共感力を高めるトレーニング‐質問の作り方
共感力コラム①では、共感力の基礎トレーニングについて概観していきました。今回は、共感力を示す方法「質問の作り方」について解説をしていきます。
共感力と質問
今回は共感力を高めるための質問は、以下の3つがあります。
①5Wの質問
②プラスの感情質問
③不安を聞くよ質問
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①5Wの質問
相手の話をより具体的に掘り下げる質問テクニックです。5Wとは、以下5つの質問の頭文字をとって名付けられています。
・いつ(When)
・誰と(Who)
・どこで(Where)
・なぜ(Why)
・なにを(What)
これらの質問を使うことで話の状況を理解することができます。カウンセリングなどでは比較的序盤に使うことが多いです。
・横浜に行ってきた人の例
例えば、「先日、横浜にいきました。」と言われたとします。これだけでは話が表面的過ぎて、共感するポイントがわかりません。
そこで、
「誰と(Who)行ったんですか?」
「何を(What)しに行ったんですか?」
「なぜ(Why)行ったんですか?」
と質問をして会話の基本的な情報を集めていきます。すると、楽しさを感じたポイントが具体的になり、深く相手を理解することができます。
②プラスの感情質問
プラスの感情質問とは、相手のポジティブな感情を深く理解するための質問です。ポイントとしては、プラスの感情を入れながら質問するのが原則になります。具体的には、
楽しい、嬉しい、わくわくする、勉強になる、興味が湧く、気持ち良い、美しい、元気が出る、テンションが上がる、リフレッシュできる
上記のような言葉を使いながら質問するように心がけていきましょう。
例
・その場所に行って楽しかったことは?
・その活動をして勉強になったことは?
・○○さんの地元の良いところは?
・何か嬉しいことでもあった?
・それはすごく面白いんじゃない?
相手が前向きな会話をしたそうなときは特に有効です。
③不安を聞くよ質問
不安を聞くよ質問は、プラスの感情質問とは逆です。相手のネガティブな感情を深く理解するための質問になります。マイナスの感情を入れながら質問するのが原則です。具体的には、
つらい、悲しい、しんどい、疲れている、元気がない、やる気がでない、めんどくさい、つまらない、興味がない、イライラする
これらの言葉を使いながら質問するように心がけていきましょう。
例
・どれくらいの長さつらい状況が続いているの?
・いつから厳しくなってきたの?
・いつも落ち込んじゃう感じ?
・結構いましんどいの?
・じゃあい結構いま孤独な感じが続いているのかな?
マイナスの感情を入れて質問することで、相手は感情を吐き出しやすくなります。相手が悩みを相談したそうなときは特に有効です。
練習問題でマスター
それでは、先ほどの2つの質問の作り方を参考に練習問題にチャレンジしていきましょう。以下の相手のセリフに対して、質問を作ってみてください。
①問題
「昨日、沖縄に旅行に行ってきたんだ」
5W1Hの質問
⇒
プラスの感情質問
⇒
②問題
「昨日友人から自分がやっている仕事をバカにされてしまって、
かなりイライラしちゃってるんだ。あんなこと言われる筋合いはないよ・・・」
5W1Hの質問
⇒
不安を聞くよ質問
⇒
解答例
①問題
「昨日、沖縄に旅行に行ってきたんだ」
5W1Hの質問
⇒沖縄のどこに(Where)行ったの?
誰と(Who)行ってきたの?
何を(Why)してきたの?
プラスの感情質問
⇒沖縄の楽しかったところは?
海すごく綺麗だったでしょ?
一番オススメのスポットは?
②問題
「昨日、自分がやっている仕事をバカにされてしまって、かなりイライラしちゃってるんだ。あんなこと言われる筋合いはないよ・・・」
5W1Hの質問
⇒誰に(Who)バカにされたの?
なんで(Why)バカにされたの?
仕事の何を(What)言われちゃったの?
不安を聞くよ質問
⇒すごく頭に来ているの?
結構傷ついているのかな?
じゃあ今困惑している状態なの?
気持ちを尊重して共感
練習問題をやってみていかがでしたか。相手の価値観を受け入れる距離感が、何となくおわかりいただけましたか。
共感するためには、相手の言葉を全力で肯定しなければ!と思う方がいるかもしれません。しかし、力が入り過ぎては自分も相手も疲れてしまうので注意しましょう♪