褒める言葉力UP!「結果」よりも「努力」を褒めよう③
当コラムでは、「褒める言葉」について解説しています。全体の目次は以下の通りです。
・褒める言葉のコツ-概観
・語彙力を増やそう
・結果よりも努力を褒める
今回は、「結果よりも努力を褒める」を解説していきます。
褒める言葉のコツー努力褒め
まずは努力褒めの意味から見ていきましょう。
努力褒めとは、結果をほめるのではなく、努力した過程や気持ちを称賛するのです。
ここで、努力褒めと結果褒めの違いを見ていきましょう。
*結果褒め
・結果がでない時に褒められない
・成果主義は安心感がなくなる
・殺伐としやすい
・活用例
今日のプレゼンによってクライアントが前向きになっていたよ。ビジネスは結果がすべてだからね。その点は良かったよ。
*努力褒め
・結果がでなくても褒められる
・安心して挑戦できる
・穏やかになりやすい
・活用例
今日のプレゼンは感動したよ。プレゼンの練習をはじめた当初はどうなるかと思ったけど、ゼロの状態から何十回もリハーサルをして、生き生きと表現できるようになったよね。粘り強いところが本当にすごいと思う。
結果褒めは、相手のパーソナルな部分は関係なく「成果を出した人がすごい」という解釈が前提にあり、相手を窮屈にさせてしまう可能性があります。
一方で努力褒めは、結果にかかわらず相手を褒めることができます。そのため、相手を煽ることもなく、穏やかにサポートすることができます。成果が出なくても、頑張った分の努力は認めてあげましょう。
努力褒めの3つのコツ
努力褒めのやり方は以下の3つあります。
①チャレンジした気持ちを褒める
結果にかかわらず、まずは挑戦したことを褒めるようにしましょう。チャレンジすることは簡単なことではありません。
失敗して大切なものを失う可能性もありますし、傷つくこともあるでしょう。
こうしたリスクを背負ってでも行動を起こしたことは、十分に褒められる行為だと言えるでしょう。挑戦したこと自体にフォーカスすることで、褒める言葉もかけてあげられるようになります。
②努力した気持ちを褒める
成果を上げるまでの努力を褒めるようにしましょう。すごい結果を出した人も、あまり結果を出せなかった人も少なからず努力はしているはずです。
結果を出せなかった人は褒めない!ではなく、努力の部分を褒めることで、次により良い結果を出せるように援助することができます。
③小さな成功を褒める
大きな成功につながる小さな成功を褒めるようにしましょう。塵も積もれば山となるという言葉あるように、華やかな結果は、小さな成功の積み重ねによって成り立っています。
その過程を無視して、結果だけで判断すると「努力は無意味だ…」という価値観を植え付けてしまうことにもつながります。たとえ結果が思わしくなくても、小さな成功を認めてあげるようにしましょう。
練習問題で褒める言葉力⇧
それでは、褒める力をさらに伸ばすために、練習問題をやってみましょう。
以下の褒める言葉に、結果までの努力を表現に加え、文章を作成してください。
練習問題1
新入社員の部下が初めて受注をした。これまでは何かあっても「良かったね!」と褒めて終わっていた。
結果までの努力を表現に加えてください。
⇒
解答例
初受注おめでとう。1か月前から応答集の作成までして頑張った甲斐があったね。取引先に行った時も書類をしっかり作りこんで、情熱をかけた結果だと思う。〇〇君の良いところは粘り強いとこだよな~
練習問題2
あなたには息子がいます。毎回30~50位が多いのですが、今回は期末試験の結果が10位でした。いつもなら「今回のテスト、よくがんばったね。」と褒めて終わるところです。
結果までの努力を表現に加えてください。
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解答例
今回のテストは好成績だったね。毎日頑張って勉強していたから、その成果が出て、随分順位が上がったね。ゲームも我慢してやりたいこともあったと思うけど、伸びた成績以上に頑張れたことが大事なんじゃないかな。お母さんもうれしい!
練習問題3
あなたには息子がいます。毎回30~50位が多いのですが、今回は努力をしたにも関わらず期末試験の結果が100位でした。いつもなら褒め言葉に困って触れないようにしていました。
結果までの努力を表現を加えて褒めましょう。
⇒
解答例
今回頑張ったけど残念だったね。毎日頑張って勉強していたから、その知識自体は絶対身についていると思うよ。成績以上に頑張れたことが大事なんじゃないかな。〇〇が頑張っている姿が頼もしかったわ
まとめ+お知らせ
まとめ
褒める力を伸ばす練習問題をやってみていかがでしたか。
「褒める言葉」にも色々ありますが、相手の様子をしっかりと見て、結果がどうあれ取り組んだ努力を認めてあげることで、効果的な褒める言葉になります。実践しながら褒める力を伸ばしていきましょう。
お知らせ
コラムだけでなく専門家の元でしっかり学びたい!という方には、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では
・褒める練習
・ストロークの基本
・リフレーミング
など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。私も講師をしています(^^)ぜひお待ちしています。
コラム監修
名前
川島達史
経歴
- 公認心理師
- 精神保健福祉士
- 目白大学大学院心理学研究科修士
取材執筆活動など
- AERA 「飲み会での会話術」
- マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
- サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
- TOKYOガルリ テレビ東京出演
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出典・参考文献
浅沼 美里 山本 奬(2018)教師からのほめられ経験・叱られ経験がその後の自己効力感に与える影響 岩手大学大学院教育学研究科研究年報 第 2 巻(2018.3) 49−57