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傾聴力を高める⑨間の取り方

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傾聴力を高める⑨「間の取り方」

当コラムでは傾聴トレーニングを体系的に解説しています。

コラム8では「感情質問」を解説しました。相手との親密度が高められる傾聴スキルでしたね。

今回は傾聴の基礎の仕上げ「間の取り方」について紹介します。間のない会話は忙しくなってしまい、自分も相手もすごく疲れます。適切な間の取り方を身につけて、傾聴スキルを伸ばしていきましょう!

 

「間の取り方」とは?

間の取り方

そもそもコミュニケーションでの「間」とは、何を意味するのでしょうか。間とは、

会話の中で起きる沈黙した時間のことです。

傾聴では、この間の取り方が非常に重要です。間の取り方が適切でないと、相手が会話にストレスを感じるため、良好なコミュニケーションが図れません。

間が上手に取れない人は「間」が空くと焦って話しをしてしまうことがあります。たとえば質問をした後、相手がう~んと考えている途中で質問を被せてしまうのです。

間が適切に取れない人(聴き手)
聴き手 好きな旅行先はどこですか?
  ↓
相 手 う~ん・・・(1秒)
聴き手 あまり行かないですか?
    では地元はどうですか?

このような会話では、相手は質問責めにあっているような気持ちになり疲れてしまいます。

一方で、間の取り方が上手な人の場合はこんな感じになります。

間が上手に取れる人(聴き手)
聴き手 好きな旅行先はどこですか?
  ↓
相 手 う~ん・・・(3秒)
聴き手 悩んじゃいますよね~(3秒)
相 手 う~ん・・・(3秒)あ!
    そういえば3年前に温泉に行きました

このような会話なら、しっかり考えて話ができそうです。

会話をしているときに「間」が空いてしまうと、気まずい気持ちから焦って話をする人もいます。しかし適切な「間」をとることが、傾聴姿勢では非常に大切です。

 

「間」の3つの効果

「間」には、3つの効果があります。

深い理解ができる
適切な「間」が取れると、互いに会話をゆっくり味わえます。相手の発話を落ち着いて考える事ができるため、相手との会話に深い理解ができます。

親密度が高まる
相手にじっくり話を聴いている印象を与えます。特に相手が感情的な話題にれている時には、寄り添うような姿勢を示すと、相手との距離を近づけることができます。

安心できる
適切な間があることで、傾聴姿勢をしっかりと示せます。傾聴してもらえる空気から相手はとっても安心することができます。

傾聴力を間の取り方で伸ばそう

 

 

注意点

「間」には注意点があります。初対面での会話に長い「間」が続く場合は注意が必要です。

会話にゆとりを持たせてくれる「間」ですが、あまり間が空きすぎると、相手に興味が無いよう取られてしまいます。ある程度会話ができるよう話す姿勢を持つことが大切です、

これまでご紹介してきたオウム返しや肯定返し、自己開示などを使いながらたくさん話すことで、会話にボリュームがでて自然と楽しくなってくると思いますよ。

しっかり身につけたい方へ

当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、たくさん練習することができます。内容は以下のとおりです。

・傾聴トレーニング,基礎からしっかり
・オウム返し,要約,言い換え練習
・発言を肯定する練習,誉め上手に
・カウンセリング技術,共感力トレ

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助け合い掲示板

1件のコメント

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    • じゅんじゅん
    • 2023年6月2日 3:47 PM

    補聴器をしています。騒がしい場所の場合、会話が時々聞き取れず「えっ?」と聞き返した後、再度、聴き取れない時は相手に悪いので聴こえたふりで、理解していないまま、うなずくクセが習慣化していると最近、感じます。特に、グループで話す時は、会話を止めてしまうので聞いたフリをしていることが多いです。
    周りの方へ嫌な気持ちにさせず、もう一度聞き返す方法とかありますか?

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連