくなったら⇒ありがとう発見法」
をご紹介します。

もしもパートナーがいなくなったら…と考えることで、日常生活に感謝するポイントを見つけていく方法です。具体的には、以下の3ステップで行っていきます。

STEP1:パートナーがいなくなったら?
STEP2:感謝ポイントに変換する
STEP3:すぐに伝える

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STEP1:パートナーがいなくなったら?
もしもパートナーがいなくなったら、どんなことが起こるかを日常生活の中で考えてみましょう。

例えば

・食事を作らなければならない
・朝起こしてもらえない
・家庭の収入が減ってしまう

日常の些細な出来事にも、目を向けることが大切です。夫婦の生活が長くなると、パートナーがいてくれること、やってくれることが当たり前になりがちです。もしもパートナーがいなくなったら…と考えてみると、パートナーの存在があって、今の暮らしが成り立っていることに気付けるでしょう。

STEP2:感謝ポイントに変換する
STEP1で出した状況を感謝する言葉に変換してみましょう。

・食事を用意してくれてありがとう
・毎朝起こしてくれてありがとう
・家族のために働いてありがとう

感謝する気持ちに変換すると、パートナーへの「ありがとう」が生まれてきます。

STEP3:すぐに伝える
感謝の気持ちを持つことができたら、相手にしっかり伝えましょう。

ポイントは、その場ですぐに言うことです。時間がたつと感謝の気持ちが薄れたり、タイミングを逃しがちです。すぐに感謝の気持ちを伝えていけば、夫婦喧嘩につながるイライラや心のズレも修復に向かうでしょう。また毎回同じ言葉を使っていると新鮮味が薄れてきます。言葉にもこだわって「感謝上級者」を目指しましょう。

例えば
・本当に助かっている
・○○できるのもきみのおかげ
おいしいね、ありがとう
・ありがとう!ホッとできる
助かったわ!ありがとう。
・○○してくれて感謝してる
すごく楽しい、ありがとう
・ありがとう!安心できた
私を一番に考えてくれてありがとう

パートナーへの素直な感情を添えると「ありがとう」の言葉もイキイキしてきますよ。

夫婦喧嘩を回避する3つのステップ

事例で確認!ありがとう発見法

ここで事例をもとに「もしパートナーがいなくなったら⇒ありがとう発見法」を見ていきましょう。

事例
タナカさんは、結婚15年目。
旦那さんと小学生の2人と暮らしています。

タナカさん夫婦は、共働きのため家事は分担して行っています。旦那さんは、何事にも熱心で真面目なため、担当になっているゴミ出しとお風呂掃除は一生懸命やっています。しかしそれ以外のことはお願いしないとやってくれないため、タナカさんは「もう少し気配りしてくれたら…」とイライラした気持ちになります。

また休日の旦那さんは、長男だけを連れて野球チームの指導に行ってしまうため、家族旅行にもなかなかいけません。結婚前は旅行に行て楽しい時間を一緒に過ごしていたのに…と寂しい気持ちになります。

このような日常を過ごすタナカさんは、旦那さんの顔を見るたびにイライラしてしまい、夫婦喧嘩が絶えません…。

そんなタナカさんのご主人のありがとうを発見していきましょう!

STEP1:パートナーがいなくなったら?

・ゴミ出ししてくれる人がいない
・家事を一緒にする人がいなくなる
・家族旅行が3人になってしまう

STEP2:感謝ポイントに変換する

・ゴミ出しをしてくれてありがとう!
・熱心にやってくれてありがとう
・家族4人でいられて幸せ。いつもありがとう

STEP3:すぐに伝える

ごみを出しの日…
ごみを出してくれてありがとう。今日はたくさんあったから大変だったでしょ。お疲れさま

家事をやってくれた時…
いつもありがとう。すごく助かったよ~またお願い!

夫の顔が見られた時…
いつも家族のために、がんばってくれてありがとう。家族4人でいられると幸せだね

ありがとうを見つけてしっかり伝えていくことで、タナカさん夫婦の幸福度もあがりそうですね。

 

夫婦喧嘩を3つのステップで防ごう

実践!「ありがとう」で夫婦喧嘩を回避

それでは実践編として、みなさんの日常生活の中から、パートナーへのありがとうをみつけて、感謝の言葉を作っていきましょう。

練習問題
STEP1: もしパートナーがいなくなったら?

 

STEP2:感謝ポイントに変換してみましょう。

 

STEP3:伝える場面を考えてみましょう。

 

 

 

解答例
STEP1
⇒雨の日に駅まで送迎してくれる人がいない
STEP2
 ⇒雨の日の通勤が送迎のおかげで助かってます。ありがとう!
STEP3 
⇒車に乗ったとき

STEP1
 ⇒お弁当を作ってもらえない
STEP2
 ⇒お弁当を毎日作ってくれてありがとう。美味しくてバランスがいいからランチタイムがいつもたのしみなんだ。
STEP3
⇒お弁当箱を返すとき

いかがでしたか。日常を改めて見てみると、感謝できることはたくさんあるのではないでしょうか。パートナーがいなくなった時を考えて、ありがとうの場面をたくさん見つけてくださいね。

感謝することで幸せな人生を!

今回は日常生活に感謝の気持ちを見つけて、伝えることの大切さをお伝えしました。日常に感謝の気持ちが増えてくると、イライラすることが減り一日一日が幸せな時間に感じられるようになると思います。3つのステップでパートナーへの「ありがとう」をみつけたら、しっかり伝えてくださいね。

★夫婦喧嘩を起こさないコツ「感謝の気持ちは惜しみなく」伝えよう!

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人間関係講座

目次

①夫婦喧嘩-概観
②診断でチェック
③夫婦喧嘩レベル
④価値観の違いを越える
⑤自他自尊を身に付ける
⑥会話レスから脱却するコツ
⑦「感謝の気持ち」見つけ方
⑧人間関係前向きメガネ
⑨気分一致効果で仲直り

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考資料・引用文献
Robert A. Emmons, Michael E. McCullough(2003)「Counting Blessings Versus Burdens: An Experimental Investigation of Gratitude and Subjective Well-Being in Daily Life」
Journal of Personality and Social Psychology 2003, Vol. 84, No. 2, 377–389
Allen W. Barton,Robert B. Nielsen(2015)「Linking financial distress to marital quality: The intermediary roles of demand/withdraw and spousal gratitude expressions」Wiley Online Library Personal Relationships Volume 22, Issue 3