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人間嫌いを改善しよう

 人間嫌いで生きづらい!を改善する「認知療法のテクニック」③

コラム②では、人間嫌いの1つ目の原因「消極的な完璧主義」の対策を考えました。ネガティブに働いていた完璧主義をポジティブに作用する完璧主義にチェンジすることで人間嫌い緩和できるという内容でしたね。今回は、人間嫌いを改善する2つ目の方法「捉え方を変換する」について詳しく解説します。

「人間嫌い」なスズキくんの事例

認知療法とは1950年代から始まった心理療法の1つで非常にポピュラーなものです。認知療法では、

①「現実」と「認知」を分ける
②思考の歪みを正す

という手順で偏った考え方のクセを改善し、心の健康を目指していきます。

まずは、社交場面か嫌いなスズキくんの事例をみていきましょう。新入社員のタナカくんは、会社の同僚と飲み会をすることになりました。普段から人間嫌いな傾向にあるとスズキくんですが、同僚とだけならと飲み会に参加しました。飲み会では最初に自己紹介があり、スズキくんは自分が自己紹介をしている時に、数人がニヤニヤ笑っているのが目に入りました。

スズキくんは
「馬鹿にされている!」
と考え、人間嫌いな気持ちが強くなってしまいました。スズキくんは自信をなくし、「これだから嫌なんだよ…」と飲み会であまり話さなくなってしまいました。この時のポイントは、数人がニヤニヤ笑っていた「現実」とタナカくんが「認知(どう捉えたか)」を分けて考えてみることです。

「事実」ニヤニヤ笑っていた
「認知」馬鹿にされた!

このように別々のものとして考えてみるのです。ニヤニヤ笑っていたことは「現実」ですので間違いないでしょう。しかし、「馬鹿にされたかどうか」は捉え方次第でいくらでも変わってきます。

ニヤニヤした同僚たちは本当にスズキくんを馬鹿していたのでしょうか。隣の人との会話が盛り上がって笑っていただけかもしれませんし、単純に思い出し笑いをしていたのかもしれません。実際のところわからないです。しかし「ニヤニヤ笑っている=馬鹿にしている」と捉えたことで、不安が強くなり、飲み会での会話もうまくいきませんでした。

捉え方を修正する

「現実」と「認知」を別物として考えることができたら、次に認知の歪みを修正してきます。認知の歪みとは根拠のない偏った考えのことです。認知の歪みは心のクセのようなものなので、自分で修正することもできます。

考え方などの「心のクセ=認知の歪み」を修正する専門的な手法を認知行動療法といいます。今の現実の中で考えられる可能性を挙げて、その中で妥当な判断をし、「認知の歪み」をフラットにしていくことが大切です。例えばスズキくんの考えを修正してみると

「馬鹿にされた!」  

   ↓
「数人が笑っていたが、本心を聞いたわけではない。
 もしかしたら、久しぶりの飲み会でテンションが
上がって笑顔になっていただけかもしれない」

と修正か考えられます。


「どう捉えるか」に正解はありませんが、1つの視点にとらわれずに、より多くの視点を持つことでより正しい認知に近づけることができます。それではここで、視点を複数に増やすための練習問題に取り組んでみましょう!

人間嫌いを解消する捉え方を練習!

認知療法はしっかりやると5ステップぐらいあるのですが、今回は取り組みやすいように2ステップでチャレンジしてみましょう。具体的には

① 現実と認知を分ける
② 認知を修正する

です。

練習問題
事例:私は毎日仕事で上司から怒られている。私は無能な部下なんだ。

① 事実と認知を分けてみよう

② 認知を修正しよう

 

まずは自分なりにチャレンジしてみましょう

解答例
① 事実と認知を分けてみよう

「事実」 毎日上司に怒られている 
「認知」私はダメな部下なんだ

② 認知を修正しよう

・上司が怒るのは自分を認めているからかも。
 いままで成功したこともあったから
 100%ダメな部下ではない。

・上司には私だけではなく、他の人も
 怒られている。
 注意される度に重く捉えていては
 気が持たない、右から左に流そう。

人間嫌いが強い人は「いつも自分に原因がある」と思ってしまうので、こういう考え方も時には必要です。ちょっとひねくれた見方をすれば「上司の性格や指導法に問題がある」という捉え方もあるかもしれません。


練習問題
友人にメールを送ったが、一向に返信がこない。私は嫌われているに違いない。

① 現実と認知を分けてみよう
② 認知を修正しよう

 

まずは自分なりにチャレンジしてみましょう

解答例

① 現実と認知を分けてみよう

 「現実」返信が返ってこない
  「認知」嫌われているに違いない

② 認知を修正しよう

 ・嫌われている可能性も考えられるが、
  もしかしたら仕事が忙しいのかもしれない

・もう少し待ってもこなかったら、また連絡してみよう
 タイミングをづらせば応じてくれるかも。

人間嫌いは視点の多さで対処!

練習問題をやってみていかがでしたか?ここでの答えはあくまで例で、答えではありません。より多くの考えが出てくれば素晴らしいです!ぜひ複数の視点で考えてみてくださいね。日々の生活の様々な場面で、「妥当な判断」を意識してみてください。人間嫌いを解消させるには、視野をいくつも増やす練習を習慣にしてしまうことです。

失敗する自分やネガティブな考え方だけに注目するのではなく、視野を増やして様々な可能性を考えてみてください。視点が広がれば、人間嫌いの改善だけでなく、ストレスの軽減や、モチベーションの向上などの効果も得られることもありますよ。

次回は、人間嫌いを緩和する方法の3つ目「周りの目を気にしない」についてご紹介します。

★ 人間嫌いは「認知の歪み」から!視点を増やして気持ちをフラットにしよう

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*出典・参考文献
認知行動療法を学ぶ(下山晴彦編 金剛出版,2011)
認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)