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心理的な問題を解決して共感力をアップしよう

共感,力


共感力をアップしよう②

コラム①では共感性をつける解決策についてお話しました。

具体的には「いったん相手になってみる」「共感力をつけるスキルを身に着ける」「考え方と感情をわける」「程よい距離感を保つ」の4点でした。

今回は、1つ目「いったん相手になってみる」をについて解説します。

自分勝手な価値観とは…?

コラム①でも少しお話しましたが、人は子供の頃から成長していく間に「自分は特別な人間だ」「周りはたいしたことがない」「自分の意見と異なるやつはおかしい」などの自分勝手な価値観を形成することがあります。もしあなたが共感できない・・・という悩みを抱えていたら、もしかしたら価値観が自分勝手になっているかもしれません。

共感が苦手な方は自己愛が強い

臨床心理学的に言うとこれら、自分勝手な価値観が強い方は「自己愛が過剰」と表現したりします。現場での経験上、特に、母子関係が密着で、親からしつけがなく、過保護に肯定されて育ってしまったり、友人同士で健康的に喧嘩をしたり議論をしてこなかった方に多いと言えます。

 特に自己愛が過剰な方は「自分は特別だ」「自分は他人よりも優れている」などと自分のことを過大評価することで、共感しにくい状況になってしまいます。

自分と他人はそこまで変わらない

もしあなたが、共感性が低いと感じているなら、次の価値観を1つ参考にしてみてください。「いったん相手になってみる」ということです。具体的には「自分も同じ状況になれば、同じ失敗や価値観が同じになるかもしれない」と考え、いったん相手の悩みや状況をゼロから想像してみるのです。そのとき自分の価値観はいったん忘れましょう。

コラム①でお伝えした通り、共感は相手と同じ気持ちになる必要はありません。「いったん」というのがキーワードですね。全部理解しよう!ではなく、あくまで私は私としてあるが、「いったん」相手になってみようこれでOKです。

抽象的で少しイメージしにくいかもしれません。ここで共感するのが苦手という悩みを改善したAさんについて紹介させて頂きます。

仕事に厳しすぎる自己愛が強いAさん

ある悩みを持った方Aさんが、カウンセリングにいらっしゃいました。Aさんは管理職でした。仕事は素早く丁寧で有能です。しかし、周囲とぶつかる癖がありました。

「こんな簡単なこともできないの?」
「俺(私)だったらこんなミスしないよ」

と相手を見下したような発言をすることも多かったため、結果的に部下の信頼を失い、管理職としての評価がガタ落ちになってしまっていました。

Aさんは苦しみながらも、カウンセリングで自分自身と向き合いました。その過程で、自分の身勝手な考えに気が付いて最終的に次のように考え方を改善したのです。

「自分も同じ状況になれば、わからないことがあるかもしれない」
「自分も同じ状況になれば、失敗することがあるかもしれない」

Aさんはこの考え方になったことで、相手に次のような行動もとれるようになっていきました。

「○○がわからなかったんだね。自分や他の人にもあるかもしれないよ。」
「失敗は誰にでもあるよ。」

このように、Aさんはコミュニケーションの在り方がかなり変わったようでした。頭ごなしに怒るという姿勢が改善され、部下の定着率も安定してきた段階で、カウンセリングを卒業されました。

共感力はゆっくり焦らず伸ばしていこう

自己愛が強かったAさんの考え方や改善ポイント、お分かりいただけましたか。

自己愛が過剰になっている場合、すぐに修正し共感的な言葉がけをするのには一朝一夕ではできません。人の気持ちを察することや共感を示すには地道な努力が必要です。あせらずゆっくり、チャレンジしてみてくださいね(^^)

 

いったん相手になってみる」これをキーワードとして押さえておいてくださいね♪

次回の共感コラムは、共感できない原因の1つ「共感力スキルを身に着ける」です。次回もお楽しみに!

★ 強い自己愛が共感力の低さを招くことがある
★ 自己愛的な認知を修正することが共感力をあげるヒントに

 

出典
・『パーソナリティ障害とむきあう―社会・文化現象と精神科臨床』林 直樹,日本評論社(2007)
・『人格障害の臨床評価と治療』林直樹,金剛出版(2002)
・共感性と他者意識に関する研究 矯正協会附属中央研究所紀要第15号



練習問題で気持ちを察するトレーニングを!