会話場面に積極的になる方法-会話入門心理編⑩
コラム⑨では、会話上手になるための「ジョハリの窓」をご紹介しました。オープンの窓を広げることで、相手と信頼関係を築いてくださいね。今回は、「会話に積極的になる方法」についてお伝えします。
「回避行動」で会話が苦手になる
会話が苦手な方に多い行動の1つに「回避行動」があります。これは、不快な体験や考えを回避する行動のことをいいます。
営業職Aさんを例にを挙げて説明します。Aさんはお客さんと話をするためには、その日の話す内容を準備し、電話で日時を約束する必要がありました。
Aさんの状況
→電話でお客様と会話する
Aさんの感情や身体症状
→会話すると考えるだけで胸がドキドキし、息苦しくなる
Aさんの回避行動
・掛かってきた電話を取らない
・多忙なふりをしてメールで回答する
このように「予期不安」から実際に、体験を避けてしまう状況を回避行動と言います。回避行動は会話への不安をさらに高め、負のループを生み出しています。
回避する人としない人の違い
それでは、過去に失敗した体験や自分が不快に思うことは、一生回避しつづなくてはいけないのでしょうか?もちろん、デメリットだけしかない行動を行うことはないですが、人生には恐怖がありつつも行動すべき状況が何度も訪れます。
例えば、講師川島は講演の依頼をよく受けます。しかし、私は元々極度のあがり症でした。同時にコミュニケーションを豊かな社会を作るという「真にやるべき目標」を持っています。
講演をすることは私にとっては使命と考えています。あがりたくはないが講演はしたい・・・引き受けるかどうか葛藤します。この時以下の3つステップを行うことで回避せずに目標に向かうことができます。
①目標を決める
・講演をして社会に貢献する
②対処法を準備する
・あがりそうになったら
リラクゼーションを行う
・やりきった後をイメージする
③実行する
・予期不安に対して対処法を準備したら、
思い切ってクライアントに「YES」の連絡をする
この時、もし私が予期不安に囚われていたら、感情・思考に巻き込まれて、講演を断ってしまうこともあります。実際、講師として未熟な25歳ぐらいの時は、恐ろしさのあまり講演を断ってしまったこともありました。しかし、それでは一度しかない人生で、真にやるべきことができません。目標を持ち、不安への対策を練っておくことで行動範囲が広がり、また不安や緊張ともうまく付き合えるようになりました。
実際にやってみる!で会話は克服
①目標を小さく刻む
先ほどのAさんの場合、お客さんと話すことに対して全般に回避行動が見られます。そのためまずは、少しずつお客さんと話すこまに関連仕事を増やしていくことになります。そして、不安を解消するためには、今の自分が簡単にできそうなことを挙げ、1つ目標を作ることがポイントです。まずはAさんができそうなことを挙げてみます。
OK例
・話す内容のカンペを作って読む
・まずは電話を取ればOK うまく話せなくてOK
・電話を取ってあらかじめ同僚に頼んでおいて
変わってもらう
ポイントは、自分の感覚で、少し頑張ればできそうな目標を作っていくことがポイントです。スモールステップを創って難易度の低いものからチャレンジしていきましょう。
NG例
ただし、以下のような目標はNGです!
・電話では必ず明るく話す
・噛まないように話す
・相手が喜ぶ話し方を心がける
これらの目標はあいまいですし、難易度が高すぎて、予期不安が増大します。「これぐらいならできそうだな・・・」というイメージができる目標があなたにとってちょうどいいレベルなのです。
失敗するイメージが頭に浮かぶ目標は作らないようにしましょう。ここで、練習問題としてあなたが回避行動していることについて、目標を設定してみましょう。
練習問題
あなたのやれそうなことを挙げてその中のひとつを最初の目標にしよう!
やれそうなこと
・
・
・
目標
「 」
②対処法を準備する
頑張ればできそうなことを挙げその中の1つを目標にするという方法を紹介してきました。次に「お守り」を考えましょう。目標どおりに行動できればOKなのですが、現実的にはそう甘くありません。そこで、不安が強くなってきたときのお守り側の対処法を準備します。
ポイント は
・すぐにできる
・身体的・経済的コストがかからない
です。
例えばAさんの場合は、
・ コラム③で学習した丹田呼吸法をする
・ 隣のデスクの同僚に「緊張するな~」と話す
を準備しました。それでは、あなたの場合を考えてみましょう。
お守りになるの対処方法を書き出してみましょう。
⇒
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③実践、確認してみましょう
さて!ここが一番大変なところです。目標と、対処法が決まったら、あとは思い切って実行しましょう。もちろん予期不安があるので、実際はなかなか実行するのが難しいかも。ただし、あなたにはお守り代わりの対処法があります。
もし予期不安が出たら、対処法を活用すればいいのです。また終わったあとは、できたことの確認も必ず行います。行動できたら自分を全力で褒めましょう。また実際に回避してしまった場合は、目標をもう少し下げて、再チャレンジしてみてください。
会話は場数を踏むことが大事!
ここまでお疲れさまでした!回避を続ける癖をつけると、会話する機会が少なくなります。そして、さらに会話への苦手意識が増えてしまいます。少しずつ目標を決めて回避のループから抜け出すようにしましょう。
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