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感受性が高いと居心地が悪くなる③

感受性が高いのは「居場所感」の不足が原因③

コラム①では、感受性とは何かについて概観していきました。今回からは感受性が高い人の研究事例を解説していきます。軽くおさらいすると、「①HSPと敏感な気質」「②感受性と居心地の悪さ」の2つでしたね。

今回は、「②感受性と居心地の悪さ」についてご紹介していきます。

感受性と居心地

感受性の豊かさに関連して最近注目されている、HSPという概念について少し紹介してきました。こうした、HSPの特徴も踏まえて、感受性の豊かさについて、以下のような研究が行われています。

薄ら(2015)は大学生を対象に、感受性の高さについて、「居場所感」や「積極的な他者関係」にどのような影響があるかを調べています。そのなかで、次のような結果が出ています。

・居場所感との関連

まずは「居場所感」について見ていきましょう。

このように、感受性の低さと居場所感には、関連があることが分かります。つまり、感受性が豊かであることは、周りからの刺激に敏感に反応したり、動揺しやすい傾向にあるため、友人と一緒にいても落ち着けないことが考えられます。

・積極的他者関係が低い!?

続いて、積極的な他者関係との関連はどうでしょうか。

こちらも同様に、感受性の高さと関係していることが分かります。感受性が豊かであると、他人の気分に左右されやすいため、相手に振り回されやすく人間関係を築いていくことに消極的であることが考えられます。

こうした、感受性が豊かすぎることは、人間関係においては居場所を見つけにくかったり、積極的に関係を築いていくことの困難さを感じているようです。

感受性 高い

公的自己意識との関連

なぜ感受性が高いと居心地が悪くなのでしょうか?

1つの原因として公的自己意識の高さが挙げられます。公的自己意識とは「こんなこと言ったら嫌われるかな」「自分の見た目は変じゃないかな」といった周囲に意識を向ける意識を意味します。感受性が高い方は、人の表情や、声の抑揚を必要以上に受け取ってしまうので、公的自己意識が高くなると考えられます。

いっぽうで、私的自己意識という考え方もあります。私的自己意識とは、自分自身の意見、どうありたいかを大事にする姿勢を意味します。感受性は低いと考えられます。周囲からの評価は自分を外側から見る上で大事ですが、それと同じほど自分自身がどうしたいかに注意を向けていきます。

堀井(2001)の研究では、公的自己意識・私的自己意識と、対人恐怖との関連が調べられています。実験では、高校生256名、大学生271名、計527名の青年を対象に質問紙を用いて、調査を行いました。その結果が以下の図になります。

まずは男子を見てみましょう。特に感受性と近い「公的自己意識」に大きく関係しているのは、「自分や他人が気になる心性」であることが分かります。いっぽうで、どの心性も私的自己意識にはほぼ影響がないと言えます。

続いて、女子を見ていきましょう。男子に比べて公的自己意識への影響が強く出ていますね。女子の周りからどう見られているかを気にする傾向にあるのですね。確かに、一般論としても女性は感受性が高いと言われることが多いですね。

私的自己意識では、若干の負の相関があるものの、こちらもほぼ影響がないレベルです。

私的自己意識は安定していますので、多少否定されたぐらいで左右されることはありません。「自分とは○○な人間だ」と自分自身に理解することで、自分らしさを確立していくことができ、適度な感受性を保つことができます。

感受性が高い方は、周りの情報ではなく、自分の内面にも目を向ける習慣をつけていくと改善できるかもしれません。次回は、感受性を抑える対策「認知療法」で拡大解釈をやめるを解説していきます。

★感受性高い人は居場所感が低い!周りを気にする!

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人間関係講座

目的

①特徴・強すぎるHSPとは?
②敏感の原因「HSP」とは
③居場所感の不足が原因
④「認知療法」で拡大解釈をやめる
⑤「強みに変える」方法
⑥「目的本位」に行動する

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
薄 勇樹,浅岡 有紀,逸見知美,田中真理(2015) 大学生の感覚感受性傾向が対人ストレスコーピングならびに居場所感に与える影響 東京成徳大学臨床心理学研究 15, 139-145
堀井(2001)青年期における自己意識と対人恐怖心性との関係 山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science 12(4), 85(453)-100(468), 2001-02-15