気まずい状況を改善する方法「価値観の違いを乗りこえる」②
コラム①では、気まずい状況について概観していきました。対処法としては「①価値観の違いを乗り越える」「②不安階層表」「③アサーティブな会話」の3つでしたね。
今回は、①価値観の違いを乗り越えるについて解説していきます。
気まずいを生む価値観の違い
気まずい空気を作る原因の1つ目は「価値観の違い」です。特に夫婦やカップル喧嘩、上司や同僚と意見が合わない場合は、異なる価値観が原因になっているケースが多いでしょう。
気の合う友人、愛し合っているパートナーはもちろん、家族や兄弟でも価値観のギャップはあるものです。どんなに仲がよくても、100%価値観が合うことはまずありません。苦手意識をもっている人ならなおさらです。
価値観は、育った環境や経験で大きく変わるため、元々他人同士や性別が違えば、価値観が違って当然です。価値観のギャップを感じた時には次点をポイントに歩み寄る気持ちが大切です。
ポイント① 相手の価値観を知ろう
価値観のギャップを感じた時には、相手の価値観を否定したり自分の価値観を押し付けるのはNGです。
価値観は正しいも間違っているもありません。まずは相手の価値観の背景にある気持ちや考えを聴くようにしましょう。「どうしてそう思うの?」「なぜそう考えたの?」など相手の気持ちに歩み寄る気持ちが大切です。
門野(1995)の研究では、良好な人間関係では、お互いの価値観を尊重しきちんと話し合って答えを出せば、絆を深めることができると述べられています。また、相手を理解しようとする姿勢が伝われば気まずい空気を互いに改善できるようになりそうですね。
ポイント② 共通の目標に注目する
価値観のギャップから喧嘩や言い争いが起きた時には、互いの価値観や感情・将来の目標に焦点を当てて会話をすることが大切です。
神原(1992)は、うまくいく夫婦の基本的結合パターンを「共生的結合」という言葉で示しています。
共生的結合とは、「共に生き、人生を共に歩むという共同目標のもとで、相互信頼に支えられた相互成長を期しながら互いの人生における短期的・長期的なゴールを目指して喜怒哀楽の体験を積み重ねていく関係」と説明されています。
つまり夫婦は、互いの価値観や感情・ビジョンを共有しながら
・短期的
・長期的
なゴールを目指すチームであり共同経営者ということですね。
夫婦やカップル、職場の同僚や上司とは、なにかしら共通の夢や目標があるはずです。そこに焦点をあてて、話し合いをすることで価値観のキャップを埋めることができ、価値観のギャップによる気まずい気持ちを緩和することができますよ。
練習問題
それでは練習問題で、価値観を尊重するコツを確認していきましょう。旅行の予定についてあなたはパートナーと話をしています。意見の食い違いから気まずい空気がながれはじめています…。
あなたは「今度の連休は旅行をいれたよ。みんなの予定が調節できてよかった~」
パートナー「ごめん!急な案件で忙しくて仕事が休めない。今回は俺抜きで行ってきて」
<練習問題1>
①相手の価値観を知ろう
⇒
②共通の目標に注目する
⇒
↓
それぞれの
価値観についてみえてきましたか。
↓
解答例
①相手の価値観を知ろう
・休日といえども仕事は最優先
・自分抜きでの楽しんでくれればOK
②共通の目標に注目する
・今度の連休は休みが取れるから一緒に行こう
<練習問題2>
あなたは上司に怒られてしまい気まずい二人の間に気まずい空気が流れています。
上司「プレゼン資料に重要な書類が抜けているじゃないか!もう間に合わないぞ」
あなたは「え、ほんとですか、申し訳ございません!」
①相手の価値観を知ろう
⇒
②共通の目標に注目する
⇒
↓
それぞれの
価値観についてみえてきましたか。
↓
解答例
①相手の価値観を知ろう
・会社の売上を左右する大事なプレゼン
・入念に準備してもらいたかった
②共通の目標に注目する
・改めて謝罪をし、今後どうしたら資料の抜けがなくなるかを考え、
上司に伝える
相手を理解して気まずいを克服
今回は、気まずい状況の対処法として「価値観の違いを超える」という方法をご紹介しました。相手の価値観を理解ができれば、おのずと気まずい状態も解消していきます。ぜひ日常生活の中で実践してみてくださいね。
次回は、不安階層表で関係修復について解説していきます。お楽しみに!
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