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人が嫌いで怖い原因

人が嫌いで怖い原因「公的自己意識」とは④

コラム③では、人が嫌いの2つ目の原因である「ネガティブな部分に注目する」をご紹介しました。1つの視点にとらわれず、視野を広げて、柔軟に考え方をすることが大切でしたね。今回は、人が嫌いを克服する方法の3つ目「自分の考えを大切にする」についてご紹介します。

人が嫌いと周囲の目

私たちは何か行動する時に、多少なりともの他人の目線や評価が気になるものです。言動や見た目、女性であればメイクが周りから浮いていないか、時、場所、場合を考えているかもこれに当たります。また、「〇〇と言ったら、相手にどうみ見られるか?」と考えて、発言を控えることも当てはまります。

公的自己意識の問題

こうした周囲からの視線に意識が向いてしまうことを「公的自己意識」呼びます。「公的自己意識」が強くなると対人不安が起こりやすいと考えられています。キム(2005)の研究では、522名を対象に調査票を用いて、「公的自己意識がメンタルへルスにどんな影響を与えるか?」について調査を行っています。

その結果、上記の図のように公的自己意識は「対人不安」や「同一性確立(自分らしさの欠如)」に影響することが分かりました。周囲からの目を意識しすぎると、人とコミュニケーションを取るのが怖くなったり、自分を出すことが難しくなってしまうのですね。

他人の評価は、いくらでも変わるため、日々の生活のなかで、あなたのことがよく思っている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。例えば、あなたの趣味が好きな人もいれば、嫌いな人もいます。また、あなたの地元が好きな人もいれば嫌いな人もいます。

このように人によって、多様に変わる他人からの評価に毎回付きあっていては、常に不安にさいなまれることになります。もちろん公的自己意識は社会的に必要なものですが、過剰に意識してしまう場合は要注意です。

私的自己意識はブレない

一方で、私的自己意識とは、自分自身がどう思うか?どうありたいか?を大事にする心理を表します。周囲からの評価は自分を客観的に知るには大事ですが、それと同様に、自分自身がどうありたいかに重心をおくのです。

私的自己意識は頻繁に変わることはなく一定なので、他人からの評価にいちいち左右されません。「自分は○○な人間だ」と自分を深く知ることで、他人とは違う自分というアイデンティティを確立することができ、他人を目を過剰に気にすることがなくなります。

もちろん、全て自己中心的に決めるのはNGですが、人が嫌いな気持ちが強いの方は私的自己意識を大切にことが必要でしょう。

「人が嫌い」を改善したミウラさん

ここで、私的自己意識を持つことで、人が嫌いな気持ちを改善したミウラさんの事例を見てみましょう。ミウラさんは、大人しく勤勉な性格で男性です。現在、婚活中でお見合い相談にいくと、相談員から

「表情がぎこちない」
「もっとリラックスして笑顔で!」

と言われました。そこで、ミウラさんは自然な笑顔のために、リラックスした笑顔のトレーニングをしました。練習の成果もあってか、婚活パーティーでカップルを作ることができました。しかし、喜びもつかの間、1回目のデートでフラれてしまいます。女性にその理由を聞くと、

「笑顔に元気がない」

とのことで、ミウラさんは笑顔に自信をなくし、女性が信じられなくなってしまいました。心の傷は深く、ミウラさんはより一層表情がぎこちないものとなり、今までよりも周囲の目が気になるなど公的自己意識が過剰になってしまいました。

私のところにカウンセリングに訪れたミウラさんは「周りの目が・・・」という言葉を何度も使っていました。そこで私は「ミウラさん自身がどうしたいか?」を深く質問していきました。最終的に、ミウラさんは

「多少元気がないと言われても笑顔を大事にする」

と自分らしさ確立させ、婚活を続けました。明るさには欠けるものの、リラックスした微笑みができているので「それはそれでOK!」と自分の強みを理解できるようになりました。その結果、3ヶ月後に新しい彼女を作ることができました。

私がミウラさんに「ミウラさん自身はどうしたいのか?」を探ったのは、私的自己意識を大事にすることが目的でした。「周りが否定的だとしても、それは個人の考えであって100%ダメではない」「自分の価値観を大切にする」という意識を持ってもってもらいたいのです。

自分の考えを大切にしよう

人が嫌いな気持ちがある時は、ミウラさんのように「自分はどう考えるか」を大切にしてみましょう。そこで「自分への理解」が形成されると、自信が生まれ人が嫌いな気持ちが軽減されます。不安な時や人が嫌いな気持ちがある時は、アイデンティティを確立させるいい機会だと捉えて、自分らしさとは何かを考えてみましょう!

次回は、これまで解説してきた内容のまとめです。一緒に確認していきましょう!

★ 人が嫌いな時は、自分の「価値観」を軸に行動しよう!

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・キムら(2005)韓国と日本の大学生における対人不安と同一性,公的自己意識,相互依存的自己との関係 パーソナリティ研究 14(1), 42-53, 



公的自己意識を和らげよう