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会話はOPENを広げる意識を持つ!会話入門心理編⑨

会話はOPENを広げる意識を持つ!会話入門心理編⑨

コラム⑧では、「ネタ帳で話題を準備」についてご紹介しました。強調言葉をプラスして伝えたい気持ちをより明確に強く伝えてる発話スキルでしたね。練習を重ねて習得を目指してください。

今回は「会話に積極的になる方法」について解説していきます。

会話と「ジョハリの窓」

ジョハリの窓は、1955年にサンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インカムによって提出された歴史あるフレームワークの1つです。ジョハリの窓の目的はずばり、「円滑な会話やコミュニケーション」です。ジョハリの窓を学習すると、なぜ会話に行き違いが生じるのか?を端的に理解することができます。

伊藤ら(2018)の研究では、「ジョハリの窓による効果」について調査を行っています。80名の中学生を対象とした実験では、自己との対話を促したりファンレターを作成したりするワークシートを用いて、各授業の最後にはふり返りシートにより授業での気付きや自己評価を記述してもらいました。

実際に授業でジョハリの窓を使って効果を調べたわけですね。その結果、以下の図のようになりました。

 

これは全授業が終了時に生徒たちにアンケート調査を行った結果です。「新しい自分を発見できた」「自分を表現することができた」のいずれも80%高い数字を出しています。ジョハリの窓は自己理解を深める効果は期待できそうですね。

ジョハリの窓で自分をオープンに

ジョハリの窓では、「自己」を4つの窓に分類してそれぞれのバランスを考えていきます。まずは以下の図をご覧ください。

1.明るい窓:「公開された自己(open self)」
自己開示や他人から評価を受ける、また自分も他人もしらない新しい自分の特徴に気づくことで、この窓を広げることができる。

長所
・自己理解が深まり率先して自己開示を行う
・裏表のない振る舞いができる
・情報を開示しているので信頼されやすい
・他人から見た自分を理解しているので暴言を吐かない

短所
・個人情報の開示に無頓着
・人気者だからこそ、ひがまれることがある

2.隠された窓:「隠された自己(hidden self)」
自分を隠す・偽るとこの窓が広がり、
明るい窓が狭くなっていく。

長所
・個人情報や守秘義務が守られる
・相手を傷つけない

短所
・自己理解が深まらない
・誤解からトラブルに発展
・行動しないので成長できない

 

3.盲目の窓:「自分では気が付いていないが、他人からは見られている自己」(blind self)
この窓が大きいほど自覚できてない部分が多くあり、
それを受け止めることで明るい窓を広げることができる。

長所
・視野が広がり、アイデアが見つかる
・自己理解を深めるモチベーションになる

短所
・自分自身がわからない
・些細な判断も迷うようになる
・信念がなく流されやすい


4.未知の窓:「誰からもまだ知られていない自己」(unknown self)
自分も他人と知らない自分の一面。新しい気づきを得ることで、
隠された窓、明るい窓を広げることができる。

長所
・新しい発見、気づきが促進される
・自己理解へのモチベーションになる

短所
・自分が信じられない感覚になる
・自分の行動を後悔しやすい
・知識や経験が少ない

 

初対面や人間関係の会話では、②盲目の窓③隠された窓④未知の窓が開かれているケースが多いです。相手とのコミュニケーションが深まることで、①明るい窓がオープンになっていきます。

会話は「自己開示」から始めよう

城(2013)の研究では、自己開示が周りから受け入れている感覚にどのような影響を及ぼすか?について調べています。大学生144名を対象に、質問紙を用いて調べました。その結果は以下の通りです。

 

会話

自己開示が被受容感とプラスの相関を示していることがわかります。つまり、自分の話をすればするほど周りから受け入れてもらえている感覚が大きくなるということですね。自己開示をすることで、ジョハリの窓の「明るい窓」が広がるため、周りも自分のことを知っていると感じやすいのかもしれません。

自分のジョハリの窓を書いてみよう

それでは、ここで自分の状態を知るためにジョハリの窓診断を行っていきましょう。以下の質問に答えて自分がどの窓が広いか考えてみましょう。

さて、それぞれの合計点が出たら、いよいよ窓を書いていきます。まずは、紙とペンを用意して、長方形を書いてください。

次に左上を「5」とし、左下を「20」として、最初の5問の合計点の位置から線を引いていきます。ここでは、例として中間ぐらいの13点で書いていきます。

そして、今度は右上を「20」として、残りの5問の合計点のラインから線を引いていきます。ここでも中間ぐらいの「13」で引いていきます。

これで完成になります。この場合だとギリギリ開かれた窓が一番大きいですね。このよう、横に一本、縦に一本を加えてどの窓が大きいか把握してみましょう。

 

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

自分をオープンにして会話する方法

それでは、先ほどご紹介した理論や研究をもとに実際にジョハリの窓を会話に応用する方法を考えていきましょう!

1.率先して自己開示
相手との認識の「差」が広がる1番の理由は自己開示の量が少ないことが考えられます。また会話に苦手意識がある人は、相手から質問されてもいつも一途で終わりやすいです。そこで、より自己開示の量を増やしてやはりの窓の「公開された自己」を広げることが大事です。いつもよりも自分の話を1つ増やして会話することを意識してみましょう。

ただ、自分の話を最初からうまく話すことができないと言う人も多いでしょう。このとき、自己開示のポイントを押さえることでより多く自分の情報を相手に伝えることができます。ポイントは、

・5W1Hを意識する
・自分への感情質問

この2つです。5W1Hとは、

いつ   (When)
どこで  (Where)
誰と   (Who)
何を   (What)
なぜ   (Why)
どうやって(How)

などの視点から話題を具体化して話していきましょう。この3つの視点を持つことで、自己開示の量を自然と増やすことができます。例えば、「好きな食べ物はラーメンです」で終わるのではなく、「好きな食べ物はラーメンです。特にラーメン博物館によく足を運んで食べに行きます(どこで)」まで話すことができます。

次に「自分への感情質問」ですが、これは情報ではなく「感情」を相手に技術です。「楽しかったことは?」「嬉しかった部分は?」「凄かったのは?」などの質問を自分に対して行うことで、感じたことを相手に伝えることができます。先ほどのラーメンの例で説明すると、

「ラーメン博物館によく行きます。(凄かったのは?)ラーメン博物館の凄いところは、昭和レトロな雰囲気でラーメンを食べ歩きできることです」

といった感じに、自分の凄いと思った部分を相手に伝えることができます。この2つポイントを意識して練習することで自然と自己開示の量を増やすことができます

2.自分の印象を聞く
自己開示と同じぐらい重要なのが、他人から見られている自分を知ることです。ジョハリの窓でいうところの、盲目の窓の情報を集めて明るい窓をオープンにしていきます。

方法は単純で、定期的に自分がどう見られているか質問しましょう。より多くの人から意見をもらったが確実なので、「先生or上司」「家族」「友人」といった色んな関係の人に質問すると良いでしょう。

3.新しい自分の気づく
ジョハリの窓の「未知の窓」にある自分の姿を探すことも、自己理解を深めるうえでは重要です。千差万別ですが、

・性格診断
・動画で自分を観察する
・新しいこと始める

などの方法が挙げられます。自分も他人も気づいていな部分は、新しいことに挑戦することでわかる場合があります。例えば、「始めはウマが合わない相手だと思っていたけど、話してみたら意外といい人だった」という経験は誰しも1度はあるはずです。

性格診断や動画で自分をチェックすることも、今までやったことが無ければ新しい自分の側面に気づくきっかけになるかもしれません。

 

ゲームでジョハリの窓を学ぼう!

ジョハリの窓ゲームでは他人から見た自分と、自己開示を組み合わせたゲームで、OPENなコミュニケーションを促進するゲームです。ジョハリの窓の最大のポイントは、自覚できていな部分に気づくことと、自己開示をして自分を相手に知ってもらうことです。

自分の主観だけで、自己分析をすると新しい気づきを得ることができません。また、自分の中だけ完結させると、自己開示の量も少なくなってしまい、他人から誤解されることが増えてしまします。そこで、グループや集団を作り、複数の他者からの印象とセルフイメージのズレを認識する機会を得ることが大切です。

「周りからはこんな風に見られているんだ!」という衝撃を得ることが、自己開示や他者理解への行動を促すので、早い段階でジョハリの窓のゲームを経験しておきたいところです。教育関係者の方はぜひご自身の講義、授業に取り入れてみてください。

ゲームの流れ

それでは、ゲームの具体的な流れをご説明しましょう。以下の質問・回答カードを使います。

質問シート (388 ダウンロード)

質問シート(未成年) (304 ダウンロード)

     

かいとうシート (170 ダウンロード)

ダウンロードできるようにしてありますので、適宜お使いください♪

①発表者を決め
3~5人ほどのグループを作り、その中で1人発表者を決めます。

②クイズ出題
机に質問カードを裏にして適当に混ぜてセットし、
発表者は1枚カードを引きます。

発表者、メンバーはその回答を共に記入しましょう

例「発表者はどんな休日を過ごしているでしょうか?」
 * 知っている方はそのまま書きましょう
 * 知らない方は予測します

③回答タイム
 ひとりひとり発表します。同時に理由も告げましょう。

④答え合わせ 
 メンバーからの発表が終わったら
 発表者が最後に自己開示をして解答を示します。

⑤交代タイム
 1人につき5分程度で交代しましょう。

⑥感想・ディスカッション
 最後に全体で感想を話し合って終了です。(^^)

この6つのステップで進めていきます。ジョハリの窓のゲームは、自己開示や他人からみた自分を把握できるではなく、相手の性格を見抜いたり、共感力を高めることにもつながります。楽しみながら、開かれた窓をOPENにして会話力を上げていきましょう。

ジョハリの窓ゲームについてご紹介しました。コミュニケーションで相手に自分の印象を質問するのも効果的ですが、恥ずかしくて聞けない!という状況もあります。そこで、宴会や授業、講義などでゲームとして行うことがオススメです。より多くの人からの意見を聞ける環境が作れて一石二鳥ですね。

自己理解と他者理解を深めることは。誤解やトラブルが少ない会話をするためにとても大切です。レクリエーションの中で、他人との認識のズレを少なくしていきましょう!

ジョハリの窓で会話力をつけよう

ジョハリの窓はいかがでしたか。会話力をスムーズに行うためには自分をよく知っていることが重要になります。自分のことがわからない状態だと、周囲に流されやすくなり、コミュニケーションでストレスを抱えやすくなってしまいます。

特に普段から自己開示をしない人は、「落ち着きがある」「まじめ」という印象を抱かれがちですが、もっと熱く語れる分野があったり、時にはハメをはずすこともあるはずです。少しずつで構いませんので、素の自分を出していくことで周囲とのギャップを少なくすることができます。

★自己開示で会話力が上がる!ジョハリの窓で自分をオープンに

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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